満タン後「つぎ足し給油」は“禁止”!? セルフスタンドでの「NG行為」なにがある? 「うっかりやりがち」な操作も… 給油中の「NG行為」とは
ガソリンスタンドでの「禁止行為」ってなに?
クルマに乗る人にとっては身近なガソリンスタンドですが、給油中に禁止されている行為があります。
特にセルフ式ガソリンスタンドで、自分で給油する人などは、どのようなことに注意すればいいのでしょうか。
近年、セルフ式のガソリンスタンドが増え、店員が給油するいわゆる「フルサービス」のガソリンスタンドは減少しつつあります。
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石油情報センターによると、2023年3月末時点でのセルフ式ガソリンスタンドは1万721箇所で、全スタンド中セルフ式が占める割合は38.3%。2022年からは1ポイントの上昇となり、継続してセルフ化率は高まっています。
そうしたことから、自分で給油作業を行うことも増えています。
しかし、ガソリンは可燃性の高い危険物であることから、ガソリンスタンドでは禁止事項が定められており、店頭でも掲示やアナウンスによって注意喚起が行われています。
なぜならば、ガソリンは揮発性が高く、マイナス40度の低温でも気化して可燃性のガスを発生させるためです。
またガソリンは空気よりも重いため、地面の低い場所や溝、くぼみなどに溜まりやすく拡散しにくいという性質を持っています。
こうしたことから、給油時の何気ない行動によって爆発や火災などの大きな事故が発生する恐れがあるため、禁止事項をよく確認して利用することが大切です。
まず、ガソリンスタンド内は火気厳禁です。
ガソリンスタンドは屋外にあり風通しがいいため、タバコを吸いながら給油作業を行っても問題ないと考える人もいるかもしれませんが、ガソリンの性質上、可燃性のガスが地面付近に滞留している可能性があります。
ガソリンが燃える時は、液体の状態ではなく気化して発生した目に見えないガスに引火するため、火種とガソリンが離れているからと油断していると、ライターの火はもちろん、くわえタバコや静電気などのわずかな火種が原因となって発火することは十分に考えられます。
次に、エンジンをかけたままの給油は厳禁です。
エンジンをかけたまま給油すると、なんらかの要因によりクルマが誤発進してしまうリスクがあるほか、排気口から引火する危険があるためです。
これは「危険物の規制に関する政令第 27 条第 6 項第 1 号ロ」により、「自動車等に給油するときは、自動車等の原動機を停止させること。」と、法令で定められた義務となっています。
また、給油中のスマートフォンや携帯電話など電子機器の使用も禁止されています。
これらの電子機器が原因でガソリンに引火する可能性が低いことは、消防庁による実験でも確認されており、実際にはスマートフォン自体が危険というわけではありません。
しかし、給油作業中にスマホを使用することで、注意がスマホに向いてしまい、ノズルの差し込みが甘くなってガソリンが吹きこぼれるなどの事故に繋がる恐れがあります。
セルフ式のガソリンスタンドを利用する際は「ながらスマホ」をせず、給油作業に集中しましょう。
さらに、セルフ式のガソリンスタンドでは、ガソリン携行缶などクルマ以外の容器にユーザーが直接ガソリンを給油することはできません。
携行缶での販売を行っていない店舗もあるため、事前に確認してスタッフに依頼しましょう。
また、燃料の吹きこぼしや引火などさまざまな危険性があることから、継ぎ足し給油も禁止されています。
満タンを検知して自動停止する「オートストップ」機能があるため、このオートストップが作動した後は給油を終了するようにしましょう。
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これらの禁止事項以外にも、ガソリンスタンドの店頭では掲示やアナウンスによってさまざまな注意喚起が行われています。
静電気の発生や、給油時の吹きこぼれなどを防ぐため注意事項をよく確認し、静電気除去フィルムに触れてから作業を開始する、給油が自動停止したら継ぎ足し給油は行わないなど、基本手順をしっかり守って安全に利用しましょう。