DeNA入団会見でのトレバー・バウアー。去就が注目されている(写真:AP/アフロ)

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DeNAは2023年オフ、FA権を行使するか注目された石田健大、戸柱恭孝が残留を決断した。ファンにとっては明るいニュースだが、今永昇太がポスティングシステムを利用してメジャーに挑戦することが決まっている。

エースの退団で戦力ダウンが避けられない中、気になるのはトレバー・バウアーの去就だ。

DeNAファンの心をがっちりつかむ

17年にインディアンスで自己最多の17勝をマークし、20年には最優秀防御率、サイ・ヤング賞を獲得。米国球界を代表する右腕として知られていたが、ドジャースに移籍した21年6月に報じられた女性に対する暴行疑惑が野球人生を変える。MLBから324試合の出場停止処分を科され、その後に異議申し立てによる調停で194試合に処分期間が短縮されたが、23年1月にドジャースを契約解除に。他球団から素行を問題視する懸念がつきまとい所属先がなかなか決まらない。そこで獲得に乗り出したのがDeNAだった。

開幕直前に電撃入団すると、5月から1軍に合流。先発で19試合登板して10勝4敗、防御率2.76の好成績をマークした。投球技術は一級品で、中4日の登板間隔で投げるなどタフネスだった。DeNAファンの心をがっちりつかみ、来季も契約延長を望む声が目立つ。今年1年はドジャースが年俸30億円を肩代わりするが、条件面で24年はメジャーに復帰する可能性が高いとみられていた。

気性が荒い性格が誤解されている

メジャーを取材する関係者はこう語る。

「バウアーは23年10月に女性と和解が成立しており、同情的な見方が少なくない。ただ、メジャーの球団が獲得に乗り出すかというと慎重です。気性が荒い性格が誤解されている部分があり、問題児のレッテルを張られています。DeNAで来季もプレーする可能性は十分にありますが、バウアー側はメジャーでプレーする選択肢を模索すると思います。越年で長期化する事態は想定しておいたほうがいいでしょう」

日本では絶大な人気を誇る右腕。来季はどのユニフォームを身にまとい、マウンドで躍動するか。(中町顕吾)