【夏バテ防止】風邪を引かない「エアコン」の適切な温度・注意点を“医学的な視点”から解説!

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風邪を引かない「エアコン」の適切な温度はご存じですか? 夏バテを防ぐための注意点についても医師の丸山先生に解説していただきました。

※この記事はMedical DOCにて【その夏バテ、もしかしたらエアコンが原因かも!? 医学的な視点から適切な温度設定や注意点を解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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監修医師:
丸山 潤(医師)

群馬大学医学部卒業。群馬県内の高度救命救急センター救急科及び集中治療科に2022年まで所属。2022年より千葉県の総合病院にて救急総合診療科および小児科を兼務。乳児から高齢者まで幅広い患者層の診療に努める。
【保有資格
医師/医学博士/日本救急医学会救急科専門医/日本集中治療医学会集中治療専門医/DMAT隊員/日本航空医療学会認定指導者(ドクターヘリの指導者資格)/JATECインストラクター/ICLSインストラクター

編集部

エアコンで体調を崩さないためには、何度に設定するのがおすすめですか?

丸山先生

エアコンの温度設定は個人の好みや体調によって異なりますが、適度な涼しさを保つために、室温を25℃~28℃程度に設定することが一般的には推奨されています。室温との寒暖差が5℃以内になるようにエアコンの温度を設定することで、寒暖差による体調不良を引き起こしにくくなります。室温が27~28℃であっても、扇風機やサーキュレーターを使って風を加えることで、体感温度を下げることができます。また、エアコンの除湿モードで湿度を適切に保つことで快適に過ごせるようになるでしょう。

編集部

温度以外の注意点はありますか?

丸山先生

エアコンの風が直接体に当たらないように気をつけましょう。エアコンの冷たい風に直接当たることで喉や鼻の粘膜が乾燥し、風邪を引きやすくなる可能性があります。また、長時間の連続使用は体が冷えすぎたり、喉の渇きを引き起こしたりすることがありますので、特に夜間はタイマー機能を利用して適切な時間で運転を停止させることも大切です。

編集部

ほかにも注意すべき点はありますか?

丸山先生

エアコン内部にカビや汚れがあると、カビによる真菌性肺炎やホコリによるアレルギー症状(くしゃみや咽頭痛など)を起こす可能性があります。したがって、エアコンのフィルターや排水パイプなどの定期的な掃除や清潔な状態の維持も重要です。メーカーの取扱説明書に従って、定期的なメンテナンスをおこないましょう。

編集部

あらためて、夏のエアコン使用とどのように向き合えばいいですか?

丸山先生

エアコンは適切に使用すれば快適に過ごすための大きな助けとなりますが、体の冷えすぎや乾燥は冷房病や夏風邪の原因にもなり得ます。そのため、エアコンの温度は低すぎないよう温度設定をおこなうことが重要です。室温が比較的高めでも、湿度を下げてサーキュレーターなどを用いて送風することで体感温度をさげることができます。また、夏風邪予防として、こまめな手洗いやうがいを忘れずにおこないましょう。