3歳のわが子は発達障害かもしれない。母親の勘は当たるのでしょうか?【発達障害は個性なの?】
「発達障害は個性なの?」答えはYesでもありNoでもあり、どちらでもない可能性があります。困りごとを抱えているのであれば「個性」という言葉では片付けられないし、困っていないのであれば「個性」なのかもしれません。
この記事では発達障害の子育てをするなかで見えてきた、さまざまな悩みや問題・対処法などについて紹介していきます。今回のテーマは「母親の勘」。わが子が発達障害かもしれないと思う母の勘は当たるのか、そのような悩みについて考えます。
「うちの子、発達障害かも……」母親の勘は当たる?
ママスタコミュニティに寄せられたある投稿。投稿したママの話によると、わが子のさまざまな問題行動は発達障害からくるものではないかと疑っているようです。しかし3歳健診では何も指摘されなかったし、通っている幼稚園からもとくになにか言われたこともないのだそう。しかしママのなかには確証があるのかもしれません。母親の勘……ですね。
現在大学生になる筆者の子どもは小さい頃から発達障害の特性が強く、ADHDの診断を受けています。そのような筆者と子どもの過去を振り返ってみると、たしかに最初は「母親(筆者)の勘」からはじまったような気がしなくもありません。現実問題、筆者の子どもは発達障害だったので、勘が当たったといえば当たったことになりますね。しかし、必ずしも母親の勘が働くかどうか断定することは難しいかもしれません。
筆者の知り合いのお子さんに、周りから見ても明らかになにかの特性が強いと思わずにいられない子がいました。筆者の子どもとはまた違う感じではあるのですが、似通っているなと感じずにはいられないほど。ところがその子のママは、「うちの子は変わっているから〜」というだけで、障害などを疑うことはなかったのだとか。しかしお子さんが小学校入学後、さまざまな困りごとやトラブルを抱えることとなったのです。そこではじめてわが子の障害に気づくことになったと、後日その子のママから聞かされました。
勘や思い込みがトラブルに?
子どもが幼い頃、筆者はわが子が発達障害ではないかと日々思い悩んでいました。まだ診断などを受けたことはなく、いわゆる母親の勘が働いていた状況です。そのようなときに起こってしまったトラブル。ひとりで思い悩み、孤独になっていた筆者は、保育所の連絡帳にわが子が発達障害かもしれないといったことを突然書いたのです。すると、担任の先生から「そうかもしれませんね」とも受け取れる文章が書かれていたのです。連絡帳を見た瞬間、血の気が引くような気がしました。勘は働けども、受け入れる覚悟はできていなかったのです。抱えていた不安や孤独に「うちの子が発達障害なわけがない、先生が決めつけた、ヒドイ!」と、被害妄想のように思い込んでしまいました。今思えば、もっと早くから保育所の先生に相談し、焦らず一緒に見守ってもらえていれば、あのような思い込みには至らなかったはず。せっかく勘が働いたのなら、孤独にならないようにしておけばよかったと反省するばかりです。
もし勘が働いたのなら焦らず次の一手を考えよう
せっかく働いた勘も、次の一手につながらなければ意味がない。そう感じた筆者だからこそ言えることは、もし勘が働いたり違和感を覚えたりしたら、誰かに相談してほしいということ。理想は専門家や医療従事者。お住まいの市区町村の保健センターにいる保健師さんでも構いません。ハードルが高い場合は、普段わが子の様子を見てくれている保育所や幼稚園の先生に声掛けをし、一緒に様子を見守ったり、普段の行動に関する情報共有を行ったりなどの協力を求めてみてください。
ママが感じた違和感や気付きから、早期療育を受けられる可能性があります。発達障害は病気ではなく「一生付き合っていく特性」ですから、早くから療育を受けられることには大きな意味や価値があると筆者は思っています。しかし実際は、医療機関などの予約を取るだけでも数カ月待ち、ようやく診察を受けられても幼児期は診断をつけにくいこともあるのです。そのようなとき、さまざまな判断材料となるのは、わが子に対する客観的な視点と、周囲から聞き取った声だと思います。
わが子が発達障害かもしれないと思っても、周りにはなかなか打ち明けられない人が圧倒的かもしれません。筆者も最初はそうでした。しかしこの孤独になんの意味があるのでしょう。うちの場合は思い切ってオープンにしたことで、たくさんの人がわが子を見守ってくれるようになり、筆者のことまで気遣ってくれる人も増えました。もちろん理解してもらえないことも何度もありましたし、心ない言葉で傷つけられたことも一度や二度ではありません。それでも、わが子が楽しく毎日を送れるようサポートするためには、孤独でいてはいけないと思ったのです。
子どもそれぞれにあったサポートを!
