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25日が給料日だったという人は、給与明細には“定額減税”と書かれているかもしれません。今月始まった1人あたり4万円の定額減税。街の人たちは実感しているのでしょうか?

25日夜、都内にあるドイツ料理がウリのビアレストランには…

大町怜央キャスター
「きょうは多くの企業が給料日ということで、こちらのお店は多くのお客さんで賑(にぎ)わっています」

みなさんの今月の給料には、ある“変化”がありました。

――先月と今月で違いはあった?

きょう給料日 会社員(20代)
「若干、手取り多かったかな」
「僕もちょっとだけ…」

――手取りが多かった理由わかりますか?

きょう給料日 会社員(20代)
税金の控除、所得税が引かれてない」

こちらも手取りがアップしたという男性。

きょう給料日 会社員(20代)
定額減税分が増えていました」

給与明細を見せてもらうと、定額減税額(所得税)6640円と記載されています。

――給与明細みてどう思った?

きょう給料日 会社員(20代)
「ないよりかはあったほうがいいのでうれしかった」

――増えた分何に使う?

きょう給料日 会社員(20代)
「旅行の計画があるので、そこで足しにしようかなと。普段よりもいいもの食べてみたり、現地のもの食べてみたりしたいなと」

今月から始まった定額減税。1年限りの措置で、年間を通して1人あたり所得税3万円、住民税1万円、あわせて4万円が減税されます。

物価高による家計の負担を減らそうという“岸田首相肝いり”の政策です。

都内にある大手スーパーでは、定額減税による消費を狙ってセールを行っていました。

記者
「こちらのお店では通常、5万円から6万円ほどする商品が4万円均一で購入できます」

テレビ炊飯器などの家電製品、ベッドなど寝具一式も「4万円(税抜き価格)」になっていました。

イオンリテール・マーケティング企画部 竹崎義人部長
「かなり好評に売り上げが推移しています」

セールは都内の楽器店でも…

記者
「期間限定のスペシャルプライスと書かれています」

様々な楽器が安くなる、今月限定の“定額減税セール”。

しかし、訪れていた客の親子は…

――(定額減税)セールを知っていた?

母親
「いや、知らなかった」

――定額減税についてどう思う?

母親
「実感がないというのが」

息子(22)
「初めて聞いたレベル」

母親
「実物(4万円)がバンっていただけるものじゃないので」

「実感がわかない」といい、定額減税を意識せず買い物をしていました。

   ◇

一方、減税分の使い道を悩んでいたのは子育て中の家族

夫・大輝さん
「あなた(子ども)の分も4万円入るらしいですからね」

納税者の扶養家族も対象のため、子ども分も減税されます。

夫・大輝さん
「外食行くくらい? でも外食行ければいいか」

妻・恵美さん
「あんまり行かないからね、外食」

夫・大輝さん
「まあでも、生活費だよね…」

話し合いの結果、“ちょっと外食”したら“生活費”に回すことに。

妻・恵美さん
「(お金を)もらったって感じはしないね」

夫・大輝さん
「うん。まあコロナの時みたいに、(給付で)10万円ポンだったらちょっと変わったのかもしれないね」
「給料上がるのを実感してほしいという狙いなんですよね? 1回だけ感じて、あとどうしろって」

1人4万円、1回のみの定額減税。その効果について専門家は…

三菱UFJリサーチ&コンサルティング 小林真一郎主席研究員
「お得感というのがない。預金口座の金額がいつもよりちょっと多いという感覚であれば、消費しようかっていうふうになかなか思えない。景気を押し上げるような効果は、現時点ではまだ期待できない」

政府関係者からも…

政府関係者
「仕組みも複雑で、今から思うと給付の方がわかりやすかったのでは」
「首相の“増税イメージ”払拭の目的が大きかった」

物価高に負けない、消費の実現へ。計画的でわかりやすい政策が求められています。

(6月25日放送『news zero』より)