ソーシャルメディア を席巻するアンダーアイマスク、人気5製品
人種や民族、年齢を問わずあらゆる美容消費者が目の下に貼るアンダーアイパッチに夢中になっており、自分の美容ルーティンや習慣を惜しげもなく披露している。ブランドによっては流れ星やクジラの形をした楽しいパッチもある。Google トレンドの検索データによると、ハッシュタグ #eyepatches のTikTokの視聴回数は2億2900万回で、検索パターンは過去5年間で着実に増加しているという。ピークは、通常、寒さや乾燥が厳しい冬の数カ月だ。
ローンチメトリックス(Launchmetrics)の新しいデータによると、メディア・インパクト・バリュー(MIV)に基づいた話題のアイパッチブランドのトップ5には幅広いブランドの製品がランク入りした。MIVとは、インフルエンサー、印刷メディア、セレブリティ、公式サードパーティパートナー、ブランドのメディアチャネルの影響を追跡するローンチメトリックス独自の指標である。
アンダーアイマスクのトップ5は、ピーター・トーマス・ ロス(Peter Thomas Roth)の24Kゴールド・ピュアラグジュアリー・リフト&ファーム・ハイドラジェル・アイパッチ(24K Gold Pure Luxury Lift & Firm Hydra-Gel Eye Patches)、パッチョロジー(Patchology)のロゼ・アイジェル(Rosé Eye Gels)、フローレンス・バイ・ミルズ(Florence by Mills)のスイミング・アンダー・ジ・アイズ・ジェルパッド(Swimming Under the Eyes Gel Pads)、オーガスティナス・ベイダー(Augustinus Bader)のジ・アイパッチ(The Eye Patches)、そしてデュー(Dieux)のフォーエバー・アイマスク(Forever Eye Mask)だ。
ローンチメトリックスのCMO、アリソン・ブランジェ氏は次のように述べている。「美容トレンドが進化し続けるなか、現在は肌全体の健康が重視されており、それによりアイパッチがスキンケアルーティンの最前線に躍り出ているのは明らかだ。さらに、ソーシャルメディアの影響で若々しい外見を保ち、自分のセルフケア習慣を披露することへの関心が高まっているが、アイパッチはセルフケアを披露する顕著な方法だ。若々しいツヤ肌とセルフケアを見せる自撮りが追求されている中で、あのような小型で便利で的を絞ったトリートメントがニッチな製品から必需品へと進化したのは当然といえる」。
ピーター・トーマス・ロスの24Kゴールド・ハイドラジェル・アイパッチは、10年以上前に発売されて以来、このカテゴリーの定番となっている。『The Real Housewives of Beverly Hills』のスターのカイル・リチャーズ氏、女優のマーゴット・ロビー氏、TikTokerのアリックス・アール氏などの多くのセレブから愛用されている。ピーター・トーマス・ロスは5月にアイパッチフランチャイズの宣伝キャンペーンでリンジー・ローハン氏を起用した。このキャンペーンでは、1980年代スタイルのコマーシャルを取り入れ、ローハン氏はピーター・トーマス・ロスの「アイコニック」なアイパッチの電話相談担当者を演じた。ヘッドセットにスーツ姿、目の下には金色に輝くパッチを付けた彼女はアンダーアイケア関連の質問に答えた。
目を引くゴールドのパッチもソーシャルメディアでは頻繁にお目見えしている。ピーター・ トーマス・ロスはインスタグラムとTikTok合計で65.9万人のフォロワーを抱える。一方、パッチョロジーのロゼ・アイジェルはソーシャルでかなりの支持を得ており、パッチョロジーというブランド名はハッシュタグとしてTikTokで1770万回使われている。同社は、製品のゼリーのような質感を強調する動画を自社ソーシャルページに頻繁に投稿している。
ミリー・ボビー・ブラウン氏のブランド、フローレンス・バイ・ミルズ(Florence by Mills’)のアンダー・ジ・アイズ・ジェルパッドのランキングは、このブランドがいかにパワフルかを知っていれば納得がいく。Glossyの10月の記事では、フローレンス・バイ・ミルズがローファイと舞台裏のコンテンツを組み合わせて、TikTokの視聴回数を800%近く増やしたことを取り上げた。TikTokには330万人のフォロワーがいる。2022年下半期には、TikTokコンテンツを通して顧客のほとんどがTikTokアカウントプロフィールにあるリンクからストアにアクセスして、前年比100%を超える売上成長を促進している。クジラ、海の波、雲など遊び心のあるデザインのアイパッチもこの成長の要因の1つである。
