日本に1機のみの「激レア旅客機」ついにラストフライト! 長崎地域航空の「旧主力機」、23年の歴史に幕
座席レイアウトが独特なことでも知られていました。
壱岐→長崎が最終便に
長崎を拠点とする航空会社、ORC(オリエンタルエアブリッジ)の主力機「DHC-8-200(DHC-8-201)」が2024年6月30日をもって退役します。同日17時40分ごろ、ラストフライトである壱岐発長崎行き44便が、長崎空港に到着しました。
ORC「DHC-8-200」ラストフライトの様子(2024年6月30日、乗りものニュース編集部撮影)。
DHC-8-200はANAウイングスやRAC(琉球エアーコミューター)で運航されているDHC8-Q400シリーズ(RACはカーゴコンビ型)の姉妹機にあたり、Q400より小型なモデルです。ラストフライトを担当機となったのは、最後に残った3号機「JA803B」で、運航最終日は長崎〜五島福江、長崎〜壱岐の2往復を担当しました。
ORCでは2001年にDHC-8-200を導入。その後3機体制で長崎県内の離島路線を中心に運航されてきました。同社は退役の理由について「構造的な寿命と既に製造中止となっている機種」としています。なお同社からの退役で、国内で同モデルを運航する民間航空会社はなくなります。
ラストフライトは他社のジェット旅客機が、着陸のやり直しを複数回繰り返さざるを得ないほどの強い横風が吹く状況下で行われました。44便は天候調査のため定刻より遅れたものの、着陸は一発で成功。到着後はORCの社員が横断幕を持って同便の乗客を出迎えています。
今後同社では、2023年に導入した新鋭ターボプロップ機「ATR42-600」を主力機とします。ATR42-600はORCのほか、JAC(日本エアコミューター)、HAC(北海道エアシステム)などが導入しているモデルです。なおORCでは、ATR42-600の導入をきっかけに、機体の新デザインやブランドロゴのリニューアルなどを行っています。