後悔しない住宅購入のカギは「事前の情報収集」? 住宅購入者に聞いた、住宅購入で後悔していること
多くの人にとって、住宅購入は人生で最大の買い物です。「失敗したくない」「後悔したくない」と思うのは当然のことですが、実際に住宅購入を決断した人のうち、後悔のない住宅購入をかなえた人はどの程度いるのでしょうか。また、後悔している人はどのようなことに後悔していて、どうすれば失敗を回避できるのでしょうか。ARUHIマガジンが実施した『住宅購入者調査』の結果から見ていきましょう。
半数に迫る人が「住宅購入で後悔している」
過去1年以内に住宅を購入した人に、住宅購入で後悔していることがあるか問うと、55.0%の人が「後悔していることは特にない」と回答。後悔のない住宅購入をかなえた人は、住宅購入者の約半数という結果でした。
一方、「後悔していることがある」と回答した人は45.0%という結果に。具体的にどのようなことで後悔しているのか、後悔の内容について複数回答で問うと「住宅購入に関するお金(購入資金や住宅ローンなど)について」が最多で34.2%、「エリア・街選びについて」が17.5%、「その他」が4.3%でした。
また、新築マンション購入者に関しては、43.1%が「お金について後悔している」と回答しており、お金に関して何かしらの後悔がある人が多い様子。一方、中古マンション購入者の66.0%が「後悔していることは特にない」と答え、後悔のない住宅購入ができた人の割合が高い結果となりました。
住宅購入で後悔していることがある人は、どのようなことで後悔しているのでしょうか。後悔の内容と、すべきだったと考える対策について、自由回答で聞いた理由を一部紹介します。
お金に関する後悔は、返済可能額の把握と住宅ローン知識で回避できる?
【資金不足】
・頭金を貯めておけば良かった(30代/男性/注文住宅)
・もう少し安い金額の物件にする、またはもう少し貯金してから購入すればよかった(30代/女性/新築戸建て・建売住宅)
・住宅取得にあたり、ローン以外にかかる金額の調べが足りず想定よりも高額の支払いになった(30代/女性/中古マンション)
・もう少し後に購入を予定していたので頭金の準備ができておらず、ローン返済額が大きくなってしまった(30代/男性/新築マンション)
【住宅ローン金利の選択】
・もっと金利などに関して調べるべきだった(30代/男性/新築マンション)
・金利動向の判断(50代/男性/新築マンション)・変動に安易に飛びついたが、固定にしたほうが良かったかもしれないと思っている(30代/男性/中古戸建て)
【住宅ローン審査の見通しの甘さ】
・ペアローンにする予定だったが、自分が育休中で収入がなかったので、夫単独でローンを組むしかなかった(30代/女性/注文住宅)
・女性単身だと審査が厳しいらしく、本当に欲しかった第一候補のマンションは買えなかった(30代/女性/中古マンション)
住宅を購入してお金に関することで後悔している人の多くが、住宅購入資金の不足や住宅ローンに関する知識不足を後悔の理由に挙げています。資金不足に関しては、希望する物件が準備できる金額よりも高く希望する物件が購入できなかった、もしくは予算をオーバーしてしまったという声が目立ちました。
住宅ローンに関しては、変動金利タイプと固定金利タイプのどちらを選ぶか安易に決めてしまったことに対する後悔や、住宅ローン審査に関する見通しが甘く、希望額の借り入れができなかったという声が多く挙がりました。
お金に関して後悔しないための対策は?