今月紹介するアイパッチ製品のユニークな点は、幅広い価格帯に及んでいることだ。もっとも安価なのは、パッチオロジーで1回分(1ペア)が4ドル(約600円)、最大サイズの30回分が50ドル(約7000円)。もっとも高価なのはオーガスティヌス・ベイダーの1回分22ドル(約3000円)、6回分125ドル(約1.8万円)である。オーガスティナス・ベイダーのジ・アイパッチは6月に発売されたばかりだが、以来MIVで4位に躍進している。発売当初に絶賛の声が相次いだ後、エヴァ・ロンゴリア氏をはじめとするセレブから賞賛され続けている。ロンゴリア氏は、フェイスオイル、リッチクリーム、そしてアイパッチというオーガスティナス・ベイダー製品数点を含む美容ルーティンを11月にヴォーグ誌に詳しく紹介した。この動画はYouTubeだけでも120万回視聴されている。
このリストの中でおそらくもっともエキサイティングなのは、再利用可能なアイパッチを提供するデュー(Dieux)だろう。ワンカインド(Onekind)や4AMスキン(4AM Skin)など再利用コンセプトを取り入れているブランドはほかにもあるが、デューのパッチの感性には何か特別なものがある。各パッチにはフォレストグリーンの上に白いセリフフォントで「Dieux」と書かれている。その名が示すように、フランス的な要素を感じさせるブランドだ。この製品は2020年9月に発売され、翌年にはクールガールの美容製品として広く考えられるようになった。医療グレードのシリコンで作られており、クリーム、美容液、またはオイルを取り込む密閉材のように作用する。同社のウェブサイトでは「これだけあればいいアイマスク」と宣伝されている。1回分がパックになっているものや、1回分に分けられたアイジェルが瓶に入っているような使い捨て製品に対抗するようにデザインされている。
買い足さなくてすむという点で、このような製品の拡張性を疑問視する人もいる。デューのCEO、シャーロット・パレルミーノ氏は、計画的な廃番という考え方には「苛立ちを覚える」とTikTokで応じた。同社の標準的なビジネス目標は、口コミと、デュー製品が楽しく使えて役立っているという同氏の自信により推進されているのだという。
パレルミーノ氏はその動画のなかで次のように語った。「当社にはクラス最高の(局所製品の)処方を作れる科学があることはわかっていた。だが、自社を知らしめて際立つことができ、かつ実に楽しい製品を作れるなら、そうするだろう。素晴らしい製品は素晴らしいマーケティングなのだから」。
[原文:Glossy x Launchmetrics Research: The under-eye masks that are ruling social media]
EMMA SANDLER(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)
ローンチメトリックスのMIVに基づく人気アイパッチ製品トップ5
ローンチメトリックス(Launchmetrics)の新しいデータによると、メディア・インパクト・バリュー(MIV)に基づいた話題のアイパッチブランドのトップ5には幅広いブランドの製品がランク入りした。MIVとは、インフルエンサー、印刷メディア、セレブリティ、公式サードパーティパートナー、ブランドのメディアチャネルの影響を追跡するローンチメトリックス独自の指標である。
アンダーアイマスクのトップ5は、ピーター・トーマス・ ロス(Peter Thomas Roth)の24Kゴールド・ピュアラグジュアリー・リフト&ファーム・ハイドラジェル・アイパッチ(24K Gold Pure Luxury Lift & Firm Hydra-Gel Eye Patches)、パッチョロジー(Patchology)のロゼ・アイジェル(Rosé Eye Gels)、フローレンス・バイ・ミルズ(Florence by Mills)のスイミング・アンダー・ジ・アイズ・ジェルパッド(Swimming Under the Eyes Gel Pads)、オーガスティナス・ベイダー(Augustinus Bader)のジ・アイパッチ(The Eye Patches)、そしてデュー(Dieux)のフォーエバー・アイマスク(Forever Eye Mask)だ。
ローンチメトリックスのCMO、アリソン・ブランジェ氏は次のように述べている。「美容トレンドが進化し続けるなか、現在は肌全体の健康が重視されており、それによりアイパッチがスキンケアルーティンの最前線に躍り出ているのは明らかだ。さらに、ソーシャルメディアの影響で若々しい外見を保ち、自分のセルフケア習慣を披露することへの関心が高まっているが、アイパッチはセルフケアを披露する顕著な方法だ。若々しいツヤ肌とセルフケアを見せる自撮りが追求されている中で、あのような小型で便利で的を絞ったトリートメントがニッチな製品から必需品へと進化したのは当然といえる」。
セレブ愛用のピーター・トーマス・ロス製品
