(漫画:©︎三田紀房/コルク)

記憶力や論理的思考力・説明力、抽象的な思考能力など、「頭がいい」といわれる人の特徴になるような能力というのは、先天的に決められている部分があり、後天的に獲得している能力は少ないと考える人が多いのではないでしょうか。

その考えを否定するのが、偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠氏です。漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当の西岡氏は、小学校、中学校では成績が振るわず、高校入学時に東大に合格するなんて誰も思っていなかったような人が、一念発起して勉強し、偏差値を一気に上げて合格するという「リアルドラゴン桜」な実例を集めて全国いろんな学校に教育実践を行う「チームドラゴン桜」を作っています。

そこで集まった知見を基に、後天的に身につけられる「東大に合格できるくらい頭をよくするテクニック」を伝授するこの連載(毎週火曜日配信)。連載を再構成し、加筆修正を加えた新刊『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』が、発売後すぐに3万部のベストセラーとなっています。第121回は、多くの東大生が持ち合わせている「ある能力」についてお話しします。

「他人はどう考えるか」つねに意識している


「頭がいい人は、どんな能力が高いと言えるのか?」というのは、多くの学習者にとっても、永遠のテーマとでもいうべき問いですよね。

「記憶力がある」「理解力がある」「表現力がある」など、さまざまな観点があると思うのですが、東大生の多くが「これだ!」と口を揃えるのが、「メタ認知」または「客観視」といわれる能力です。

これは、「他人はどう考えるのか、ということを考える能力」のことです。これについて、漫画『ドラゴン桜』の中ではこのように説明されています。

※外部配信先では漫画を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください




(漫画:©︎三田紀房/コルク)





(漫画:©︎三田紀房/コルク)





(漫画:©︎三田紀房/コルク)






(漫画:©︎三田紀房/コルク)

いかがでしょうか? 「自分の頭で考えない。『みんなはどう考えるか』を考える」というのには効果があるという話でしたね。

漫画でも描かれているとおり、「この問題は、どのように作られるのだろう?」「みんなはこの問題を、どのように解くのだろう?」と考えることで、解けるようになる問題というのも多いのです。


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またこの考え方は、試験で焦ってしまったときにも有効です。例えば試験本番で、難問に直面したときに、「どうしよう! 解けない!」とパニックになってしまうことってありますよね。

これは、「自分の頭で考える」ということだけをしていると、陥ってしまうミスですね。

「どうせみんな解けない」とスルーする

こういうときに緊張しない人というのは、「どうせこの問題、みんなも難しいと思っているんだろうな」と考えられる人です。

周りがパニックになっている中で、「自分だけではなく、ほかの受験生もこれは難しいと考えているはずだ。ということは、この問題以外で勝負が決まる可能性が高い。この問題はスルーして、別の問題で点を稼げるようにしよう」と考えるのです。

東大生の中には、カンニングにならないようにしつつ、周りの人がどんな表情で問題を解いているのかを確認していた、という人もいるくらいです。このように、自分が試験を受けているときでも、ほかの人はどう考えるかを思考することで、いい結果を得ることができる可能性は高まります。

また、東大生は「最初の5分で問題をざっと見て、どれが解きやすいか、どれが難しいかを確認する」ということをしている場合が多いです。

特に数学など、どの問題から始めても解ける科目に関しては、「客観的に見て、どの問題が解きやすいのか」を考えることは、とても有効な手段だと言えるでしょう。

他の人がどう考えるのか? 別の人だったらどう思考するのか? そういう客観的な思考をすることは、いろんな可能性を広げてくれます。みなさんぜひ意識してみてください。

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(西岡 壱誠 : 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当)