片づかない家、片づいても散らかってしまう家はなにが原因なのでしょうか。「片づいてない家は、掃除と片づけがごちゃごちゃになって混乱していることが多いと感じます」というのは、ライフオーガナイザーのお仕事で散らかったおうちを訪問することが多い下村志保美さん。詳しく教えていただきました。

1:充電されていないブランド掃除

吸引力で有名なコードレス掃除機を持っているのに、いざ使おうと思ったら充電がきれていて充電することからスタートしなくてはいけない、というのは「片づいてない家あるある」ではないでしょうか?

【写真】タオルや古布を掃除のために取っておくと…

これは床に置いてあるものをどかせながら掃除機をかけていて、途中で挫折してしまうことが原因のようです。掃除機をかけっぱなしのまま床のものをどけたり、そのまま片づけに移行して掃除機の存在を忘れてしまうことも。

また掃除機がかけにくく面倒になり、しばらく掃除機を使わなかったりすると、いざというときの充電ぎれにも気づきにくい状態に。

掃除したいという気持ちはきれいなおうちづくりに大切なものですが、掃除機をかける前にまず、床のものをいったん片づけておくと防ぐことができます。

またお客様のおうちでは、洋服の山で遭難していたお掃除ロボットを救出した経験が何度もあります。家具などであればお掃除ロボットも避けてくれるのですが、柔らかい洋服の山の場合、ロボットがぶつかってそのまま上に洋服が被さってしまい…ということが原因と思われます。

どのケースも「家をきれいにしたい」という健気な掃除欲が逆に片づかない原因に。掃除をするためにはまず、床置きのものをなくすことが重要ですね。

 

2:多種多様な洗剤

おうちの中に、肌にも環境にも優しいナチュラルな洗剤や洗濯グッズがある一方、ゴム手袋と換気が必須の超強力な洗剤もある…というのもまた「片づいてない家あるある」です。

使い慣れていないので同時に使っていいのか、効果や用法を確認するため、面倒になる一因に。結果、使っていない洗剤や、使いかけの洗濯グッズがたまってしまいます。

トイレ用、洗面所用、お風呂用、キッチン用、靴用、窓ガラス用、鏡用、水アカ用…キリがないほどの種類の洗剤がドラッグストアには売られていますが、後ろ側の成分を見るとじつは似ているものが多いはず。
本当にそこまで細かく分ける必要があるのか、本当に全部使うのか、今一度改めて考えてみましょう。
さまざまな用途に使える洗剤を1本だけ、というように絞ってしまうのも片づく家に近づく一歩かもしれません。

3:掃除に使うウエスと古い歯ブラシ

くたびれたタオルや古い歯ブラシは使い捨てのお掃除グッズの代表格。古くなったものをただ捨てるのではなく、使いきる気持ちよさもありますのでついつい残したくなります。
片づいているおうちはこの使いきるサイクルがうまく回っていて、ウエスやフル歯ブラシのストックはあまり見かけません。

しかし古布、歯ブラシが余っているということは使う量に対してストックが多すぎるということ。「ここに入るだけ」と枠を決めて一旦手放すか、1日大掃除の日を決めて使いきりましょう。

そう、使いきっても大丈夫です。どうしても古い歯ブラシが必要なときは、今使っている歯ブラシを使えばいいだけです。

 

片づけと掃除は別物

掃除機、洗剤、ウエス、どれも家をきれいにしたいという思いで持っているものがうまく機能していないというのはとても残念なことです。

うまく機能していない理由は、片づけと掃除がごちゃごちゃになっているから。

「片づけ」とは、使ったものを収納の中に戻したり、ものの量を調整したりすること。
一方「掃除」とは、掃除機をかけたり雑巾でふいたりと、汚れを取り除くこと。
二つの別のことを同時に考えるから混乱します。

まずは床にあるもの、キッチンカウンターにあるもの、洗面台の上に置かれているもの、クローゼットからはみ出しているもの、これらを「片づけ」ます。
そうすると床が見えて掃除機はかけやすく、お掃除シートでさっとひとふきもしやすくなり「おうちのきれい」がかないます。
「片づけてから掃除」を徹底しましょう。