2023年11月27日から12月1日にかけてアメリカ合衆国のラスベガスで開催されているAWSのカンファレンスイベント「AWS re:Invent」にて、AWSの新サービスが発表されています。

AWS-Announces-Amazon-Q-to-Reimagine-the-Future-of-Work

https://press.aboutamazon.com/2023/11/aws-announces-amazon-q-to-reimagine-the-future-of-work

AWS-Introduces-Amazon-One-Enterprise

https://press.aboutamazon.com/2023/11/aws-introduces-amazon-one-enterprise

AWS re:Inventの基調講演では、低レイテンシーな高性能ストレージサービス「Amazon S3 Express One Zone」や、新プロセッサの「Graviton4」と「Tranium2」、ユーザーのビジネス環境に合わせてカスタマイズ可能なチャットAIサービス「Amazon Q」などが発表されました。

AWS re:Invent 2023 - CEO Keynote with Adam Selipsky - YouTube

「Amazon S3 Express One Zone」はAmazon S3よりも最大10倍優れたパフォーマンスを提供するように設計された低レイテンシーのストレージクラスで、1桁ミリ秒のレイテンシーを維持し、1秒あたり数十万件のリクエストを処理できるのが特徴です。

Amazon S3よりパフォーマンスが10倍向上しリクエストコストを50%抑えられる低レイテンシーストレージクラス「Amazon S3 Express One Zone」が発表される - GIGAZINE



「Graviton4」および「Tranium2」は機械学習トレーニングやAIトレーニングを含む幅広いワークロードでパフォーマンス向上を実現するプロセッサ。「Graviton4」は前世代のGraviton3と比べてコアが50%増、メモリ帯域幅が75%増、計算能力が最大で30%向上しており、「Trainium2」は前世代のTrainiumと比べて機械学習トレーニングが最大4倍高速になることが期待されています。

AmazonがAWS向けのプロセッサ「Graviton4」とAIトレーニング用チップ「Trainium2」を発表 - GIGAZINE



Amazon Qは「新しいタイプの生成AI」と述べられており、企業のビジネス環境に合わせてカスタマイズできるAIです。「Amazon S3」「Dropbox」「Confluence」「Google Drive」「Microsoft 365」「Salesforce」「ServiceNow」「Zendesk」など一般的なアプリをはじめ、内部ネットワークの情報ソースや社内Wikiなどと接続する事が可能とのこと。



アプリを接続すると、Amazon Qが全てのデータを整理し、学習します。



あとはチャット形式でAmazon Qにタスクを依頼するだけでOK。データ元との接続には従業員それぞれの認証情報が使用されるため、アクセスできないはずの情報が表示されてしまう心配はありません。



そのほか、Amazon QにはAWS上でシステムを組み上げるのを助ける機能などが搭載されているとのこと。

Amazon Q, Your Expert Assistant for Building on AWS | Amazon Web Services - YouTube

AWS re:Inventでは他にも、生成AIを利用したアプリを開発するためのクラウドサービス「Amazon Bedrock」の機能強化や、手のひらを使用して従業員を認証できるサービス「Amazon One Enterprise」のリリースが発表されました。

Amazon One Enterprise in Preview | Amazon Web Services - YouTube