コンビニの「前向き駐車」なぜ呼びかけ? 無視すると違反? 罰則は? そもそも「なぜ前向き」なの? バック駐車がダメな理由
SNSでは「前向き駐車が苦手」「出るときが大変」の声も…
多くのコンビニの駐車場には、「前向き駐車」をお願いする看板が設置されています。では、なぜコンビニでは前向き駐車を推奨しているのでしょうか。
また、それを守らなかった場合にペナルティはあるのでしょうか。
【画像】「これはアウトー!!」これが駐車違反に該当する停め方です(16枚)
コンビニの駐車場においては、多くのクルマが前向きに駐車している状況が見られます。
これは一般的にコンビニが前向き駐車を推奨しているためであり、駐車場内には「前向き駐車でお願いします」などと明記された看板が設置されています。
SNS上では、この前向き駐車に関して「前向き駐車をさせようとするのには、どんな意図があるのかな?」「前向き駐車がとても苦手なので困る」「前向きで停めたら、出るとき大変じゃない?」などの声が聞かれました。
確かに前向き駐車をした後はバックで発進しなければならず、出庫しづらいと考える人もいるでしょう。
また公益財団法人 交通事故総合分析センターの調査によると、2008年から2017年までの10年間に四輪車のバック時における死亡事故は610件、重傷事故は1万840件、軽傷事故は26万654件発生しています。
最近はクルマのバックカメラ(バックモニター)の普及にともないバック時の事故は年々減少しているものの、クルマがバックする際は前方に発進するときと比べて死角が多く、事故につながりやすい傾向にあります。
では、なぜ多くのコンビニにおいて前向き駐車を推奨しているのでしょうか。
その理由は、クルマの排気ガスや騒音などによって近隣住民へ迷惑をかけないようにするためです。
たとえばコンビニのすぐ隣に民家がある場合、バック駐車をすれば排気ガスが民家の方へ流れ込んだり、夜中のエンジン音によって住民が眠れなくなったりする可能性があります。
コンビニは住宅密集地に位置しているケースも少なくないことから、このような配慮がなされているといえるでしょう。
実際のところ、SNS上においては「アイドリングがうるさくて眠れない」「マジで排気ガスのせいで家の窓が開けられない」といった経験談が寄せられています。
さらに道路交通法 第71条第5号では、ドライバーが守るべき事項について次のように規定しており、駐車場でエンジンをかけたままクルマを離れると「停止措置義務違反」に当たる可能性があるため注意しましょう。
「車両等を離れるときは、その原動機を止め、完全にブレーキをかける等当該車両等が停止の状態を保つため必要な措置を講ずること。」
この交通ルールは、エンジンをかけっぱなしにしたりブレーキの効きが甘かったりした場合にクルマが動き出す危険を防止するためのものです。
またアイドリング状態でクルマを離れると盗難被害に遭うおそれも考えられるため、たとえ短時間であってもエンジンを切ってからお店に行くようにしましょう。
なお、コンビニの看板に明記されている「前向き駐車」についてはあくまでお店側のお願いであり、法的な拘束力はありません。そのため、特に何のペナルティもないのが実情です。
とはいえルールを守らないと周辺の住民に迷惑がかかるほか、アイドリングの状況によっては警察に通報されてしまうことがあります。
無用なトラブルを避けるためにも、お店の定めるルールに従った方が良いといえるでしょう。
前向き駐車が苦手な場合は、できるだけ離れた場所から大回りでアプローチし、焦らずゆっくり駐車することが大切です。
またクルマを出す際はバックカメラを過信せず、出庫前に小さな子どもや障害物などの有無を目視で確認する、同乗者がいれば誘導してもらうなど安全運転につとめましょう。
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コンビニによってはアイドリングのほか、駐車場で集まって話す・飲食するといった行為を禁止している場合もあります。
コンビニに限らず、店舗の駐車場を利用する際は周囲に配慮し、ルールを守って利用することを心がけましょう。