パントリーと子ども部屋の収納に、あえて扉をつけない。そんな家に3年間住んだ感想を紹介します。料理の際にものの出し入れがしやすく、部屋が広く使えて満足。収納の様子が「見え過ぎる」ことで、こまめに片づけようという気持ちも生まれました。

建てた家は、家族6人のものをしっかり収納できる平屋

筆者は、夫婦2人と子ども4人(10歳、7歳、4歳、3歳)の6人家族。約3年前に、平屋の家を建てました。上はわが家の間取り。中庭デッキをはさんで、左右にLDKと子ども部屋がある、コの字型の家です。

子どもが4人いるわが家は、どうしてもものが増えてしまいます。そこで、家づくりでは収納にかなりこだわりました。

玄関には大容量の土間収納を。リビングにも収納をつくりました。もちろんキッチンにもパントリーを併設。各部屋にも収納スペースがあります。

パントリーと子ども部屋の収納は扉なしに

最初に設計士が提示してくれた案では、パントリーにも、子ども部屋の収納にも、扉が設置されていました。

しかし、パントリーからものを取り出すたびに扉をあけるのは、手間が増えるだけ。また子ども部屋では、収納扉をあけるためのスペースを確保せねばならず(ベッドと隙間をあける必要があるなど)、部屋が広く使えないことに気がつきました。

ということで、筆者はパントリーにも子ども部屋の収納にも、扉をつけないという選択をしたのです。

パントリーはロールスクリーンでほどよく目隠し!

扉をつけない代わりに、住み始めてからロールスクリーンを設置。結果、アクセスしやすく、使い勝手がとてもいいです。ちなみにパントリーには、キッチンで頻繁に使う調理器具や、調味料などを収納しています。

もしもパントリーに扉を設置していたら、せっかく回遊できるキッチンの通路が、窮屈になったでしょう。

とはいえ扉がないとパントリーは、ダイニング側から中が丸見え。ゲストにも目に入る場所にあるため、来客時だけは目隠しがしたいもの。ロールスクリーンの採用で、この悩みは簡単に解決しました。

子ども部屋の収納も扉がないと圧迫感なし!

わが家の子ども部屋は、現在は10畳1部屋のスペースになっています(将来的には2つの部屋に分けることを想定)。

当初、子ども部屋のクローゼットとして設計士が提案したのは、折れ戸がついたタイプでした。開き戸ほどではないものの、折れ戸でも扉が開閉するためのスペースが必要です。それに、収納に扉をつけると、ベッドの位置が限定されてしまうことに気がつきました。

そこで筆者が「扉をつけない収納にしたらどうか?」と提案。結果的にこの案を採用し、ベッドを2つ置いても圧迫感のない部屋になりました。

ちなみに収納スペースの奥の壁紙は、子どもがそれぞれ好きな柄を選びました。洋服やタンスのうしろに、ちらっと見える程度の主張しすぎない壁紙がかわいいです。

3年住んで実感、扉をつけなかった想定外のメリット

パントリーも子ども部屋の収納も、扉をつけないことで、無意識に目が向く場所になりました。そのため、散らかってくると「片づけなきゃ」という気持ちが生まれます。

子どももそのせいか、オープンな収納場所に服を置きっぱなしにしたり、ものをつめ込んだりしません。

パントリーも、少しごちゃっとしてくると「片づけよう」と思えるので、人に見られてもそれほど困らない程度に片づいています。自然に整理整頓できることは、想定外のメリットでした。

リビング収納も扉をつけなくてよかったと後悔…

逆に、扉をつけたものの、住んでみて不要だったと感じているのが、リビング収納です。わが家のリビング収納は、縦長LDKのキッチンの反対側にあります。テレビ台の裏に回った場所にあるため、リビングからは目に入らない場所。

このリビング収納には、夫の趣味であるワインセラーも収納しています。熱がこもりがちなので、扉があっても、あけたままにしていることがほとんどです。

来客時のことを考えて、扉を設置したものの、死角だったため目に入ることがなく、このスペースに扉は要りませんでした。もしも扉をつけなければ、工事費も抑えられたと思うと、少し後悔しています。

収納の扉は、目隠しの意味でもあって、あるのが当たり前と思っていました。しかし、設置しなくても、まったく問題ないケースも。場所によっては、むしろ開放感が得られたり、使い勝手がよくなったりするものです。