巨人・大城が降格で見えてきた「FA権行使」の可能性…背景には球団からの“冷たい仕打ち”
(写真・時事通信)
巨人の大城卓三捕手が5月8日、出場選手登録を抹消された。
2023年3月には3番手の捕手という立場ながら、チームを支えてWBC優勝を経験した。シーズンに入っても自己最多の134試合に出場し、打率.281、16本塁打、55打点のキャリアハイの成績を残している。課題だった守備でも盗塁阻止率.373はリーグ2位の好結果だった。
今季から捕手出身の阿部慎之助が監督に就任したが、“打てる捕手”として大城にかかる期待は大きかった。
だが、登録を抹消される8日までは、34試合中23試合に出場し、先発マスクは14試合のみ。期待された打撃でも打率.188、0本塁打、3打点と極度の不振に陥っていた。結局、阿部監督は大城、小林誠司、岸田行倫による“捕手3人体制”を組み、いち早く大城が“2軍落ち”する形となってしまった。
降格する際、阿部監督は「成績もそうだけど、いちばんは気分転換ということで落とした。2人で話をして本人も納得した。素晴らしいものを持っているんだから、野球が楽しいという、そういう原点に戻ってきてくれと言った」と説明していた。
しかし、「その気分転換がいまの大城では出来ない」とベテラン巨人担当記者は語る。
「昨オフに大城は5000万増の年俸1億3000万円で契約したんです。初の1億円到達に『野球選手でいう大台にいけたのはうれしいが、その分やらなきゃいけないという責任もあります。うれしいとやらなきゃの半々くらいですね』と嬉しそうに語っていたんです」
ところが、次の質問の回答には担当記者も驚いた。それは契約年数についてだったが、本人は「単年です」と明かした。
「大城は国内FA権取得が間近でした。となれば球団は、権利取得後のことも考えて複数年契約を提示します。レギュラー捕手であり、キャリアハイの成績を残したんですから当然のことです。しかも当時30歳と捕手としてはいちばんいいときだった。それが単年ということで、驚きました。
本人は『オレ、来年FAなんですか?』と驚いた素振りを見せていました。それが本当か演技かはわかりませんが、これだけに功労者なのに、球団の扱いは冷たすぎると思ったし、本人も時間が経てば経つほどショックに感じているのではないでしょうか」(同前)
捕手というポジションは、どの球団も強化し補強したいポジションである。それが“打てる捕手”となれば尚更だ。大城が権利を行使する日が来るかもしれない。