「酷かった」世界記録を叩き出した中国競泳の19歳が他国選手から受けた“嫌がらせ”を告白「コーチは水をかけられた」【パリ五輪】

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圧巻のレースで金メダルを手にした潘展楽。(C)Getty Images

 パリ五輪は大会6日目にして、“初の世界記録”が誕生した。

 現地時間7月31日に行われた競泳男子100m自由形決勝で、19歳の俊英・潘展楽(中国)が46秒40の世界新記録をマーク。自身が今年2月11日にマークした46秒80を0.40縮め、金メダルを獲得した。

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 圧巻の泳ぎを披露した潘展楽。同種目でアジア人が勝者になるのは、1932年ロサンゼルス大会の宮崎康二以来、92年ぶりの快挙に世界が沸いた。一方で同選手の快挙には疑惑の目も向けられた。

 今年4月に複数の海外メディアは、東京五輪の約半年前に潘展楽を含む23人の中国競泳選手から禁止薬物トリメタジジンが検出されていた事実を報道。さらに発覚直後も彼らが世界水泳などの国際大会に出場していたともすっぱ抜かれた。

 こうした報道を受け、世界アンチドーピング機構(WADA)はドーピング検査の強化を約束。さらにドーピングの国際検査機関(ITA)も五輪開幕間近の7月25日に、中国の水泳選手が今年に入って600回を超える検査を受けていると公表した。

 それでも中国選手たちへの疑念は拭えない。批判が相次ぐ“逆風”の中で世界記録を叩き出した潘展楽は、母国メディア『捜狐』などで「最高の結果を得ようと最大限の努力をした」とコメント。さらに“嫌がらせ”にも似た行為をライバルから受けたレース前の舞台裏も明かした。

「大会初日から酷かった。100m自由形リレーの時に僕はカイル・チャルマーズ(豪州)に挨拶したが、彼は僕らを完全に無視した。さらにジャック・アレクシー(米国)もそうだ。あと、僕らが練習をしていた時、プールサイドにいたコーチに誰かが水をかけたこともあった。こういう行為はハッキリ言ってちょっと失礼だと思った」

 そうした逆境もはねのけての金メダルだった。潘展楽は「言わせてもらっていいですか? 僕は彼ら全員を打ち負かした。こういう難しい環境で世界記録を破ったんだ」と胸を張った。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]