【海外発!Breaking News】警告を無視したスキーヤー、雪崩に巻き込まれた緊迫の映像(米)<動画あり>
12月9日、米ニューハンプシャー州の山をスキーで滑走していた男性が、雪崩に巻き込まれる事故が発生した。当時、男性がスキーをしていたエリアには雪崩注意報が出されていたが、男性は友人らとともに「大丈夫そうだ」と自己判断で入山した。男性は救出されたものの、脛骨などを骨折する重傷を負ったと、米ニュースメディア『Fox News』などが報じた。
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事故は今月9日午前11時35分、米ニューハンプシャー州にあるワシントン山で発生した。ワシントン山は、標高1917メートルとアメリカ北東部で最も高い山で、毎年平均25人がケガをする難易度の高い山だ。同州メリマック郡ボウ在住のドミニク・トロさん(Dominic Torro、30)は友人のアダムさん(Adam)とともに、“エアプレーン・ガリー(Airplane Gully)”と呼ばれるエリアを訪れ、バックカントリースキーを楽しんでいた。
バックカントリースキーとは、スキー場など管理された場所ではなく、自然の地形を生かしたエリアをスキーで滑るアクティビティだ。誰かが滑った形跡の無い、まっさらな雪の上を滑ることができ、大自然を間近に感じられることが魅力だが、当然ケガなどのリスクも大きくなる。
当時ワシントン山雪崩センター(Mount Washington Avalanche Center)は雪崩注意報を発令していた。しかし雪の状態を確認したドミニクさんらは「積雪は安定しているようだ」と判断し、入山してバックカントリーをスキーで滑ることにした。この軽率な自己判断が、命に関わりかねない事故に繋がった。
事故の様子は動画で撮影されており、ドミニクさんが斜面を滑り降りようとする姿が映っている。真っすぐに滑り降り、右に方向転換をして急斜面を滑り出すと、ドミニクさんの真下にあった雪が大きく分厚い塊のまま崩れてしまったのだ。当時、近くにいたアダムさんが「雪崩だ!」と叫んだと言い、ドミニクさんもその声を耳にしたものの、対処する暇はなく雪崩に身を任せるしかなかったという。
撮影者は突然のことに驚いており、すぐにドミニクさんが滑っていた斜面の方へ駆け寄ってカメラを向けたが、ドミニクさんは完全に雪崩に巻き込まれてしまったようで、その姿を確認することはできない。
ワシントン山雪崩センターがシェアしたこの動画の後半には、ドミニクさんのボディカメラの映像もあり、後ろから大量の雪に襲われたドミニクさんはバランスを崩し、非常に速いスピードで斜面を滑り落ちていく。カメラは雪に覆われてしまいはっきりとは確認できないが、ドミニクさんはしばらくの間、止まることなく斜面を滑り落ちていたようだった。
この後、アダムさんとその場に居合わせたスキーヤーのケビンさん(Kevin)が、すぐにドミニクさんの救出へ向かった。ドミニクさんは「頭を守ろうとしていました」と滑り落ちていた当時を振り返っているが、幸いにも意識を失うことはなく、すぐに発見してもらうことができた。2人はドミニクさんに止血などの応急処置をし、緊急電話番号「911」に連絡をして応援を求めた。
応援要請を受けて州兵のヘリコプターが派遣されることになり、アダムさんとケビンさんは周囲の雪かきを行い、到着したスタッフらが救助活動を行いやすいように整えた。2人の的確な行動により、午後3時すぎにはヘリコプターが到着し、ドミニクさんは同州レバノン市にある病院「Dartmouth Hitchcock Medical Center」へ運ばれ治療を受けることができた。ドミニクさんは左脚の脛骨と腓骨の開放骨折や大量出血という重傷を負い、手術を受ける必要があるが、幸いにも命に別状はないという。
救助活動の指揮を執ったニューハンプシャー州漁業狩猟局(New Hampshire Fish and Game)は「応急処置をした2人のスキーヤーの対応は、状況や条件を考慮した素晴らしいものでした」とコメントを公表し、アダムさんとケビンさんの行動を称賛した。
ドミニクさんは「バックカントリーを楽しんでいる人であれば、誰にでも起こり得ることです。私は今回の一件を、雪の科学やバックカントリーの知識やスキルを高めるための学びの経験としていきます」と話し、他の人々への注意喚起を行った。
なおテックインサイト編集部ではワシントン山雪崩センターにコンタクトを取り、バックカントリーを楽しむ人々に対して、どのような安全対策や準備を推奨しているか、さらに雪崩に巻き込まれた際の適切な自己対処法と、救出されるまでの生存率を高めるために重要な行動などについて話をうかがうべく取材を申し入れている。
ちなみに今年4月には、頭から生き埋めになり、“死”を覚悟したスノーボーダーを、偶然通りかかったスキーヤーが発見して救出する瞬間を捉えた緊迫の映像が話題を呼んでいた。
画像は『People.com 2023年12月15日付「Skier Sustains Life-Threatening Leg Injury After Triggering Avalanche on Mount Washington」(PHOTO: NH FISH AND GAME DEPARTMENT LAW ENFORCEMENT DIVISION/FACEBOOK)』 『Metro 2023年12月15日付「Skier triggers massive avalanche and loses control within seconds」(Picture: MWAC)』『ABC7 Chicago 2023年4月1日付「Snowboarder saved from being buried alive in viral video -- and his rescuer -- speak out on ordeal」』『ABC News 2022年1月4日付「Helmet video captures Colorado college students rescuing dog buried in avalanche」(Robert White)』『LADbible 2023年3月3日付「Incredible moment rescuers spot missing hiker’s hand waving from under snow」(Featured Image Credit: SWNS/Mathieu Lambert)』『Harry Shimmin 2022年7月9日付Instagram「9 Brits and 1 American on a guided tour of the Tian Shan mountains in Kyrgyzstan.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)
