「情熱は大人以上」身近なことから社会問題まで…テクノロジーで解決策を提案する小学生プログラマーたち<Tech Kids Grand Prix 2023>

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国内最大規模の小学生向けプログラミングコンテスト「Tech Kids Grand Prix2023(テックキッズグランプリ2023)」の本選決勝大会が2月25日(日)東京・渋谷のヒカリエホールにて開催され、全国各地での予選を勝ち抜いたファイナリストが熱のこもったプレゼンテーションをおこなった。

「Tech Kids Grand Prix」は、「21世紀を創るのは君たちだ」をスローガンに、小学生のアイディアとプログラミングのスキルを競う大会で、今年で6回目の開催となる。

審査は、ゲーム会社やIT企業など協賛企業の5名によって3つの基準に従っておこなわれ、ファイナリストの10人は5分間という限られた時間の中で自分の作品の魅力を精一杯アピールした。

【審査基準】
<1>掲げる夢や実現したい世界観(VISION)
<2>夢を実現するクリエイティブなアイディアとそれを体現した作品(PRODUCT)
<3>自身のビジョンやプロダクトを社会に発信していく姿勢(PRESENTATION)

審査の結果、キャッシュレスサービスの普及により小銭を使わなくなることが原因でお小遣いをもらえなくなる自身の「危機」から生まれた、子どもでも使いやすいオリジナルのキャッシュレスサービス「いえPay」を制作・発表した大阪府の小学6年生・小川智也さんが総合優勝に輝いた。

小川智也さんは、「今回初めて決勝まで来ることができて、グランプリを取れてうれしいです。努力すれば、絶対何かしら賞を取れると思うので、(応募を考えている人は)ぜひ頑張ってください!」と受賞の喜びを語っている。

また、総合優勝のほかに総合2位、3位、VISION AWARD、PRODUCT AWARD、PRESENTATION AWARD、そして5つの協賛企業賞の計11の賞があり、ダブル受賞も含め8名が選出された。

◆受賞者一覧

■総合優勝
小川智也/おがわともや(大阪府、小学6年生)

「キャッシュレス決済の普及で小学生のお小遣いがもらえなくなる!」という自らの危機を、オリジナルの決裁システムで解決! 小学生でも使いやすいWEBアプリ「いえPay」を制作。

■総合2位
谷口花穂/たにぐちかほ(静岡県、小学6年生)

家族が留守で子どもが独りで家に帰ってくる時に不審者が一緒に侵入してしまう、という深刻な社会問題を、家族の声で「おかえり」と声掛けすることで危険から子どもを守るオリジナル防犯システム「家族で作る防犯システム SHIBANY」を制作。

■総合3位
上田蒼大/うえだそうた(宮崎県、小学5年生)

人前で声を発することが難しいという自身の抱える困難を出発点に、声を発することが難しい人が日常生活の中でスムーズにコミュニケーションをはかれるオリジナルの会話システム「Be Free」を制作。

■VISION AWARD
上田蒼大/うえだそうた(宮崎県、小学5年生)

■PRODUCT AWARD
蓬田悠太/よもぎたゆうた(宮城県、小学6年生)

■PRESENTATION AWARD
鎌田千記理/かまだちきり(香川県、小学4年生)

■Cygames賞
蓬田悠太/よもぎたゆうた(宮城県、小学6年生)

■Facebook Japan 賞
伊藤紬記/いとうつむぎ(岐阜県、小学3年生)

■マイクロソフト賞
伊藤修一/いとうしゅういち(東京都、小学5年生)

■東急賞
三浦彩乃/みうらあやの(北海道、小学4年生)

■サイバーエージェント賞
谷口花穂/たにぐちかほ(静岡県、小学6年生)

本大会の主催者で、小学生向けプログラミング教育事業を展開する株式会社CA Tech Kids(シーエーテックキッズ)の代表取締役社長・上野朝大氏は、大会を終えて以下のように話した。

「6度目の開催となる『Tech Kids Grand Prix 2023』では、昨年惜しくも本選決勝に残れなかった方が、満を持して登壇するというケースが多く見受けられました。このような根気強く活発な参加の背景には、これまでのファイナリストたちの活躍が大きく影響を与えていると思います。

今年のファイナリストたちの作品やプレゼンも、例に漏れず十人十色で素晴らしいものばかりでしたので、その勇姿が、また次の世代のプログラミングキッズたちの背中を押すような、挑戦の源になると確信しています。

また、このコンテストを通じて、『小学生を子ども扱いしてはいけない』ということを改めて気付かされました。彼らが身近な問題や社会課題に対して、テクノロジーを駆使して解決策を提案し、自分たちの感じたことを形にする姿は、大人と何ら変わりません。むしろ、その情熱は大人以上かもしれません。

こうした情熱溢れる子どもたちは全国各地に存在しています。さらに多くの子どもたちが挑戦してもらい、彼らの可能性を広く認知してもらう機会を提供していきたいと思います!」

来年度の大会エントリーは今夏から各地方でスタートする予定となっている。21世紀を創る新たなスターの誕生を期待したい。