注意喚起は、裏アカ騒ぎとは無関係という(スタイルキューブの公式サイトから)

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人気声優の公式Xが、写真を無断転載したファンを「バカ」などと罵倒したことを巡って、この声優が裏アカウントで投稿しようとして「誤爆」したのではないか、との憶測がネット上で広まっている。

その後、この声優のXなどでは、何者かに乗っ取られて勝手に投稿されたと釈明した。「裏アカ」では、同世代の声優らを揶揄していた模様だ。揶揄された側の声優らがX上で反論するような投稿をしたとして、なおも騒ぎがくすぶっている。事務所は、投稿と騒ぎとの関連を否定している。

「第3者からの不正アクセスで乗っ取られた可能性」説明するも......

きっかけは、声優の公式Xが2024年4月3日、自らの写真を無断転載した投稿を引用し、事務所のお知らせをリンクして「注意喚起が読めないバカ」と罵ったことだった。

この投稿は、すぐに削除されたものの、声優がファンを罵倒することは異例の事態のため、X上で拡散し、一体なぜなのかと驚く声が相次いだ。

投稿削除とほぼ同時に、声優のファンとして盛んに発言していた、あるXアカウントが突然削除された。これがファンらの間で憶測を呼んだ。つまり、このXアカウントが声優かスタッフの「裏アカ」で、無断転載を非難しようとして、誤って公式Xで投稿する「誤爆」を起こしたのではないか、という見立てだ。

この「裏アカ」では、声優の内情を知っているかのような投稿が多く、ライバル事務所の声優らを揶揄するような内容も盛んに書いていたとされる。

その後、5日になって、ファンを罵る投稿があった声優の公式Xなどで、所属事務所のスタッフが、この投稿を指すとみられる説明を行った。そこでは、3日深夜にアカウントが第3者からの不正アクセスで乗っ取られた可能性があるとした。1件の投稿を削除し、被害状況の確認や原因の調査などを進めているとしたうえで、心配させてしまったことを謝罪した。

しかし、この説明だけでは、騒ぎが収まらず、かえって炎上が拡大した。揶揄されたライバル事務所の声優らについて、その行動を詮索するような書き込みが相次ぐようになった。

そんな中で、これらの声優らが所属する事務所のスタイルキューブは10日、「SNSを含むネット上の書き込みについての注意喚起」と題して公式サイトでお知らせを出した。

「被害」声優の事務所が誹謗中傷に注意喚起も「騒ぎとは関係ない」

そこでは、所属タレントに対し、事実と異なる記述や誹謗中傷がSNS上などで散見され、それらの情報を元に書き込みをする人がいると報告した。そして、こうした情報元やその引用、情報に基づいた書き込みについては、情報開示などの法的処置を取ることも考えるとして、「不用意な書き込みをしないようお願いします」と呼びかけた。

スタイルキューブ所属の声優の伊藤美来さんは、あいさつを無視したなどと「裏アカ」で揶揄されたとみられていたが、事務所のお知らせの後、「挨拶は大事です!!」などとX上で投稿し、波紋が広がった。「誤解を招かぬようこれからも目と目を合わせて挨拶!!しっかりしていきます!!」と続けており、今回の騒ぎについて、伊藤さんが釈明したのではないかとの見方も広がった。

また、「裏アカ」で声優活動を揶揄されたとみられている別の事務所所属の井口裕香さんはほぼ同じころ、「いつだってひとの努力を笑う人間は、努力ができない人間なんだよなぁ」などとSNSのスレッズで投稿した。これは、「裏アカ」で揶揄されたことへの反応ではないかとX上で憶測が流れたが、井上さんはその後、「この発言は『特定の誰か』、個人に対して言及したのではなく、面白がって便乗してSNSでデマを流したり誹謗中傷をしている匿名の人たちに向けての発言です」などと説明している。

公式サイトのお知らせや伊藤さんの投稿について、スタイルキューブの担当者は4月12日、J-CASTニュースの取材に対し、裏アカ騒ぎとの関係を否定した。

「基本的に、誰か個人を指すのではなく、SNS全体で誹謗中傷などが散見されたので、注意喚起をしたということです。伊藤が挨拶について投稿したのも、同様になります」

ファンを罵る投稿があった声優の所属事務所に対しても、11日から取材を申し込んでいるが、担当者が外出中などとして12日夕までには話が聞けなかった。

J-CASTニュース編集部 野口博之)