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事故は今月9日午前11時35分、米ニューハンプシャー州にあるワシントン山で発生した。ワシントン山は、標高1917メートルとアメリカ北東部で最も高い山で、毎年平均25人がケガをする難易度の高い山だ。同州メリマック郡ボウ在住のドミニク・トロさん(Dominic Torro、30)は友人のアダムさん(Adam)とともに、“エアプレーン・ガリー(Airplane Gully)”と呼ばれるエリアを訪れ、バックカントリースキーを楽しんでいた。
当時ワシントン山雪崩センター(Mount Washington Avalanche Center)は雪崩注意報を発令していた。しかし雪の状態を確認したドミニクさんらは「積雪は安定しているようだ」と判断し、入山してバックカントリーをスキーで滑ることにした。この軽率な自己判断が、命に関わりかねない事故に繋がった。
事故の様子は動画で撮影されており、ドミニクさんが斜面を滑り降りようとする姿が映っている。真っすぐに滑り降り、右に方向転換をして急斜面を滑り出すと、ドミニクさんの真下にあった雪が大きく分厚い塊のまま崩れてしまったのだ。当時、近くにいたアダムさんが「雪崩だ!」と叫んだと言い、ドミニクさんもその声を耳にしたものの、対処する暇はなく雪崩に身を任せるしかなかったという。
撮影者は突然のことに驚いており、すぐにドミニクさんが滑っていた斜面の方へ駆け寄ってカメラを向けたが、ドミニクさんは完全に雪崩に巻き込まれてしまったようで、その姿を確認することはできない。
ワシントン山雪崩センターがシェアしたこの動画の後半には、ドミニクさんのボディカメラの映像もあり、後ろから大量の雪に襲われたドミニクさんはバランスを崩し、非常に速いスピードで斜面を滑り落ちていく。カメラは雪に覆われてしまいはっきりとは確認できないが、ドミニクさんはしばらくの間、止まることなく斜面を滑り落ちていたようだった。
この後、アダムさんとその場に居合わせたスキーヤーのケビンさん(Kevin)が、すぐにドミニクさんの救出へ向かった。ドミニクさんは「頭を守ろうとしていました」と滑り落ちていた当時を振り返っているが、幸いにも意識を失うことはなく、すぐに発見してもらうことができた。2人はドミニクさんに止血などの応急処置をし、緊急電話番号「911」に連絡をして応援を求めた。
応援要請を受けて州兵のヘリコプターが派遣されることになり、アダムさんとケビンさんは周囲の雪かきを行い、到着したスタッフらが救助活動を行いやすいように整えた。2人の的確な行動により、午後3時すぎにはヘリコプターが到着し、ドミニクさんは同州レバノン市にある病院「Dartmouth Hitchcock Medical Center」へ運ばれ治療を受けることができた。ドミニクさんは左脚の脛骨と腓骨の開放骨折や大量出血という重傷を負い、手術を受ける必要があるが、幸いにも命に別状はないという。
救助活動の指揮を執ったニューハンプシャー州漁業狩猟局(New Hampshire Fish and Game)は「応急処置をした2人のスキーヤーの対応は、状況や条件を考慮した素晴らしいものでした」とコメントを公表し、アダムさんとケビンさんの行動を称賛した。
ドミニクさんは「バックカントリーを楽しんでいる人であれば、誰にでも起こり得ることです。私は今回の一件を、雪の科学やバックカントリーの知識やスキルを高めるための学びの経験としていきます」と話し、他の人々への注意喚起を行った。
なおテックインサイト編集部ではワシントン山雪崩センターにコンタクトを取り、バックカントリーを楽しむ人々に対して、どのような安全対策や準備を推奨しているか、さらに雪崩に巻き込まれた際の適切な自己対処法と、救出されるまでの生存率を高めるために重要な行動などについて話をうかがうべく取材を申し入れている。
ちなみに今年4月には、頭から生き埋めになり、“死”を覚悟したスノーボーダーを、偶然通りかかったスキーヤーが発見して救出する瞬間を捉えた緊迫の映像が話題を呼んでいた。
画像は『People.com 2023年12月15日付「Skier Sustains Life-Threatening Leg Injury After Triggering Avalanche on Mount Washington」(PHOTO: NH FISH AND GAME DEPARTMENT LAW ENFORCEMENT DIVISION/FACEBOOK)』 『Metro 2023年12月15日付「Skier triggers massive avalanche and loses control within seconds」(Picture: MWAC)』『ABC7 Chicago 2023年4月1日付「Snowboarder saved from being buried alive in viral video -- and his rescuer -- speak out on ordeal」』『ABC News 2022年1月4日付「Helmet video captures Colorado college students rescuing dog buried in avalanche」(Robert White)』『LADbible 2023年3月3日付「Incredible moment rescuers spot missing hiker’s hand waving from under snow」(Featured Image Credit: SWNS/Mathieu Lambert)』『Harry Shimmin 2022年7月9日付Instagram「9 Brits and 1 American on a guided tour of the Tian Shan mountains in Kyrgyzstan.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)