40代50代「新NISA」投資実例。金額や銘柄をお金のプロがズバッと見直し
2024年からスタートした新NISA。「始めてみたけれど、自分のやり方で本当に合っているの?」という悩みをもつ読者3名のやり方について、ファイナンシャルプランナーの横山光昭さんがアドバイスしてくれました。
CASE1:仕組みをつくった旧NISAのまま!ほったらかし投資
Oさん(43歳)は、夫(47歳)、長女(10歳)、二女(8歳)の4人家族。月収(手取り)38万円、月の投資額は3万3333円です。退職金を使って、老後資金用に投資を開始。
旧NISAのときに投資信託の積立投資を始めました。
「本で投資の基礎を学び、NISAに賛成・反対の両方の意見のユーチューブを見て勉強。自分が納得してから始めました」
苦労したのは、銀行口座から証券会社のNISA口座に毎月資金を移動させる仕組みづくり。
「取引先の銀行から移動ができなかったり、手数料がかかったり…。でも、仕組み化したらあとはほったらかしで、今は月1回の確認のみ。人気の銘柄を選び、3年半で約59万の利益が出たので、新NISAも同じ銘柄、同じ額で継続中。今後は成長投資枠にも挑戦してみたいです」
●Oさんの購入銘柄
【横山さんからのアドバイス】
新NISAをきっかけに投資内容を見直すのがおすすめ。なんとなく旧NISAを引き継ぐのではなく、投資額を増やせないか、投資先は今のままでいいか、一度きちんと検討を。今後も長い投資期間のなか、ときどき見直す習慣をつけましょう。
CASE2:銘柄を選びきれない!ちょこちょこ投資
次に紹介するのは、Fさん(50歳)。夫(51歳)、長男(20歳)の3人家族で自分のパート代のなかから、つみたてNISAやiDeCoなどに年間50万円ほど投資をしています。月収(手取り)は38万円、月の投資額は4万円です。
計12銘柄の投資信託に毎月それぞれ数千円ずつ積み立てているFさん。
「どれがいいか絞り込めず、とりあえず手数料が安い銘柄に少額ずつ投資しています。1年間様子を見て、3つほどに絞り込む予定。債券にも投資するバランス型や広く分散投資されている全世界株式など、無難な銘柄を選ぶといいと思います」
優等狙いで株投資の経験があり、利益への課税には敏感。利益に対して非課税の新NISAは「やらない手はない」と始めたそう。
「不要内で働いているので、自分の年金が少なくて。パート代からコツコツ積み立てて、老後資金を増やすのが目標です」
●Fさんの購入銘柄
【横山さんからのアドバイス】
債券入りのものが多すぎ! まずは銘柄を絞って。投資を楽しむ姿勢は◎。ただ、安全面を重視しすぎて、債券入りの銘柄が多すぎますね。新NISAは運用益に税金がかからないので、収益を見込める株式を中心に選んでみては?
CASE3:元銀行員が50歳からのちょい攻め投資
元銀行員のSさん(50歳)は、長男(22歳)、長女(19歳)、二女(14歳)の4人家族。新NISAとは別に、投資信託に月2万円積み立て中です。月収(手取り)37万5000円で月の投資額は12万円ほど。教育費の目途がついたタイミングで新NISAを開始。
「50代の私は長期の運用ができないと思い、投資額は多めに、つみたて枠と成長投資枠で月10万。投資先は悩んでも正解がわからないので、人気の高さと手数料の安さで選びました」
投資では、いいときも悪いときも毎月同じ額で買い続けるのがこだわりだそう。
「上がる保証も下がる保証もないので、積み立てで購入するのが確実かなと。旧NISAが始まる前から10数年投資しタンクに積み立てをしてきて、時間をかければ利益が出やすいと実感しています。積極的に増やして、目指せ早期リタイア!」
●Sさんの購入銘柄
【横山さんからのアドバイス】
教育費の目途が立っていて余裕があれば、金額アップも。資金に余裕があって積極的に増やしたいのならば、まずは積立投資枠を月の上限額10万円まで上げることを検討。そのうえで、成長投資枠の積立額を増やすのもあり。
※この記事は取材時(2024年4月4日)の内容です。投資は元本割れのリスクがあるため、自己責任のうえで投資してください