「無事に脱出できたのは幸運」水の汚れよりも“流れ”が心配 女子選手がセーヌ川で「100回くらい溺れそうになった」と告白【パリ五輪事件簿】

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セーヌ川は水の汚れよりも流れの強さが問題と選手が告白した(C)Getty Images

 パリ五輪が閉幕した。セーヌ川の水質問題が取り沙汰されていた中で開催された男女トライアスロンでは、選手たちが予想外の”負担”に対する不満をぶちまけていた。

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 トライアスロン女子では、オーストラリアのナタリー・ファン・クーボルデンが、豪紙『The Sidney Morning Herald』の取材に応じ「正直に言うと、水の汚れよりも流れの方が問題でした。去年のテストイベントの時よりも強かった」と話した。セーヌ川の流れは予想以上に激しく、「100回くらい溺れそうになったし、水をペットボトル10本分くらいは飲んだ」という。

 また、全体10位でフィニッシュした米国のテイラー・スパイビーも、レース後に米スポーツ専門局『NBC Sports』のフラッシュインタビューで「大量の水を飲んだ」と明かしている。

「正直に言うと、私にとって水質よりも心配だったのは流れでした。おそらく参加者全員が、その場で泳いでいるような瞬間があったと思います。私にとってはそっちの方がずっと怖かったですし、無事に脱出できたのは幸運でした」

 汚染状況がひどすぎるため、セーヌ川は1世紀以上も遊泳が禁止されていた。大会公式委員会がゴーサインを出したが、競技後に体調不良を訴える選手も出た。さらに競技前日の悪天候によって、流れの強さを問題とする参加者も少なくなかった。選手は過酷な状況の中で今回のレースを乗り越えた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]