渋谷ヒカリエで8月27日まで開催中 芥見下々『呪術廻戦』展」レポート
「週刊少年ジャンプ」で大人気連載中の漫画『呪術廻戦』(芥見下々著/集英社刊)の「創作秘話」を解き明かす大型展覧会「芥見下々『呪術廻戦』展」。8月27日(火)まで渋谷ヒカリエ内のHikarie Hallで開催していると聞いて、さっそく行ってみた。
「芥見下々『呪術廻戦』展」では、デジタル手法による『呪術廻戦』の創作工程を、作者の解説も交えながら一挙公開している。連載前に制作されていたプロトタイプ『呪術匝戦』(読み・じゅじゅつそうせん)のネームも、本展で初めて一部が公開されている。その他、『呪術廻戦』のネームや下書き展示など、初公開資料が盛りだくさんで、ファンにとってはたまらない展覧会である。
特に作者芥見氏の解説は細かなことも書かれており、思わず「そういう事だったのか!」と声に出しそうなほど、知らなかった秘話が満載。まさにここでしか知ることができない内容だ。
ⓒ芥見下々/集英社
漫画、アニメ、ミュージカルなど芥見氏のデビューから『呪術廻戦』の歩みを紹介する、芥見下々×『呪術廻戦』年表から始まる。
ⓒ芥見下々/集英社
完成原稿ができるまでのネーム・下書きが惜しみなく展示されている。
『呪術廻戦』へとつながる前日譚『東京都立呪術高等専門学校』から、連載前に制作されたプロトタイプのネーム『呪術匝戦』も初展示だそう。本作品がどのように生み出されたのかがここでわかる!
ⓒ芥見下々/集英社
『東京都立呪術高等専門学校』発表後に、「週刊少年ジャンプ」本誌の連載会議用に制作したプロトタイプ『呪術匝戦』(読み・じゅじゅつそうせん)の未公開ネームの一部が見られる。『呪術廻戦』へと転用されているアイデアなど、貴重な創作過程を知ることができたのも嬉しい。
ⓒ芥見下々/集英社
データの残る『呪術廻戦』の連載第1話(1巻)〜第236話(26巻)までの「ネーム」と「下書き」がプロジェクタ投影展示されている。ネームは4400ページ以上、下書きは3000ページ以上からなり、作者の創作した物量と、費やした時間を感じさせるかのように流れ続ける。そのほとんどが本邦初公開となるネームだ。
名場面構築への準備の様子がうかがえる貴重な下書き類は必見 ! スキャンする前の紙の状態で残る、芥見氏が手書きした「アナログ」のネームも見られる。芥見氏と担当編集がやりとりした「返しネーム」(担当編集がネームを読んでの指摘)も必見だ。
ⓒ芥見下々/集英社
構想から作画、アシスタント陣との作業連携…デジタル作画ならではの『呪術廻戦』の緻密な創作工程が、分かりやすく紹介・解説されている。
ⓒ芥見下々/集英社
「デジタル原画」を構成している「レイヤー」をオブジェ化。1枚のデジタル作画の実態が、重なり合う「イラストの多重層構造」であることを視覚的に体感することができる。
芥見氏とアシスタント陣がどのような工程を経て1枚の原稿を完成させていくかの流れを、4連に配置されたディスプレイ。
ⓒ芥見下々/集英社
ストーリーごとに区切ったエリアで、キャラクター・設定・ストーリーについて、ネームや下書き、背景画を交えて作品づくりの最深部を解説。芥見氏によるQ&A形式のコメントを添えて、これまで明かされていなかった部分まで掘り下げている。デジタルで描かれた原稿だからこそ見ることができる、ネーム・下書き・背景画をパネルや映像で展示。エリアによっては、フォトスポットが設置されているのもファンには嬉しいポイントだ。
ⓒ芥見下々/集英社
『呪術廻戦』の作画を支える6名の精鋭アシスタント陣を作者のコメントで紹介している。アシスタント陣が手がけた超絶技巧の背景画を使ったフォトスポットでは、作品世界の中に入り込んだかのような写真撮影をすることができる。あの時のあの場面に自分が…などワクワクすること間違いなしだ。
ⓒ芥見下々/集英社
渾身のカラーイラストの数々が大迫力のサイズで見ることができる。デジタルで描かれた作品だからこそできる拡大出力&デザイン処理によりトリミングされていた部分まで高範囲で出力。展覧会キービジュアルの制作過程をおさめたタイムラプス動画や、「週刊少年ジャンプ」の表紙となったイラストの創作過程も公開されている。
