交流戦前でカード負け越しの阪神 ”主軸が打てない”現状に球界OBは投手陣への影響を懸念「早い回に点を取られるケースも出てくる」

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大山の状態が上がってくれば、阪神の得点力は格段に上がるのだが…(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 5月26日、阪神は甲子園球場で巨人と対戦し、延長戦の末1-2で敗れた。これで本拠地での3連戦を1勝2敗で終え5カード連続での勝ち越しを逃し、交流戦を迎えることとなった。

【動画】「なぜ?また初球?」2024年5月26日【 阪神 vs 巨人】 佐藤義則の眼

 阪神は才木浩人、巨人が菅野智之の投げ合いとなったこの日、終盤までゼロ行進が続いた。阪神が7回に菅野からようやく初安打を記録し、さらに連打で先制点を奪う。だが8回から継投を試みるも9回表、4番手・ゲラが巨人の岡本和真に痛恨の同点本塁打を許し、土壇場で試合は振り出しに。さらに、10回には守護神・岩崎優もランナー2人を出塁させてしまい、丸佳浩の犠牲フライで追加点を献上。これが決勝点となり、接戦を落とした。

 交流戦前最後となるこの試合を終え、阪神の首位は変わらないものの、2位広島に0.5ゲーム、3位巨人とも2ゲーム差とダンゴ状態のまま5月最終週、パ・リーグ球団との戦いに臨む。開幕から2か月となる中で、やはり阪神打線の低調ぶりが目立っており、球界OBからも厳しい言葉かあがっているようだ。

 現役時、通算165勝を記録し、引退後は投手コーチとしても手腕を発揮する佐藤義則氏がYouTubeチャンネル『佐藤義則チャンネル』を5月26日に更新。試合を振り返りながら、阪神の戦いぶりへの印象を語った。

 佐藤氏は、両チーム先発の投手戦から、阪神の救援陣が失点し敗れたこの試合について、「勝ちパターンで繋いだが、抑えの2人が点を取られ、残念なゲームだった」などと述べた上で、1点にとどまった打線にも話題が及んでいる。

「4番の不調が得点の少なさにつながっている」と主張しながら、「決して、(打線は)ヒットが出ていないわけでは無い。ランナーは出ているが、(ホームに)還せないというのはどこかで、途切れているということ」と打撃陣の内容を評している。

 不振が続いている4番の大山悠輔にはこの日、7回にレフト前への安打が出ているものの、変化球が抜けた甘いボールであり、「今の大山にはあの速さ、コースの球しか打てない気がする」と指摘。さらに、「今の状態は、身体でバットを振っている。身体で振ってことはバットが出てこないということなので、遅いボールしか(遠くに)飛んで行かない」などと、スイングを分析している。

 佐藤氏は、少ない点を投手が守るという今季の展開を振り返り、「こういう試合をやっていると、ピッチャーの先発陣が崩れていくこともあり得る。良いピッチングをしているけど、勝てないとか。村上(頌樹)みたいに早い回に点数を取られるケースも出てくる」と危機感を募らせていた。

 他にも交流戦に向け、「最初は元気のいい日本ハムが相手。何とか交流戦で勢いを取り戻してほしい。バッターの奮起を待つだけ」と言葉を並べている。

 阪神は今季も投手陣が先発、リリーフとも安定したパフォーマンスをみせているだけに、やはり夏場に向け、打線の援護が重要になっていくことは明らか。無安打無得点で敗れカード負け越しを喫した巨人3連戦を糧に、ここからの交流戦できっかけを掴みたいところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]