1972年12月のアニメ放送開始50周年イヤーもいよいよクライマックスに差しかかってきた「マジンガーZ」。そのクライマックスのタイミングに合わせ、50周年を記念した、まさに現時点での決定版といえるビッグアイテムが12月、BANDAI SPIRITSより「マジンゴー!」する。

(取材・執筆:太田サトル)

(C)ダイナミック企画・東映アニメーション

DX超合金魂 マジンガーZ 50th Anniversary Ver.

・メーカー希望小売価格:8万4700円(税込)
・発売予定:2023年12月
・全高:約300mm
・材質:ダイキャスト、ABS、PVC製

■セット内容
マジンガーZ本体/ホバーパイルダー/ジェットパイルダー/各部装甲一式/カットモデル装甲一式/メカニカルモデル装甲(頭部)/発光ルミナスシート内臓ブレストファイヤー(左右)/ミサイル発射口開口状態腹部装甲//可動式拳(左右)/メカニカルモデル拳(左右)/アイアンカッター付き腕部装甲(左右)/マジンガーZ専用格納庫/ジェットスクランダー/ジェットスクランダー発射台/赤外線リモコン/解説&取扱説明書ブックレット

 

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超合金”ブランドの象徴的存在

「DX超合金魂 マジンガーZ 50th Anniversary Ver.」。いまさら細かい説明の必要はないかもしれないが、BANDAI SPIRITSが展開する「超合金」は、もともと「マジンガーZ」の装甲に用いられた架空の金属「超合金Z」にそのブランド名を由来する。

 

毎回来襲する機械獣たちの攻撃をものともしない、まさに“くろがねの城”をイメージさせてくれるようなダイカスト合金の質感と重量感、そして精密感は当時衝撃的で、1974年2月に発売された超合金「マジンガーZ」は大ヒット。その後、マジンガーシリーズに限らずさまざまな作品のキャラクターが「超合金」のブランド名のもとに製品化され、のちに合体や変形の機構を盛り込んだ「DX超合金」、そして1997年には対象年齢を15歳以上に設定した大人向けブランド「超合金魂」の販売がスタート、第1弾として選ばれたのは、やはりマジンガーZだった。

 

「“超合金”のブランドを受けついた“超合金魂”は現在もメインのアイテムラインのひとつですが、マジンガーZは中でも最重要キャラクターとして、超合金魂の中だけでも何度も商品化されてきました」と、開発を担当するBANDAI SPIRTSコレクター事業部シニアアドバイザーの岡崎聖さんは語る。

 

いわば“超合金”ブランドの象徴的存在のマジンガーZは、「超合金魂」のブランドの中だけでもデザインのバリエーションや機構の進化などに合わせ何度もリニューアル発売され続けている。そんな中でのアニメ化50周年記念のDX超合金魂なのだ。

 

目でも耳でも楽しめる豪華なてんこ盛り!

今回の「DX超合金魂 マジンガーZ 50th Anniversary Ver.」は、通常約16〜17センチのサイズで展開されるスタンダードサイズの倍近い、全高約30センチ。見た目の迫力はもちろん、手に取ったときの重量感もまさに「これぞ超合金だ!」という感動を大人になってあらためて体感できる。

↑テレビ版の究極的アイテムを目指した、こだわりぬいたプロポーション。(C)ダイナミック企画・東映アニメーション

 

大きさばかりではない。今回大切なのは、“テレビ版のマジンガーZ“の50周年ということ。

 

「テレビ版のマジンガーZをより忠実に再現するため、顔つきや全身のプロポーションにこだわり設計し、テレビ版の究極的アイテムを目指しました」(岡崎さん)。当時の子どもたちを熱狂させた魅力は、もちろんそのフォルムばかりではない。石丸博也さん演じる兜甲児の声やの声や武器の発射音や足音といった効果音、いさましい戦闘BGM、そして水木一郎さんが歌うあの主題歌……それらが聞こえるだけで一瞬でアニメの世界に飛び込めるような部分も、テレビアニメ版「マジンガーZ」の重要な要素である。本商品ではその音声要素にも大きなこだわりがある。

 

付属の赤外線リモコンのスイッチを押すと、起動音が流れ、ボタンを押せば、「くらえ、必殺の光子力ビーム!」「こいつでとどめだ、ブレストファイヤー!」と、兜甲児が叫び、“アニキ”水木一郎さんが歌う主題歌「マジンガーZ」や印象的な挿入歌「Zのテーマ」など4曲も流れ、耳からも「マジンガーZ」の世界を楽しむことができるのだ。

↑兜甲児の声で叫ぶ各種必殺技は 各機能が表記されたボタンを押す操作で発動。 そして水木一郎アニキの歌うマジンガーソング4曲を搭載(収録楽曲:マジンガーZ/Zのテーマ/ぼくらのマジンガーZ/空飛ぶマジンガーZ)。(C)ダイナミック企画・東映アニメーション

 

さらに、本製品は外部の装甲を取り外すことも可能。半分取り外した状態は……そう、なつかしのテレビアニメ版のエンディングで印象的なマジンガーZの内部図解状態が再現できるのである!

↑緻密なディティールで内部メカを再現。左半身、右半身ともに外装を取り外すことが可能。(C)ダイナミック企画・東映アニメーション

 

その状態でボタンを押してエンディングテーマ「ぼくらのマジンガーZ」が流れてくると、目の前にあのエンディングが! となること間違いない。

 

両眼などの発光ギミックも搭載、なかでもブレストファイヤーの放熱板部分が赤く均一に発光するところは、「ルミナスシート」という最新技術の導入によってもたらされたもの。

↑決め技「ブレストファイヤー」を放つ両胸の放熱板には平面発光するルミナスシートを内蔵!放熱板全体が光る。(C)ダイナミック企画・東映アニメーション

 

「40周年の段階ではまだこの表現は技術的にできませんでした。音の魅力はすごく大きいですので水木一郎さんの歌う4曲、石丸博也さんの兜甲児の声を実装しよう。光らせられるところはしっかり光らせよう、ジェットスクランダーやジェットパイルダーはもちろん、アイアンカッターやドリルミサイルといった後期に登場したアイテム……せっかくの50周年なので、全部のせで豪華にいっちゃおう! というところです」(岡崎さん)

 

まさにテレビアニメ50周年の締めを飾るにふさわしい、「ぼくたちが欲しかった究極のマジンガー!」といえるかもしれないが、「キャラクターアイテムや音楽って、ある意味タイムマシンだと思うんです」と、岡崎さんは語る。

 

「眺めるだけで、聴くだけで、当時の記憶がきっと美しいものとしてよみがえってくる。おもちゃって、たとえば会社に行く前、寝る前のほんの1、2分眺めるだけでもリフレッシュできるような不思議な存在でもあるんです。その人の思い出に深く刺さるキャラクターだと特にそうですよね。そういう気持ちを呼び起こす、私たちはそのお手伝いをしているのかなと思うんです。そんなタイムマシンだと思っていただければ、お値段も納得いただけるかと(笑)」

 

価格は8万4700円(税込)。年末までにどうにか予算確保すべきだという気がしまくる。

 

「シンプルなキャラクターだけに、トライアルする価値もある」というマジンガーZ。きっと60周年、70周年(もしかしたら超合金50周年となる来年2024年も……?)、その時代ごとの新たな技術や解釈が盛り込まれ、マジンガーZの“究極”は、この先も更新され続けるだろう。