いまだ敵知らずの井上尚弥に“限界”はあるのか? 階級上げを進言する米元世界王者が語った可能性「フェザーで成功する」

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ネリを圧倒した井上。その怒涛のパフォーマンスに対する反響はいまだ収まりそうにない。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 文字通り敵なしの強さをどこまで突き詰めるのか。ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者に君臨する井上尚弥(大橋)の行く末に熱視線が注がれている。

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 井上は5月6日に東京ドームで行われた世界2階級制覇王者のルイス・ネリ(メキシコ)との防衛戦で6回TKO勝利。初回に顔面に左フックを被弾してプロ初ダウンを喫したモンスターだったが、そこから見事に挽回。2回と5回にそれぞれ左フックでダウンさせると、6回には渾身の右ストレートを炸裂させて趨勢を定めた。

 この完勝劇でプロキャリア通算成績を27戦無敗(24KO)とした井上。すでに次戦はIBF&WBOスーパーバンタム級1位のサム・グッドマン(豪州)との対戦が決定的となっているものの、「史上最強」とも称されるモンスターには、階級上げを含めてあらゆる可能性が論じられている。

 米専門メディア『ProBox TV』のコメンテーターを務める元WBO世界スーパーライト級王者のクリス・アルジェリ氏は、「彼はこの上ない才能の持ち主で、肉体的にも恵まれながら、精神的強さや基礎も併せ持っている」と井上を絶賛。そのうえで、今後の可能性について興味深い持論を投げかけている。

「もしも、イノウエがこのままスーパーバンタム級に残るなら、私はアフマダリエフとの戦いを望むよ。彼の積極的なスタイルがイノウエとどう交わるかが見たいからね。でも、私が一番見たいイノウエの試合はフェザー級でのフィゲロア戦だ。フィゲロアは非常に優れているし、タフな相手だ。粘り強くもあるし、この階級では大柄な部類に入る。さらに必殺の左もあるからね」

 アルジェリ氏が、スーパーバンタム級での試合よりも「見たい」としたブランドン・フィゲロア(アメリカ)は、元WBA・WBC世界スーパーバンタム級統一王者の猛者だ。21年11月にスティーブン・フルトン(米国)に判定で敗れてからフェザー級に転向。以降は3戦負けなしの実力派だ。

 すでに井上の将来的なフェザー転向が囁かれてはいる。そうした情報をふまえて「イノウエはフェザーで成功するために必要なものは持っている」と断言するアルジェリ氏は「ネリがスーパーバンタム級で彼を人間にさせた瞬間はあったけどね。私は、イノウエはスーパーフェザー級が限界と見ている」と続けた。

 果たして、天井知らずで突き進んできた井上に“限界”はあるのか。30歳を超えてもなお、衰え知らずの怪物の今後は、世界的な関心を集めている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]