母親の勘が当たるのか当たらないのか。そのことについて考えても仕方がない、筆者はそう思うのです。勘だけを頼りにママ一人で突っ走ってしまうと、わが子が発達障害だと決めつけてしまう危険もありますよね。発達障害の特性に似ている困りごとがあっても、性格・個性である可能性もあります。実際、「絶対うちの子は発達障害だ!」と焦って検査を受けても、結果的に発達障害ではなかったというケースもあるようです。
思い込みでわが子は発達障害ではないかと悩むよりも、いろいろな人に相談したりアドバイスをもらったりしながら、まずは今目の前にいるわが子に即したサポートを考えることが重要ではないでしょうか。筆者の経験談ですが、発達障害の子どもに対するサポートのやり方は、発達障害ではない「定型」の子どもたちにも意外に役立つことが多いのです。ですから、発達障害であろうがなかろうが、子どもそれぞれにあったサポートをいろいろ試してみてください。ときがくれば診断を受けることもできるでしょう。そのときまで、どうか孤独にならないようにと願うばかりです。
※本記事の内容はあくまで個人の体験に基づいた内容であり、人によっては当てはまらないケースもあります。
文・櫻宮ヨウ 編集・荻野実紀子 イラスト・ごぼふく
この記事では発達障害の子育てをするなかで見えてきた、さまざまな悩みや問題・対処法などについて紹介していきます。今回のテーマは「母親の勘」。わが子が発達障害かもしれないと思う母の勘は当たるのか、そのような悩みについて考えます。
『わが子が発達障害かもしれないという母親の勘は当たる。そのようなことをどこかで聞きました。でも1人目の子どもだからよくわかりません。もしかして、うちの子は発達障害なのでしょうか』
ママスタコミュニティに寄せられたある投稿。投稿したママの話によると、わが子のさまざまな問題行動は発達障害からくるものではないかと疑っているようです。しかし3歳健診では何も指摘されなかったし、通っている幼稚園からもとくになにか言われたこともないのだそう。しかしママのなかには確証があるのかもしれません。母親の勘……ですね。
母親の勘は当たるのか
現在大学生になる筆者の子どもは小さい頃から発達障害の特性が強く、ADHDの診断を受けています。そのような筆者と子どもの過去を振り返ってみると、たしかに最初は「母親(筆者)の勘」からはじまったような気がしなくもありません。現実問題、筆者の子どもは発達障害だったので、勘が当たったといえば当たったことになりますね。しかし、必ずしも母親の勘が働くかどうか断定することは難しいかもしれません。
母親の勘が働かないケースもある
筆者の知り合いのお子さんに、周りから見ても明らかになにかの特性が強いと思わずにいられない子がいました。筆者の子どもとはまた違う感じではあるのですが、似通っているなと感じずにはいられないほど。ところがその子のママは、「うちの子は変わっているから〜」というだけで、障害などを疑うことはなかったのだとか。しかしお子さんが小学校入学後、さまざまな困りごとやトラブルを抱えることとなったのです。そこではじめてわが子の障害に気づくことになったと、後日その子のママから聞かされました。
勘や思い込みがトラブルに?