2024年3月11日〜4月18日まで実施された、第4回キャラクター人気投票の上位3名のイラストが、東京会場で最速展示されているのも見逃せない。
ブースの出口を出ると展覧会公式ショップが併設されている。展覧会図録を含め90点のアイテムは、どれもファン心をくすぐるグッズばかりだったので、こちらもお見逃し無いよう。
「ガイドを聞いてくださる皆さんに内容が伝わりやすいように、丁寧に読ませて頂きました。"呪術師"を一度も噛まずに言えたので嬉しかったです。今回の展覧会は、僕も知らなかった裏話や、芥見先生の創作エピソードがありますので、『呪術廻戦』ファンの方はもちろんのこと、皆さんに楽しんでいただけると思います。ぜひ御来場ください!」 (榎木淳弥さん)
「マンガ作品が生み出されるまでのプロセスに、これまでにないレベルで踏み込んだ今回の展覧会。ご覧いただける膨大な資料は大変貴重なものばかりです。間違いなく、見応え満点だと思います。そんな『呪術廻戦』の深淵へと赴く旅のお手伝いを、私もさせていただきました。あわせてお楽しみいただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします」 (諏訪部順一さん)
入場券は一般2,000円(税込・日時指定制)。開館時間は10:00〜20:00(19:30最終入場)で、8月27日(火)まで。
公式サイト:https://jujutsuten.com
「芥見下々『呪術廻戦』展」では、デジタル手法による『呪術廻戦』の創作工程を、作者の解説も交えながら一挙公開している。連載前に制作されていたプロトタイプ『呪術匝戦』(読み・じゅじゅつそうせん)のネームも、本展で初めて一部が公開されている。その他、『呪術廻戦』のネームや下書き展示など、初公開資料が盛りだくさんで、ファンにとってはたまらない展覧会である。
特に作者芥見氏の解説は細かなことも書かれており、思わず「そういう事だったのか!」と声に出しそうなほど、知らなかった秘話が満載。まさにここでしか知ることができない内容だ。
エントランス
ⓒ芥見下々/集英社
漫画、アニメ、ミュージカルなど芥見氏のデビューから『呪術廻戦』の歩みを紹介する、芥見下々×『呪術廻戦』年表から始まる。
領域之壱 プロトタイプ&ネーム
ⓒ芥見下々/集英社
完成原稿ができるまでのネーム・下書きが惜しみなく展示されている。
『呪術廻戦』へとつながる前日譚『東京都立呪術高等専門学校』から、連載前に制作されたプロトタイプのネーム『呪術匝戦』も初展示だそう。本作品がどのように生み出されたのかがここでわかる!
秘録ネーム解禁『東京都立呪術高等専門学校』
「週刊少年ジャンプ」の増刊である「ジャンプGIGA」において4話連載され、後にコミックス第0巻として刊行された『東京都立呪術高等専門学校』。これまで未公開のネームの一部が見られるので、思わずじっくり見てしまった。秘録ネーム解禁『呪術匝戦』
ⓒ芥見下々/集英社
『東京都立呪術高等専門学校』発表後に、「週刊少年ジャンプ」本誌の連載会議用に制作したプロトタイプ『呪術匝戦』(読み・じゅじゅつそうせん)の未公開ネームの一部が見られる。『呪術廻戦』へと転用されているアイデアなど、貴重な創作過程を知ることができたのも嬉しい。
全貌解禁『秘匿絵図之間』
ⓒ芥見下々/集英社
データの残る『呪術廻戦』の連載第1話(1巻)〜第236話(26巻)までの「ネーム」と「下書き」がプロジェクタ投影展示されている。ネームは4400ページ以上、下書きは3000ページ以上からなり、作者の創作した物量と、費やした時間を感じさせるかのように流れ続ける。そのほとんどが本邦初公開となるネームだ。
名場面構築への準備の様子がうかがえる貴重な下書き類は必見 ! スキャンする前の紙の状態で残る、芥見氏が手書きした「アナログ」のネームも見られる。芥見氏と担当編集がやりとりした「返しネーム」(担当編集がネームを読んでの指摘)も必見だ。
