出川の番組もバッシングを…炎上続き「令和のロケ番組」の苦境と「それでも無くならない」理由

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テレビ東京系の人気バラエティ番組『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』のロケを巡って、トラブルが続発。炎上している。

「今年3月、和歌山県内の名所を訪れた一般の方が″追っかけなら来んな!″とスタッフらしき男性に怒鳴られ、周囲を見わたすと出川哲朗(60)がロケをしていたとSNSで投稿。4月には、鳥取県内での夜間ロケの噂を聞きつけた子供たちが現場に殺到。近所に住んでいると思われる女性が″子供たちもいるから、早く帰りなさいよ!″と怒鳴る動画がSNSに投稿されて、やはり炎上しています」(スポーツ紙芸能担当記者)

いずれも、出川本人が笑顔でファンサービスしたり、素直に謝罪したりしたことで、批判の声は番組スタッフに向いていたのだが……「ガチンコでロケをするのが厳しい時代になっている」と制作会社ディレクターが嘆く。

「制作費を削減するためにスタッフの人数が減らされており、プロデューサーやディレクターなど、お偉いさんが野次馬の対応にまわるケースがしばしばあります。お偉いさんゆえに、野次馬に高圧的な態度を取ってしまう場合があるわけです。あとはSNSの普及ですね。テレビのロケや芸能人を嫌う層は昔から一定数いるのですが、そういう人たちがスマホを手にしたことで、現場の様子を撮影、一部を切り取ってSNSに投稿して叩くようになったのです」

かつては芸能人がロケ隊と街を歩く、いわゆる″街ブラ″や旅番組では、訪問するお店などには事前に許可を取っていた。ただ、それだとどうしても予定調和な空気が流れてしまうので、ガチ感を出すために、道路使用許可申請など最低限の許可取りしかしない番組が増加しているという。

「現在でも、商店街など撮影範囲が限定されているときは事前に許可取りはします。ただ、誰がロケをしに来るのかタレント名を伝えてしまうと野次馬が殺到するし、お店の人たちのリアクションも弱くなるので、テレビ局名と大まかな内容だけしか伝えないことが多い。それでもSNSでロケ情報が拡散して、人が溢れてしまってロケ先に迷惑をかけることはあります。『充電させてもらえませんか?』はロケが広範囲ということもあって、ロケで訪問する場所はすべてアポなしだといいますから、どうしてもトラブルになりやすいのでしょう」(放送作家)

放送前にネットでアップされてしまってはネタバレになるので、「撮影はご遠慮ください」というフリップをスタッフが掲げて牽制はするが、限界がある。

「だからこそ、ロケの際はキャスティングには気を遣いますね。隠し撮りされて不機嫌になるようなタレントはNG。本人もさることながら、番組のイメージ低下にもつながる」(キー局プロデューサー)

それでも「街ブラロケがなくなることはない」と関係者は口を揃える。

「鉄板コンテンツですからね。コロナ禍のようにでもならない限りは続くでしょう。ロケに遭遇した人のSNS投稿が番組の宣伝になることもありますから。令和は視聴者と制作側が共存している時代だなと感じます」(前出・放送作家)

タレント、スタッフとも、謙虚でなければロケ番組は続かない時代なのだ。

『FRIDAY』2024年6月7・14日号より