定格の最高値を上回る周波数でCPUやGPUを動作させることを「オーバークロック」と呼び、一部のユーザーがより高い処理能力とベンチマークスコアを目指してしのぎを削っています。AMDが2023年11月にリリースしたハイエンドプロセッサー「Ryzen Threadripper 7000」シリーズには、オーバークロックモードを有効化すると切れるヒューズが搭載されていると報じられています。

AMD says overclocking blows a hidden fuse on Ryzen Threadripper 7000 to show if you've overclocked the chip, but it doesn't automatically void your CPU's warranty | Tom's Hardware

https://www.tomshardware.com/pc-components/cpus/amd-says-overclocking-blows-hidden-fuses-on-ryzen-threadripper-7000-to-show-if-youve-overclocked-but-it-wont-automatically-void-your-cpus-warranty



AMD's New Threadripper Chips Have a Hidden Fuse That Blows When Overclocking Is Enabled | Extremetech

https://www.extremetech.com/computing/amds-new-threadripper-chips-have-a-hidden-fuse-that-blows-when-overclocking



オーバークロックモードは、本来想定されているスペックでの動作を大きく超えた状況で動作させることとなります。そのため、オーバークロックモードはハードウェアへの負担が大きく、メーカー保証外の損傷を引き起こす可能性もあります。



Ryzen Threadripper 7000シリーズにはProバージョンと非Proバージョンがあり、どちらもオーバークロックに切り替えることが可能です。しかし、実際にメイン周波数や電圧を変更してオーバークロックを行うと、BIOS画面に「メーカー保証が切れている」と表示されたという報告があがっています。このユーザーによれば、BIOS画面にはオーバークロックモードが永続的に有効になっているとも書かれていますが、同時にメーカー保証も切れてしまうことも示されているとのこと。



ハードウェア関連のニュースサイトであるTom's HardwareがAMDにコメントを求めたところ、AMDはRyzen Threadripper 7000シリーズにオーバークロック有効化を感知するヒューズを搭載していることを認めました。ただし、「はっきり言っておきますが、このヒューズが切れてもメーカー保証は無効になりません。オーバークロックや過電圧機能を有効にするとプロセッサーの保証が無効になるという記述は正しくありません。AMDの標準販売条件によれば、オーバークロックあるいは過電圧によって生じた損傷は保証の対象外となります。ただし、関係のない他の問題は保証修理や交換の対象となる可能性があります」とコメントしています。

Tom's Hardwareは「Ryzen Threadripper 7000シリーズをオーバークロックすることは可能ですが、責任を持って行う必要があります」と述べました。