ピーター・トーマス・ロスの24Kゴールド・ハイドラジェル・アイパッチは、10年以上前に発売されて以来、このカテゴリーの定番となっている。『The Real Housewives of Beverly Hills』のスターのカイル・リチャーズ氏、女優のマーゴット・ロビー氏、TikTokerのアリックス・アール氏などの多くのセレブから愛用されている。ピーター・トーマス・ロスは5月にアイパッチフランチャイズの宣伝キャンペーンでリンジー・ローハン氏を起用した。このキャンペーンでは、1980年代スタイルのコマーシャルを取り入れ、ローハン氏はピーター・トーマス・ロスの「アイコニック」なアイパッチの電話相談担当者を演じた。ヘッドセットにスーツ姿、目の下には金色に輝くパッチを付けた彼女はアンダーアイケア関連の質問に答えた。
目を引くゴールドのパッチもソーシャルメディアでは頻繁にお目見えしている。ピーター・ トーマス・ロスはインスタグラムとTikTok合計で65.9万人のフォロワーを抱える。一方、パッチョロジーのロゼ・アイジェルはソーシャルでかなりの支持を得ており、パッチョロジーというブランド名はハッシュタグとしてTikTokで1770万回使われている。同社は、製品のゼリーのような質感を強調する動画を自社ソーシャルページに頻繁に投稿している。
楽しいデザインのフローレンス・バイ・ミルズ
ミリー・ボビー・ブラウン氏のブランド、フローレンス・バイ・ミルズ(Florence by Mills’)のアンダー・ジ・アイズ・ジェルパッドのランキングは、このブランドがいかにパワフルかを知っていれば納得がいく。Glossyの10月の記事では、フローレンス・バイ・ミルズがローファイと舞台裏のコンテンツを組み合わせて、TikTokの視聴回数を800%近く増やしたことを取り上げた。TikTokには330万人のフォロワーがいる。2022年下半期には、TikTokコンテンツを通して顧客のほとんどがTikTokアカウントプロフィールにあるリンクからストアにアクセスして、前年比100%を超える売上成長を促進している。クジラ、海の波、雲など遊び心のあるデザインのアイパッチもこの成長の要因の1つである。
1回分は4〜22ドルと幅広い価格帯
今月紹介するアイパッチ製品のユニークな点は、幅広い価格帯に及んでいることだ。もっとも安価なのは、パッチオロジーで1回分(1ペア)が4ドル(約600円)、最大サイズの30回分が50ドル(約7000円)。もっとも高価なのはオーガスティヌス・ベイダーの1回分22ドル(約3000円)、6回分125ドル(約1.8万円)である。オーガスティナス・ベイダーのジ・アイパッチは6月に発売されたばかりだが、以来MIVで4位に躍進している。発売当初に絶賛の声が相次いだ後、エヴァ・ロンゴリア氏をはじめとするセレブから賞賛され続けている。ロンゴリア氏は、フェイスオイル、リッチクリーム、そしてアイパッチというオーガスティナス・ベイダー製品数点を含む美容ルーティンを11月にヴォーグ誌に詳しく紹介した。この動画はYouTubeだけでも120万回視聴されている。
デューの再利用できるアイパッチ
このリストの中でおそらくもっともエキサイティングなのは、再利用可能なアイパッチを提供するデュー(Dieux)だろう。ワンカインド(Onekind)や4AMスキン(4AM Skin)など再利用コンセプトを取り入れているブランドはほかにもあるが、デューのパッチの感性には何か特別なものがある。各パッチにはフォレストグリーンの上に白いセリフフォントで「Dieux」と書かれている。その名が示すように、フランス的な要素を感じさせるブランドだ。この製品は2020年9月に発売され、翌年にはクールガールの美容製品として広く考えられるようになった。医療グレードのシリコンで作られており、クリーム、美容液、またはオイルを取り込む密閉材のように作用する。同社のウェブサイトでは「これだけあればいいアイマスク」と宣伝されている。1回分がパックになっているものや、1回分に分けられたアイジェルが瓶に入っているような使い捨て製品に対抗するようにデザインされている。
買い足さなくてすむという点で、このような製品の拡張性を疑問視する人もいる。デューのCEO、シャーロット・パレルミーノ氏は、計画的な廃番という考え方には「苛立ちを覚える」とTikTokで応じた。同社の標準的なビジネス目標は、口コミと、デュー製品が楽しく使えて役立っているという同氏の自信により推進されているのだという。
パレルミーノ氏はその動画のなかで次のように語った。「当社にはクラス最高の(局所製品の)処方を作れる科学があることはわかっていた。だが、自社を知らしめて際立つことができ、かつ実に楽しい製品を作れるなら、そうするだろう。素晴らしい製品は素晴らしいマーケティングなのだから」。
[原文:Glossy x Launchmetrics Research: The under-eye masks that are ruling social media]
EMMA SANDLER(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)