“隠れ貧血”とは…

写真拡大

 日常生活の中で「疲れやすい」「だるい」と感じている人は多いのではないでしょうか……。ファンケル(横浜市中区)が、「貧血や鉄分不足に関する調査」を実施し、結果を公開しています。

 調査は、10月16〜17日にかけて、18〜69歳の女性1000人を対象に、インターネットで行われました。内訳は18〜19歳が50人、20代が150人、30代・40代・50代・60代がそれぞれ200人ずつです。

 女性が感じている体の不調について聞いたところ、トップは32.9%の「疲れが取れない」でした。続いて28.0%の「眠気を感じる」、25.9%の「だるさを感じる」という結果でした。特に40代と50代では、約4割の人が「疲れが取れない」と回答していたといい、他の年代よりも顕著だったということです。18歳〜20代では「やる気が出ない」「イライラする」「注意力や集中力が続かない」などメンタルに関する不調が他の年代に比べて多い結果だったということです。

「鉄分不足を気にしている」かどうかも調査し、鉄分不足を感じている人が、不調を感じている割合がより高くなっていることも判明。鉄分不足をどの程度気にしているかも聞いたところ、「とても気にしている」が12.3%、「やや気にしている」が34.5%と計46.8%の人が気にしていました。気にしている人が最も多かったのは「40代」で「58%」という結果でした。

 貧血の自覚についても聞くと「貧血だと思っている人」は8.0%にとどまったということです。「貧血かもしれないと思っている人」の25.7%の加えても計33.7%という結果でした。

 続いて、貧血の診断は出ないものの、体内の鉄分が不足している「潜在性鉄欠乏性(隠れ貧血)についての認知」も調べ、「知っている人」は全体で23%でした。日ごろから鉄分不足を気にしていると回答した人でも調べたところ31.8%という結果になりました。

 鉄分に関して研究しているファンケル総合研究所の豊田晴香さんは、今回の結果について「上位の不調は、実は鉄分不足が関係していることが多く考えられます」と分析しつつ、鉄分不足の症状について「不調以外にも、肌の状態や目の下のクマ、髪の毛や爪の状態などにも影響します」と付け加えています。

 続けて「私たちの体の中の鉄分は『ヘモグロビン鉄』と『フェリチン鉄』の2つが存在しています。鉄分不足となると、まずフェリチン鉄が減少し、これが枯渇するとヘモグロビン鉄が減少していきます。ヘモグロビン鉄の量が異常値の場合は、健康診断で『貧血』と診断されますが、フェリチン鉄は通常の健康診断の検査項目には含まれておらず、気付くことが難しいです」と説明しています。

 フェリチン鉄が減少すると「『疲れやすさ』や『だるさ』を感じる傾向があります。ヘモグロビン鉄が異常値でなくても、フェリチン鉄が減少した状態は貧血予備軍となり、『潜在性鉄欠乏性(隠れ貧血)』と呼ばれています。日々の生活の中で不調を感じたら、貧血や隠れ貧血を疑ってみるといいと思います」」と助言しています。

 さらに、「貧血や隠れ貧血について正しく理解をすること、月経前後など自分の体の
状態を振り返る習慣をつけていただき、食生活やサプリメントをうまく取り入れて健康維持や体調管理を行っていただければと思います」と伝えています。