Pornhubが「性的人身売買」から利益を得たことを認めて罰金2億5600万円を支払い監視員を受け入れる
Pornhubの親会社であるAylo(旧MindGeek)が、性行為の強要により同意なくPornhub上に投稿されたポルノ動画から利益を得たと訴えられていた事件で、Ayloが起訴事実を認め罰金180万ドル(約2億5600万円)を支払うことを条件に当局と和解し、訴追を見送られたことが報じられました。
Eastern District of New York | Pornhub Parent Company Admits to Receiving Proceeds of Sex Trafficking and Agrees to Three-Year Monitor | United States Department of Justice
Pornhub parent company fined $1.8 million over sex trafficking charge - The Verge
https://www.theverge.com/2023/12/22/24012152/pornhub-mindgeek-sex-trafficking-fine
今回の訴訟は、2019年にGirlsDoPorn(GDP)というポルノ制作会社が「若い女性をだまして強要し、同意なく性的な動画に出演させていた」として起訴されたことが発端です。この裁判により、GDPの幹部ら複数人が性的人身売買で有罪判決を受けました。
この事件に関連し、当時MindGeekだったAyloが2020年に、性的人身売買によって得られたものであると知りながらGDPから利益を受け取っていた嫌疑で起訴されました。
法廷文書によると、Ayloは2016年から2019年にかけて複数の被害女性から動画の削除申請を受け取っていたほか、2017年にはGDPの動画に出演した女性数人が制作会社に対して訴訟を起こしたことを知っていました。
しかし、AyloはGDPが提出した同意の証拠を無条件に信用し、独自にその情報を確認することを怠り、2019年にGDP裁判が終結するまで問題の動画を削除しませんでした。また、GDPの公式チャンネルも2019年まで放置されていたほか、GDPと同じ運営者が保有するGirlsDoToys(GDT)というポルノサイトの公式チャンネルも2020年まで削除されていなかったと検察は指摘しています。
Ayloは2023年12月21日に、性的人身売買の収益を含む違法な金銭取引に関与した容疑を認め、国に184万4952.83ドル(約2億6280万円)を支払うことで同意しました。合意条件には他にも、3年間外部の監視員をつけることや、GDPの被害者に金銭を支払うことなどが盛り込まれており、万が一合意の条件を履行しなかった場合、Ayloは改めて違法な金銭取引への関与で起訴されることになります。
ニューヨーク東部地区連邦検事のブレオン・ピース氏は、「今回の起訴猶予協定は、Pornhubの親会社に対し、性的行為に及ぶよう若い女性を強要した犯罪者が女性らの同意なしに投稿した動画をホスティングし、動画の料金の支払いを仲介した責任を問うものです」と述べました。
また、FBIニューヨーク現地事務所の担当次官であるジェームス・スミス氏は「Ayloは利益を目的に、不正な性行為に参加するようだまされ、強要された被害者の訴えから目を背け、これによって私腹を肥やしました。性的搾取に関与したすべての企業は、必ず被害者の精神的苦痛と恐怖の責任を負うことになります。本日の審理によって、この事件の被害者が人生を前向きに歩むための正義感がもたらされることを願っています」と話しました。