クルマのミラーにある「謎の突起物」なんの意味? 触って大丈夫? なにが起きる? いつも目にする出っ張りの正体
ルームミラーの正しい使い方
クルマのルームミラー(バックミラー)の下にはレバーが付いています。
実はこれは無意味なものではなく、ルームミラーを正しく使う上で欠かせないものだったのです。
【画像】「えっ…!」この「突起物」なに? 正体を画像で見る!
クルマにはさまざまな鏡が取り付けられていますが、運転中の後方確認の際に使用するのがルームミラーです。
その下にレバーがついていますが、実はこれを正しく使うことで後方確認も適切に行えるようになるのです。
このレバーは通常は奥に倒れた状態になっており、前後に切り替えることができるというもの。
手前に倒すと視界はほぼ変わらず、ミラーの反射率が変わって映る景色が暗くなります。
レバーがついたこのタイプのミラーの正式名称は「防眩式ルームミラー」。
夜間で後続車がハイビームであったり、自車よりも後続車の方が車高が高かったりする場合は、後続車のヘッドライトがミラーに反射して視界が眩しくなってしまいます。
そんな時に活躍するのがルームミラーの下のレバーです。レバーを手前に引くことで光の反射を軽減出来るようになっています。
通常時は、運転手が見やすいようにミラー自体を直接動かし角度を調整して使用します。
後続車のヘッドライトが眩しい場合は、このようにレバー操作により角度を変えて後方視界が少し暗くなることで眩しさを軽減させるのです。
近年のクルマでは一般的な装備となっていますが、意外とその使い方を知らなかったという人も多いのではないでしょうか。
そんな防眩式ルームミラーですが、鏡面の2層構造により、ミラーの反射率を調整します。
レバーの操作でルームミラー内にある「通常よりも低い反射率の鏡面」に切り替えることができます。
その2層構造にも製品によって細かな差異があります。
カー用品メーカー「カーメイト」の担当者は次のように話します。
「当社はアフターパーツのメーカーとして、純正ルームミラーではなく、後付けの防眩機能を付加したルームミラーを製造・開発しております。
眩しさを抑える機能は純正と後付けで同じですが、実は構造が異なります。
純正ルームミラーのガラスの裏側には眩しい光を反射する被膜があります。一方、後付けルームミラーではガラスの表側に反射被膜をのせ、よりはっきりとした像を結び、眩しさの低減をします」
後付け防眩式ルームミラーはこのように、後から反射被膜をのせられるのが特徴です。
その際の被膜の種類ごとにさらなる差別化が期待できますが、防眩式ルームミラーにはどのような種類があるのでしょうか。
前述のカーメイト担当者は次のように話します。
「後付けルームミラーにのせられるのはクロームの反射被膜です。
このタイプはクローム鏡と呼ばれ、全体的に眩しさを軽減できます。
これにさらにブルーのコーティングをして眩しさの軽減をしたものがブルー鏡で、こちらは部分的な防眩となります」
最近の防眩式ルームミラーはさらに進化しています。その代表例が自動調整式防眩ミラーです。
これはスイッチをONにすることで、眩しい光を感知して必要に応じて反射率を変えてくれるというもの。
自動で反射率を変える仕組みにはミラー内部に電圧で反射率を制御する液晶パネルや特殊なジェルがあり、最先端の技術が組み込まれていると言えるでしょう。
ちなみに、最近の防眩式ミラーには純正電子ミラーの死角を補う形で取り付ける、サポートミラー形式のクローム鏡も存在します。
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ルームミラーはドライバーの安全運転のために必要なものです。
その機能を今一度正しく理解しておくことで、いざという時に役立つかもしれません。