【無理のない資金計画を立てる】
・ある程度お金を貯めてから買う(40代/女性/注文住宅)
・自分が本当に無理なく返せる額を把握する(30代/女性/注文住宅)
【下調べや比較検討をする】
・仲介業社任せにせず、複数の金融機関に確認しておけば、節約できたかも(50代/男性/建売住宅)
・シミュレーションをしっかり行った上で比較検討する(30代/女性/中古マンション)
・変動金利と固定金利やローンについてもっと詳しく調べておけば良かった。もう少し時間をかけて金融機関に相談すれば良かった(30代/男性/新築マンション)
住宅を購入してお金に関することで後悔しないためにできる対策としては、無理のない資金計画を立てて必要なお金を貯めてから購入すること、住宅ローンの仕組みや金利タイプなどの違いを理解し、比較検討したうえで利用することが大切です。また、「安易に決めず一旦持ち帰るほうが良いと思う」という声もありました。住宅ローンの金利タイプや借り入れをする金融機関、借入金額は、不動産業者の勧めに従い、その場で何となく決めるのではなく、それぞれの違いを理解したうえで冷静に判断することが、後悔のない住宅購入への第一歩です。
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エリア・街選びに関する後悔は、自分の足で街を知ることで解消?
【移動のしやすさ】
・勤務先から思ったより遠かった(50代/女性/新築マンション)
・自転車で家から駅までなど通勤経路を一度走ってみれば良かった(40代/女性/注文住宅)
・坂が多いところを妥協してしまった(30代/女性/新築マンション)
【子育てのしやすさ】
・前から住んでいる地域にしたが、子どもの小学校の学区の端にある。そのため通学がこの先大変かと思う(40代/男性/中古戸建て)
・自身の仕事の継続や今後の子育てを想定して場所を選べばよかった(30代/女性/中古マンション)
・もっと地域のこととか学校のことなど調べたらよかった(30代/女性/建売住宅)
エリア・街選びに関する後悔の内容を聞くと、移動のしやすさに関する声が多く集まりました。通勤や買い物など、日々の移動が不自由な環境はストレスの原因となりがちで、後悔の材料となりやすいことが分かりました。
また、子育て世帯は通学する学校との距離や通学路も事前の確認が必要で、進学先も見据えて住むエリア・街を選ぶ必要があります。「学区外になる場合の事務手続きが手間」という声もあり、引っ越すことで生じる手続きなども確認をしておきたいところです。
エリア・街選びに関して後悔しないための対策は?
【街の情報を調べる】
・しっかりと住民の口コミを確認する(20代/女性/注文住宅)
・近隣の教育施設の下調べ(30代/女性/中古マンション)
・土地の安いところを探すのではなく、交通機関や日射条件など、便利なところが結局長く住めると思います(50代/男性/注文住宅)
【実際に街を体験する】
・事前に自分の足でチェックしておいたほうがよい(50代/男性/新築マンション)
・口コミで決めるのではなく、地域調査を自分の足でやっておけばよかった(30代/男性/注文住宅)
・実際に勤務時間の電車に乗ってみる(50代/女性/新築マンション)
エリア・街選びで後悔しないためにできる対策として挙がった意見の大半が、そのエリア・街についてよりよく知ることでした。口コミのチェックはもちろん、子育て世帯は学区内の教育施設についても調べることが大切です。そして何よりも「自分の足で歩いてチェックする」ことで得られる情報がたくさんあります。時間帯を変えて何度か足を運ぶこと、通勤経路を調べて実際に行き来してみると、より現実に即した判断ができます。
まとめ
今回の調査結果では、住宅購入で後悔していることがある人は、事前の情報収集が不足しているケースが多いことが分かりました。自分にとって適切な住宅購入金額はどのくらいなのか、住宅ローンの金利タイプはどれが合っているのか、街選びに関しても、しっかりと下調べをして、時には自分の足で情報を得ることで、住宅購入後に「こんなはずではなかった」と後悔するリスクを軽減できます。住宅購入を検討している人は、住宅購入者の体験談やアドバイスを参考に、情報収集から始めてみましょう。また、年収に合わせた適切な借入金額を知るために住宅ローンのシミュレーションサイトの活用や、金融機関の相談窓口やファイナンシャルプランナーなどお金のプロに相談してみてはいかがでしょうか。
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【調査概要】
調査地域:全国
調査対象:過去1年以内に住宅ローンを組んで住宅購入をした25~60歳の男女(自身または配偶者が住宅購入をした人。親やその他の親族が購入した人は除く)
調査期間:2023年12月19日~21日
有効回答数:600サンプル
調査手法:クロス・マーケティングモニターへのインターネット定量調査
調査機関:株式会社クロス・マーケティング