家づくりの際に汚れが目立ちにくい床材を選ぶことで、掃除へのプレッシャーがやわらぐことも。「白い床材を避ける」「模様があるものを選ぶ」といった工夫を取り入れて、心が軽くなったというライターが自邸を紹介。その一方で、サンプルやイメージだけで決めたら、汚れやキズが目立って後悔したことも語ります。

白い床や濃い色の床はやめておけ、と助言した友人

筆者は夫とふたり(+犬1匹)で暮らしています。4年ほど前に地元工務店で、延床面積35坪の2階建ての家を建てました。

家の計画を始めた頃は、家に関する知識がまったくありませんでした。そこで、家を建てて間もない友人の家を訪ね、いろいろとアドバイスをもらいました。

そのなかで強く印象に残ったアドバイスが「白い床や濃い色の床は、やめておいた方がいい」ということ。

友人の家には、ひと室だけ真っ白なフローリングの部屋があります。しかし、この部屋で後悔。「髪の毛やホコリがめちゃくちゃ目立つから、掃除が大変!」とのことでした。

そして極端に明るい色の床や濃い色の床は、掃除が大変だからやめておけと、念を押されました。

床の色や素材選びは、掃除がラクなことを優先

掃除が苦手な筆者はその話を聞き、汚れが目立ちにくくて、掃除がラクそうな床材を選ぼうと思いました。

4年暮らして、汚れやホコリが目立ちにくく、選んでよかったと実感しているのが、以下の4つの床材です。

・1階のLDKや廊下で採用したフローリング
・洗面所のクッションフロア
・トイレのクッションフロア
・お風呂のタイル

一方で、汚やキズが目立って後悔しているのが、こちらの2つの床材です。

・玄関のタイル
・2階個室のブラウンの畳

では、それぞれの理由を説明しましょう。

1階LDKの床は、ちょうどよい明るさのライトメープル

1階のフローリングは、リクシルの「ラシッサDフロア」ライトメープル(※現在は廃盤。メープル色は販売)です。

濃すぎず明るすぎない、ちょうどよい色の明るさと、濃淡がはっきりした模様のおかげで、汚れやホコリ、髪の毛などが目立ちません。

わが家は黒柴(柴犬)がいるので、黒い毛がたくさん抜けます。そのうえ面倒くさがりのため、毎日掃除機をかけていません…。

でも夫には、「いつもきれいにしてるね」と言われるので、バレていないようです。

大理石調の洗面脱衣所の床は、髪の毛がカモフラージュ

洗面脱衣所は、大理石調のクッションフロアにしました。

これは単純に模様が気に入ったので採用しました。決めたあと、色が明るいから髪の毛やホコリが目立つかもしれないと不安に。しかし、意外や意外、髪の毛やホコリが目立たないのです。

色は明るいけれど、黒いヒビ模様が入っているので、髪の毛がカモフラージュされるみたいです。

模様がくっきりの2か所のトイレは掃除を忘れるほど!

わが家は2か所トイレがあります。両方とも木目調のクッションフロアにしました。

1階のトイレはパーケット柄(寄木張り柄)です。

2階のトイレはアカシア木目柄です。

両方とも、色の濃淡がはっきりしています。プリントですが、リアルなこまかい模様。模様がくっきりしているので、ホコリや髪の毛が全然目立ちません。

ですから、ついつい掃除を忘れてしまい、床のふき掃除をしたとき「こんなにホコリがあったの?」と驚くことも…。

お風呂は濃いめの色の床材を選んで正解!

お風呂の床は、濃いグレーの石目調のタイルにしました。

少しグレードが高く、通常プランより予算オーバー。それでもこれを選んだ理由は、先に家を建てた友人からのアドバイスでした。

「お風呂の床は濃い色がいいよ! 明るい色だとピンクぬめりとか目立つから、やめた方がいい」と言われたからです。

濃いグレーの床を選んだのは大成功。掃除の回数を減らしても、ピンクぬめりやカビなどの汚れは、ほとんどわかりません(長く放置すれば黒ずんできますが)。

石けんカスなどの白い汚れはわかります。しかし、石けんカス汚れは、あまりつくことはありません。掃除嫌いにはピッタリでした。

玄関のタイルは、サンプルだけで決めて後悔!

今度は、汚れが目立って、失敗したと思っている床材を紹介します。

まず、わが家の玄関タイル…これは失敗でした。

まず、色が明るすぎました。泥やホコリ(毛も!)がとても目立ちます。そして、ザラザラした滑りにくい素材なので、汚れがつきやすいと感じています。

なぜこの玄関タイルを選んだかというと、小さいサンプルで見たときは、ちょうどよいグレーだと思ったのです。

そのサンプルがこちらです。濃すぎず明るすぎないグレーが、いちばん汚れが目立たないと思って選びました。しかし、実物を見ると思ったより、かなり色が明るかったのです。

色味もあまり気に入っていないし、汚れは目立つし、掃除しにくいので大失敗でした。

引っかきキズが目立つ個室の畳も失敗

2階には、濃いブラウンの畳を敷いた個室があります。この畳も、採用して失敗だったと感じています。

じつはこの部屋、当初は寝室にする予定でした。布団を敷くなら、フローリングより畳の方が、クッション性があっていいと思い、真ん中の部分に畳を敷いたのです(家具を置くことになりそうな壁際はフローリング)。

ですが、濃いブラウンの畳は、すごくキズや跡が目立ちます。テーブルの脚の跡もクッキリ出ます。

今は、こんな状態。写真の白く見える部分は、引っかいた跡です(夫が寝ているときに足で引っかいたようです)。色の濃い畳は、想像以上にキズが目立ちます。それだけでなく、掃除するときも、引っかけないよう気をつかいます。

汚れやホコリが目立たないことを基準に床材を選んだことで、必要以上に回数を重ねて掃除をしないですんでいます。(もちろん、目立たないから掃除をしなくていいというわけではない)。そのことは大正解!

しかし、玄関のタイルと、カラー畳に関しては、リサーチが甘かったと感じています。見た目のよさに惑わされてしまいましたが、もう少し慎重に選ぶべきでした。