ダヴァル・バヌサリ医師は、ニューヨーク市にオフィスを構えているが、マイアミやロサンゼルス、あるいは別の場所で、皮膚科関連あるいはその以外のさまざまなサイドプロジェクトに取り組んでいることも多い。同氏は、いくつもの企業を立ち上げた。皮膚科医が患者向けのカスタム処方を従来よりも低価格でできるプラットフォーム「スキン・メディシナルズ(Skin Medicinals)」、同様に脱毛に悩む患者のための製品開発を支援する「ヘアスティム・ラボ(HairStim Labs)」、そして厳選されたブランドの中から皮膚科医がOTCのスキンケア・ルーティンを割引価格で作成できる「エア・ヘルス(Aire Health)」などがその例だ。また、数カ月間持続するタトゥーのスタートアップ企業「エフェメラル(Ephemeral)」のアドバイザーや、ヘイリー・ビーバー氏がプロデュースするブランド「ロード・スキン(Rhode Skin)」のアドバイザリーボードも務める。バヌサリ医師はGlossyビューティ・ポッドキャストの最新エピソードで、ヘイリー・ビーバー氏と立ち上げたロードや、皮膚科医がソーシャルメディアをどのように活用すべきかなど、手掛ける事業について語った。以下はポッドキャストで語られた内容を読みやすさのために要約し、編集を加えたものである。

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ヘイリー・ビーバー氏と立ち上げた「ロード・スキン」

「ヘイリーは大切な友人だ。以前からの共通の友人を通じて知り合った。私は幸運なことに、処方に関するアドバイスやコンサルティング、その他いろいろな件で多くの人が訪ねてきてくれる。しかし正直に言うと、ほとんどの場合、少なくとも10回中9回はお断りしている状態だ。ヘイリーとは2020年に、顔合わせのためにZoomをした。話し始めて10秒も経たぬ間に、彼女がとても聡明で、とても普通で、非常に情熱的な人物であることが分かった。私たちは波長が合うかどうか、話しながら探った。彼女は口囲皮膚炎や敏感肌など、さまざまな皮膚の課題を抱えており、それをオープンに語ってきた。セレブリティーの世界では、パーフェクトでないということは大きな恐怖のようだ。ヘイリーは自分の弱みをフォロワーやファンに正直にさらけ出していて、こういう姿勢の人がもっと多くいると良いと私は思っている。私は、熱心に打ち込む彼女の姿勢に、とても感銘を受けている。調査や研究を送ってくれたり、私の考えを尋ねてくれる。彼女にとって大切なこの小さなアイデアが、大きくて美しいプラットフォームへと育っていくのを、目の当たりにするのは楽しかった」。

皮膚科医はソーシャルメディアをどのように活用すべきか

「実際のところ、(ソーシャルメディアの)影響はどのような意味を持つのだろうか? ソーシャルメディアは、少し迷っている人たちに向けてポジティブなメッセージを広められるメディアだ。医師にとって、白衣は信頼感を与えてくれるもので、これはプラスに作用する。白衣のおかげで、フォロワー数も増えるかもしれない。しかし白衣によって責任が一層重くなるという側面もあり、このことを真剣に受け止めなくてはならない。そのため、私たちの専門性や、自分たちの患者やスタッフ、あるいは自分自身の品位を損なうようなことはできない。私は新規の患者を獲得するためでなく、人々を啓発する機会として活用している」。

エアの創業について

「エアが、検証の場のようなものになれればと願っている。これまではセフォラ(Sephora)やアルタ(Ulta)のような店舗、D2C、ソーシャルメディア、ウェブサイト、インフルエンサーなどがあり、さらに今ではエアによってかかりつけの皮膚科医を通じて製品を入手するという事業モデルもできた。私たちはプロセスを、デジタル化したのだ。平均的な皮膚科医は一日に30〜50人の患者を診察し、それぞれに対して2〜3点、患者によっては4〜5点のアドバイスを与える。患者にアマゾン(Amazon)やデュエイン・リード(Duane Reade)などのドラッグストアで探してもらう代わりに、製品を患者に直接発送してもらったり、彼らに代わって我々が割引の交渉を行うこともできる。……ブランドがエアに参加するには申請が必要で、皮膚科医たちが研究内容やブランドを精査する。ブランドは科学志向でなくてはならないし、何百万人もの患者や数千人もの医師に自分たちが紹介されるべき理由について、何らかの科学的根拠が無くてはならない。私たちは、良い製品が人々の目にとまる場所を作ったのだ」。[原文:Dr. Dhaval Bhanusali on dermatology, serial entrepreneurship and working on Rhode with Hailey Bieber]SARA SPRUCH-FEINER(翻訳:田崎亮子/編集:山岸祐加子)