子どもが幼い頃、筆者はわが子が発達障害ではないかと日々思い悩んでいました。まだ診断などを受けたことはなく、いわゆる母親の勘が働いていた状況です。そのようなときに起こってしまったトラブル。ひとりで思い悩み、孤独になっていた筆者は、保育所の連絡帳にわが子が発達障害かもしれないといったことを突然書いたのです。すると、担任の先生から「そうかもしれませんね」とも受け取れる文章が書かれていたのです。連絡帳を見た瞬間、血の気が引くような気がしました。勘は働けども、受け入れる覚悟はできていなかったのです。抱えていた不安や孤独に「うちの子が発達障害なわけがない、先生が決めつけた、ヒドイ!」と、被害妄想のように思い込んでしまいました。今思えば、もっと早くから保育所の先生に相談し、焦らず一緒に見守ってもらえていれば、あのような思い込みには至らなかったはず。せっかく勘が働いたのなら、孤独にならないようにしておけばよかったと反省するばかりです。
もし勘が働いたのなら焦らず次の一手を考えよう
せっかく働いた勘も、次の一手につながらなければ意味がない。そう感じた筆者だからこそ言えることは、もし勘が働いたり違和感を覚えたりしたら、誰かに相談してほしいということ。理想は専門家や医療従事者。お住まいの市区町村の保健センターにいる保健師さんでも構いません。ハードルが高い場合は、普段わが子の様子を見てくれている保育所や幼稚園の先生に声掛けをし、一緒に様子を見守ったり、普段の行動に関する情報共有を行ったりなどの協力を求めてみてください。
専門機関でも幼児期の診断は難しい?
ママが感じた違和感や気付きから、早期療育を受けられる可能性があります。発達障害は病気ではなく「一生付き合っていく特性」ですから、早くから療育を受けられることには大きな意味や価値があると筆者は思っています。しかし実際は、医療機関などの予約を取るだけでも数カ月待ち、ようやく診察を受けられても幼児期は診断をつけにくいこともあるのです。そのようなとき、さまざまな判断材料となるのは、わが子に対する客観的な視点と、周囲から聞き取った声だと思います。
孤独になりがちだからこそ、孤独にならない工夫を
わが子が発達障害かもしれないと思っても、周りにはなかなか打ち明けられない人が圧倒的かもしれません。筆者も最初はそうでした。しかしこの孤独になんの意味があるのでしょう。うちの場合は思い切ってオープンにしたことで、たくさんの人がわが子を見守ってくれるようになり、筆者のことまで気遣ってくれる人も増えました。もちろん理解してもらえないことも何度もありましたし、心ない言葉で傷つけられたことも一度や二度ではありません。それでも、わが子が楽しく毎日を送れるようサポートするためには、孤独でいてはいけないと思ったのです。
子どもそれぞれにあったサポートを!
母親の勘が当たるのか当たらないのか。そのことについて考えても仕方がない、筆者はそう思うのです。勘だけを頼りにママ一人で突っ走ってしまうと、わが子が発達障害だと決めつけてしまう危険もありますよね。発達障害の特性に似ている困りごとがあっても、性格・個性である可能性もあります。実際、「絶対うちの子は発達障害だ!」と焦って検査を受けても、結果的に発達障害ではなかったというケースもあるようです。
思い込みでわが子は発達障害ではないかと悩むよりも、いろいろな人に相談したりアドバイスをもらったりしながら、まずは今目の前にいるわが子に即したサポートを考えることが重要ではないでしょうか。筆者の経験談ですが、発達障害の子どもに対するサポートのやり方は、発達障害ではない「定型」の子どもたちにも意外に役立つことが多いのです。ですから、発達障害であろうがなかろうが、子どもそれぞれにあったサポートをいろいろ試してみてください。ときがくれば診断を受けることもできるでしょう。そのときまで、どうか孤独にならないようにと願うばかりです。
※本記事の内容はあくまで個人の体験に基づいた内容であり、人によっては当てはまらないケースもあります。
文・櫻宮ヨウ 編集・荻野実紀子 イラスト・ごぼふく