イギリスに住む男性がAppleに対して訴訟を準備中であることがタイムズによって報じられています。報道によると、男性は「自分が離婚するはめになったのは、Appleがメッセージ削除に関する説明を怠ったせいだ」と主張しているそうです。

Husband pursues Apple after wife finds ‘deleted’ messages to prostitute

https://www.thetimes.com/article/husband-pursues-apple-after-wife-finds-deleted-messages-to-prostitute-bbhlg2x07

Man sues Apple for accidentally exposing his infidelity

https://appleinsider.com/articles/24/06/13/man-ludicrously-blames-apple-for-his-wife-catching-him-communicating-with-prostitutes

iPhoneやMacなどのApple製デバイスに標準搭載されているコミュニケーションアプリ「メッセージ」では、同じアカウントでログインしているすべてのデバイスで同じテキストや画像を受信できます。例えば、以下の例ではiPhone 8(左)とMacBook(右)のメッセージに同じ会話記録が表示されています。



iPhone 8のメッセージを操作して、会話記録を削除。



iPhone 8上では、会話記録が消えました。



しかし、MacBookのメッセージアプリでは、会話記録が消えずに残り続けています。



報道によると、男性はiPhoneのメッセージで売春婦とやり取りしており、他人に盗み見られないように会話記録をこまめに削除していたとのこと。しかし、家族共用のiMacには会話記録が残されており、iMac上に残る売春婦との会話記録を妻に見られて離婚することとなりました。男性は妻に対して慰謝料として500万ポンド(約10億円)もの大金を支払ったそうです。

男性は「Appleは、iPhoneでメッセージの会話記録を削除したとしても同期中のデバイスに会話記録が残ることを十分に説明していなかった」と主張し、Appleに対して訴訟を準備しているとのこと。男性から依頼を受けたローゼンブラット法律事務所のサイモン・ウォルトン氏は「Appleはユーザーに対して削除した会話記録の扱いを明確に説明していません」と述べています。

なお、各デバイスのiCloudの設定からメッセージの同期を有効化すると、「会話履歴の削除」も同期されるようになり、今回のような悲劇を防ぐことができます。



「iCloudでの同期を有効化すると削除も同期されるようになる」という情報は、以下のサポートページの下部にも記載されています。

iPhoneでメッセージと添付ファイルを削除する - Apple サポート (日本)

https://support.apple.com/ja-jp/guide/iphone/iph2c9c4bfcb/ios