領域之弐 デジタル作画メソッド
ⓒ芥見下々/集英社
構想から作画、アシスタント陣との作業連携…デジタル作画ならではの『呪術廻戦』の緻密な創作工程が、分かりやすく紹介・解説されている。
『呪術廻戦』デジタル作画工程解説
今やスタンダードとなりつつあるデジタル作画環境での漫画制作。その千差万別の手法において、本作『呪術廻戦』では芥見氏とアシスタント陣がどのような工程を経て作品を創作しているのかが解説されている。デジタル<多重層作画>立体模型
ⓒ芥見下々/集英社
「デジタル原画」を構成している「レイヤー」をオブジェ化。1枚のデジタル作画の実態が、重なり合う「イラストの多重層構造」であることを視覚的に体感することができる。
原画データ体感ディスプレイ<4連マルチVer.>
芥見氏とアシスタント陣がどのような工程を経て1枚の原稿を完成させていくかの流れを、4連に配置されたディスプレイ。
領域之参 連載原稿 総力解説
ⓒ芥見下々/集英社
ストーリーごとに区切ったエリアで、キャラクター・設定・ストーリーについて、ネームや下書き、背景画を交えて作品づくりの最深部を解説。芥見氏によるQ&A形式のコメントを添えて、これまで明かされていなかった部分まで掘り下げている。デジタルで描かれた原稿だからこそ見ることができる、ネーム・下書き・背景画をパネルや映像で展示。エリアによっては、フォトスポットが設置されているのもファンには嬉しいポイントだ。
TEAM JUJUTSU KAISENアシスタント紹介&超絶背景フォトスポット
ⓒ芥見下々/集英社
『呪術廻戦』の作画を支える6名の精鋭アシスタント陣を作者のコメントで紹介している。アシスタント陣が手がけた超絶技巧の背景画を使ったフォトスポットでは、作品世界の中に入り込んだかのような写真撮影をすることができる。あの時のあの場面に自分が…などワクワクすること間違いなしだ。
領域之肆 カラーイラスト
ⓒ芥見下々/集英社
渾身のカラーイラストの数々が大迫力のサイズで見ることができる。デジタルで描かれた作品だからこそできる拡大出力&デザイン処理によりトリミングされていた部分まで高範囲で出力。展覧会キービジュアルの制作過程をおさめたタイムラプス動画や、「週刊少年ジャンプ」の表紙となったイラストの創作過程も公開されている。
2024年3月11日〜4月18日まで実施された、第4回キャラクター人気投票の上位3名のイラストが、東京会場で最速展示されているのも見逃せない。
ブースの出口を出ると展覧会公式ショップが併設されている。展覧会図録を含め90点のアイテムは、どれもファン心をくすぐるグッズばかりだったので、こちらもお見逃し無いよう。
豪華声優2人による音声ガイド
アニメ『呪術廻戦』出演中の榎木淳弥さん(虎杖悠仁役)、諏訪部順一さん(両面宿儺役)が音声ガイドに登場! ナビゲーターとしてここでしか聞けない芥見氏の創作の更なる秘話を解き明かしてくれるので、かなりおすすめだ。「ガイドを聞いてくださる皆さんに内容が伝わりやすいように、丁寧に読ませて頂きました。"呪術師"を一度も噛まずに言えたので嬉しかったです。今回の展覧会は、僕も知らなかった裏話や、芥見先生の創作エピソードがありますので、『呪術廻戦』ファンの方はもちろんのこと、皆さんに楽しんでいただけると思います。ぜひ御来場ください!」 (榎木淳弥さん)
「マンガ作品が生み出されるまでのプロセスに、これまでにないレベルで踏み込んだ今回の展覧会。ご覧いただける膨大な資料は大変貴重なものばかりです。間違いなく、見応え満点だと思います。そんな『呪術廻戦』の深淵へと赴く旅のお手伝いを、私もさせていただきました。あわせてお楽しみいただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします」 (諏訪部順一さん)
入場券は一般2,000円(税込・日時指定制)。開館時間は10:00〜20:00(19:30最終入場)で、8月27日(火)まで。
公式サイト:https://jujutsuten.com