OpenAIは過去6カ月で年間収益が2倍以上の5330億円に成長したとの報道
年換算したOpenAIの売上高が、過去6カ月で2倍以上の34億ドル(約5330億円)になったとの試算結果を、海外メディアのThe Informationが発表しました。このうち、OpenAIが他社を通じてAI製品を提供することによる間接的な利益がわずかであることから、収益の大部分はOpenAIが自社で提供しているサブスクリプションサービスやAPIによるものだと指摘されています。
https://www.theinformation.com/articles/openais-annualized-revenue-doubles-to-3-4-billion-since-late-2023
OpenAI's revenue is reportedly booming
https://www.engadget.com/openais-revenue-is-reportedly-booming-230324957.html
伝えられるところによると、2024年5月のOpenAIの月間収益から推算した同社の年間収益は34億ドルで、半年前の16億ドル(約2510億円)から倍増しているとのこと。また、1年前の10億ドル(約1570億円)と比較すると3倍以上となっています。
OpenAIは、企業向けクラウドプラットフォーム・Azureを通じて提供した大規模言語モデルの収益の一部をMicrosoftから分配されていますが、その額はわずか2億ドル(約310億円)ほどに過ぎません。
そのため、OpenAIの収益の大半はChatGPTのサブスクリプションサービスと、同社の大規模言語モデルをアプリやサービスで使用している開発者から得た利益だと推測されています。
OpenAIの広報担当者はThe Informationに対し、報道は「不正確」だと述べましたが、具体的にどう違うのかについては説明しませんでした。
飛ぶ鳥を落とす勢いのOpenAIは、人事戦略も積極化しており、2024年6月10日には地元特化型SNS・Nextdoorの元CEOであるサラ・フライアー氏を最高財務責任者に、衛星画像サービス・Planet Labsの製品および事業担当社長を務めた経歴を持つケビン・ワイル氏を最高製品責任者に任命したことを発表しています。
サム・アルトマンCEOは「サラとケビンは、OpenAIが事業規模を拡大し、次の成長段階に向けて戦略を編みだし、チームが継続して成長するのに必要なリソースの確保を可能とする、深い経験をもたらしてくれるでしょう」と述べて、両名の起用がOpenAIをさらに成長させるとの見通しを示しました。
また、OpenAIはインフラ面での整備も進めており、6月11日にはOracleのAIインフラであるOracle Cloud Infrastructure(OCI)を採用することが発表されました。このニュースが業界にもたらしたインパクトは、Oracleの2024年第4四半期決算が事前予想を下回ったにもかかわらず、OpenAIとの提携が明らかになったことで株価が急騰したほどです。
Oracleの会長兼最高技術責任者のラリー・エリソン氏は、「世界最高の大規模言語モデルの開発競争が始まっており、Oracleの第2世代AIインフラに対する無限の需要も高まっています。OpenAIのようなリーダーがOracleのクラウドを選んだのも、OCIが世界最速かつもっともコスト効率に優れたAIインフラだからでしょう」と話しました。