FC東京の長友佑都【写真:徳原隆元】

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長友佑都が横浜FM戦で今季2ゴール目奪取

 FC東京は5月19日のJ1リーグ第15節で横浜F・マリノスと対戦し、1-1で引き分けた。

 0-1で迎えた後半10分、MF松木玖生の横パスを受けたDF長友佑都がミドルシュートを決め、今季2ゴール目を決めた。

 直近9試合で先発出場したのが第12節の北海道コンサドーレ札幌戦(2-1)の1試合だけだった37歳の長友は、3試合ぶりの先発出場に「若手もすごく躍動しているし、ベテランが出て『これで駄目だったら外されるんだろうな』と」強い危機感を持って試合に臨んでいたという。

 欧州では、日本代表で長らくともに戦っていたFW岡崎慎司、MF長谷部誠が現役ラストマッチを終えたばかりだ。SNSでその様子を見たという長友は、「やっぱり寂しさはありますよね。ただ、自分も示し続けないと、スパイクを脱ぐ時がいつかは来る。そういう危機感も出てきますし、彼らへの思いからも今日の試合は気持ちが入っていましたよ、かなり。寂しい思いがありますが、彼らの戦ってきた思いを含めて、しぶとく、ピッチの上で躍動したい。生き続けたいなと、そういう覚悟も芽生えました」と、現役を続けている者の思いを口にした。

 そうしたなか、臨んだ試合でゴールを決めてチームに勝ち点1をもたらした。自身の今季2点目については、「ダイレクトで、良いインパクトでシュートを打とうと頭によぎっていました。結構、無心に近かったですね。しっかりとボールに当てることだけを考えて、変なことを考えずに力まずに蹴れましたね。僕は変なことを考えると、基本的に力んじゃうので(笑)。無心っていうのが良かったと思いますし、また新しい自分自身の成長を含めて見せていきたいと思います」と振り返った。

 第4節のアビスパ福岡戦(3-1)でゴールを決めた際は、Jリーグでのゴールが5054日ぶりということで話題になった。今回のゴールが味の素スタジアムでの5118日ぶりのゴールであることを指摘されると、「それを強調されるか。この前終わっているでしょ」と苦笑し、「でも、2010年に僕が(イタリアへ)旅立つ前、あのスーパーボレーを決めて以来ということで、サポーターも僕が点を取ることを忘れていると思っている部分もあったから。今シーズンは攻撃という部分で2得点できているし、アシストもできていて攻撃に絡めているのは、自分がこの年でも成長できていると思えています」と、同年代の選手がスパイクを脱ぐなかでも、向上できている感触を口にした。

「自分の強みはアピールできた」味スタのピッチで掴んだ手応え

 ただ、勝ち点3につながらなかったことで、悔しさが強いという。「得点のあとも、吠えたのは吠えたけど、結局、勝ってないからね。吠えただけっていう感じ。悔しいです。次は勝って喜びたい。勝っていないから、最後にスタンドを一周する時も気持ちよくないからね。『勝ってないから、ごめんね』っていう感じ」と、胸の内を明かした。

 この先も、FC東京のポジション争いは続く。「サイドバックには、白井康介もいるし、(バングーナガンデ)佳史扶もいるし、徳元(悠平)もいるし、(中村)帆高も帰ってくる。僕はやっぱりベテランなんで、同じ活躍ならチームは若手を使うだろうと思っています。常に最後の試合だという気持ちで戦っています。今日、自分が得点できたし、堅い守備も自分なりにはある程度できたかなと思っているので。エウベルだったり、宮市が途中から出てきてかなり走り合いにはなりましたけど、自分の強みはアピールできたんじゃないかなと思うので、何とか1試合1試合生き残っていきたいなと思います」と、日本代表として国際Aマッチ142キャップを刻む長友は今後も危機感を強く持ちながら、戦っていくことを宣言した。(河合 拓 / Taku Kawai)