【海外発!Breaking News】65度の高温シャワーで76歳男性が死亡 宿泊施設側に遺族へ3億円超の支払い命令(米)
アメリカの裁判所で今月3日、宿泊施設を訪れた男性が65度のシャワーを浴びて7か月後に死亡した事故の裁判が行われた。裁判官は、宿泊施設側に過失があったとして遺族に200万ドル(約3億2300万円)の支払いを命じた。米ニュースメディア『People.com』などが伝えている。
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事故は2021年11月19日、米ケンタッキー州アーランガーにある宿泊施設「エコノ・ロッジ(Econo Lodge)」で発生した。この日、テネシー州ノックスビル在住のアレックス・クロニスさん(Alex Chronis、76)は、近くのイベントで屋台を出すため2人の知人と一緒に同宿泊施設を訪れた。そして部屋に着いたアレックスさんがシャワーを浴びようとしたところ、お湯の温度が摂氏65度(華氏150度)と急激に上昇した。
一般的に、約60度のお湯では5秒程度、68度以上になると1秒未満の接触で熱傷を起こすと言われている。高温のお湯を浴びてしまったアレックスさんは熱傷を負い、その場に倒れてしまった。部屋にいた2人の知人はアレックスさんの叫び声を聞き、シャワールームに駆け込んでアレックスさんをバスルームから助け出した。
熱傷を負ったアレックスさんは意識があり、市販薬を塗って予定通りに屋台を出店したという。その後、アレックスさんは熱傷の状態を診てもらうため「Miami Valley Hospital」の救急外来を訪れた。医師からは休むように指示されたが、屋台での仕事を続けた。
ところが、2日後に体調不良を訴えて再び病院を訪れたアレックスさんは、そのまま約5か月間入院した。アレックスさんの熱傷の状態は酷く、入院中には手術を受けることになった。また入院中に別の病気を発症し、その治療も行われたという。
2022年4月、アレックスさんの容体は安定し、自宅があるノックスビルのリハビリ施設に移動した。しかし、数か月後に再び容体が悪化したためノックスビルの病院に入院したが、2022年6月19日に息を引き取った。
アレックスさんの死から4か月後、アレックスさんの姪は、エコノ・ロッジのオーナーであるサンジェイ・パテル氏(Sanjay Patel)と運営会社「Aspyn, LLC」に対して損害賠償などを求める裁判を起こした。
そして今月3日、「サンジェイ氏は、宿泊客が十分安全に利用できる状態を維持するための点検や注意を怠った」という結論に至り、医療費や葬儀費用、痛みや苦しみに対する損害賠償、懲罰的損害賠償として、宿泊施設側は合計200万ドル(約3億2300万円)以上を遺族へ支払うように命じられた。
遺族の弁護人であるジェフ・ブランケンシップ氏(Jeff Blankenship)は、「被告による不当な行為とアレックスさんが負った恐ろしい傷を、陪審員に認めてもらえたと遺族は感じています。彼の死は深刻な熱傷に起因した合併症によるもので、宿泊施設の経営陣が顧客の安全のために適切な手順を踏んでいれば、簡単に防ぐことができたはずです」とコメントしている。
今回の事故が各メディアに報じられると、「これは怖いな」「シャワーを浴びる前に、手や足で温度を確認すべき」「ホテルも悪いけど、すぐに病院に行かなかったこの人の対応も良くない」「こういうことが起きるから、ちゃんとしたホテルにしか泊まらない」など様々な声があがっている。
画像は『New York Post 「Hotel guest dies after being burned by scorching 150-degree shower」(Kentucky Tourism)(Dignity Memorial)』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)
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事故は2021年11月19日、米ケンタッキー州アーランガーにある宿泊施設「エコノ・ロッジ(Econo Lodge)」で発生した。この日、テネシー州ノックスビル在住のアレックス・クロニスさん(Alex Chronis、76)は、近くのイベントで屋台を出すため2人の知人と一緒に同宿泊施設を訪れた。そして部屋に着いたアレックスさんがシャワーを浴びようとしたところ、お湯の温度が摂氏65度(華氏150度)と急激に上昇した。
熱傷を負ったアレックスさんは意識があり、市販薬を塗って予定通りに屋台を出店したという。その後、アレックスさんは熱傷の状態を診てもらうため「Miami Valley Hospital」の救急外来を訪れた。医師からは休むように指示されたが、屋台での仕事を続けた。
ところが、2日後に体調不良を訴えて再び病院を訪れたアレックスさんは、そのまま約5か月間入院した。アレックスさんの熱傷の状態は酷く、入院中には手術を受けることになった。また入院中に別の病気を発症し、その治療も行われたという。
2022年4月、アレックスさんの容体は安定し、自宅があるノックスビルのリハビリ施設に移動した。しかし、数か月後に再び容体が悪化したためノックスビルの病院に入院したが、2022年6月19日に息を引き取った。
アレックスさんの死から4か月後、アレックスさんの姪は、エコノ・ロッジのオーナーであるサンジェイ・パテル氏(Sanjay Patel)と運営会社「Aspyn, LLC」に対して損害賠償などを求める裁判を起こした。
そして今月3日、「サンジェイ氏は、宿泊客が十分安全に利用できる状態を維持するための点検や注意を怠った」という結論に至り、医療費や葬儀費用、痛みや苦しみに対する損害賠償、懲罰的損害賠償として、宿泊施設側は合計200万ドル(約3億2300万円)以上を遺族へ支払うように命じられた。
遺族の弁護人であるジェフ・ブランケンシップ氏(Jeff Blankenship)は、「被告による不当な行為とアレックスさんが負った恐ろしい傷を、陪審員に認めてもらえたと遺族は感じています。彼の死は深刻な熱傷に起因した合併症によるもので、宿泊施設の経営陣が顧客の安全のために適切な手順を踏んでいれば、簡単に防ぐことができたはずです」とコメントしている。
今回の事故が各メディアに報じられると、「これは怖いな」「シャワーを浴びる前に、手や足で温度を確認すべき」「ホテルも悪いけど、すぐに病院に行かなかったこの人の対応も良くない」「こういうことが起きるから、ちゃんとしたホテルにしか泊まらない」など様々な声があがっている。
画像は『New York Post 「Hotel guest dies after being burned by scorching 150-degree shower」(Kentucky Tourism)(Dignity Memorial)』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)