盗難に遭いやすい車種ランキングTOP10

※一般財団法人 日本損害保険協会が発表する統計に基づいてランキングを作成しています。

参考:【2022年データ】第24回自動車盗難事故実態調査結果|一般社団法人日本損害保険協会

■【10位】レクサス GS(4件)

レクサス GS F

レクサスGSは1991年より販売が行われる、高級4ドアセダンでスポーティーな1面もあり、超高級なラグジュアリーセダンというよりは、スポーティーセダンといった具合です。

特に2代目となるS16は、スポーツカーでも人気のスープラと共通の2JZエンジンが搭載され、「スープラセダン」と呼ばれることもしばしば。その後の3代目、4代目からはハイブリッドのラインナップも追加され、2代目とは異なる理由で人気がある車種となっています。

2代目には途中からイモビライザーが搭載されたり、3代目以降にはスマートキー車になったりなど、それぞれ対策を考える必要があります。

特に2代目の初期型は、セキュリティ面では弱い車種となっていますので要注意です。

■【9位】ホンダ ヴェゼル (6件)

ホンダ ヴェゼル

ヴェゼルは日本国内で、ややアクティブなファミリー層に人気のコンパクトSUVとして取り扱われることが多い車種になります。

そのため、流通量が多く盗難ランキング内の他車種と比較して、2020年2月は、3,544台(日本自動車販売協会連合会調べ)であり、比較的流通量が多い部類の車種といえます。

2015年から2017年の3年連続でSUV新車登録販売台数1位を記録したほどの人気車で、2019年にも3年ぶりに1位に返り咲いています。車両価格とは関係なく、人気の車両は盗難にあいやすい傾向にあるようです。

■【8位】トヨタ ハイエース (7件)

トヨタ ハイエース

ハイエースは海外で人気があり、盗難に遭いやすいという話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

前回調査の2018年11月の17件と比較すれば、大きく率を下げたものの、依然盗難にあいやすい車種には変わりないようです。レジャーユースからファミリーユース、本来の目的の商用車など使い勝手もよく、人気の高いモデルです。

販売価格は幅があり、235万~364万円という価格帯で販売されるハイエースは、高級車というわけではありませんが、中古車の値落ち幅が少なく、その人気の高さがうかがえます。現在販売される200系のカギもさまざまな種類があり、各々のカギ対策が必要になっています。

■【7位】レクサス RX (7件)

レクサス RX

2003年より発売される2代目よりハイブリッドがラインナップされる、SUVの中では熟成されたハイブリッドモデルがこのRXシリーズです。2009年以降は、それまでボディを共有していたトヨタ・ハリアーとは異なる車両として独立します。

RXのマーケットは幅広く、世界中のどこでも見ることができます。

例えば、海外への旅行番組を見ていても、海外ニュースを見ていても、ロケの後ろ側を通り抜けるRXを見ることができるレベルで走っています。

現行の新車販売価格が、524万円~796万円の高級SUVとして販売されており、人気が高いとなれば、対策は十分に講じたいモデルです。

■【6位】トヨタ ヴェルファイア (10件)

トヨタ ヴェルファイア

海外ではあまり見ない、日本独自のパッケージングといえる高級ミニバンというカテゴリー。海外では、クライスラー グランドボイシャー、シボレー アストロなどのミニバンがありますが、高級車というよりは、日本でいうところのハイエース系のイメージです。

トヨタ系のレクサスでは、高級ミニバンとして、海外ではLMというモデルがありますが、2,500万円前後の価格で販売されています。

そのベースとなる、アルファード、ヴェルファイアが人気になるのは言うまでもありません。豪華で煌びやかな高級ミニバンは海外でも人気のようです。

ヴェルファイア(1717台/2020.02)は、アルファード(5241台/2020.02)の売り上げの、およそ1/3となっていて、その差が盗難台数の差になっているともいえます。

■【5位】レクサス LS(14件)

レクサス LS

いわずと知れた、高級セダンです。販売価格もエントリーモデルで1,000万円を超え、最上級モデルでは、1,728万円となっています。

世界的には全長が5.0mを超えると「Fセグメント」というクラス(規格)に属します。Fセグメントには、ベンツ Sクラス、BMW 7シリーズ、アウディ A8といった有名どころから、マセラティ クアトロポルテや、ロールスロイス ファントムなども分類されます。

イギリス・ドイツ・イタリアの名だたるスーパーセダンが属するクラス帯であることから、憧れが出ない訳がないといえるでしょう。

技術の粋を集めて作っているメーカーフラッグシップモデルなので、セキュリティも使いまわしの古い技術が使われることは無いと言ってもよいでしょう。そういう車でも盗難にあってしまう状況です。できる対策は少しでもしたいところです。

■【4位】トヨタ アルファード(19件)

トヨタ アルファード

6位ヴェルファイアの姉妹車のアルファード。ヴェルファイア同様に煌びやかな高級ミニバンとして販売がされます。アルファードの売り上げは、ヴェルファイアのおよそ3倍でミニバンの中ではよく売れているモデルとなっています。

見た目以外に大きな違いが無い、アルファードとヴェルファイアですので、盗まれやすさ、目の付けられやすさという意味でも、同じと考えてよいでしょう。その販売台数の差が、そのまま盗難台数の差になっていると捉えられます。

トヨタとしても売れ筋車の人気車種だけに、最新の技術を搭載することでその付加価値を高める販売の仕方をしているように見受けられます。

セキュリティに関しても同じことが言えるでしょう。そういう車でも盗難に合ってしまう状況です。できる対策は、少しでもしたいところです。

■【3位】レクサス LX(25件)

レクサス系で最も多く盗難されたのがこのLX。それ以前までの調査ではレクサスとまとめられた集計でこまかな車種がわからないものの、トヨタ・ランドクルーザーのレクサス版としてよく知られています。価格はおよそ1,200万円。

80系ランドクルーザーから、レクサスLXが誕生しました。その後100系ランドクルーザーから高級志向が強まり、ランドクルーザー・シグナスを設定し、そのモデルがレクサスLXでした。そのV8を搭載したモデルが、オフロード界のセルシオと言われ、人気の原動力となります。

2000年からイモビライザーが標準装備になったランドクルーザーシリーズは、新しい車種だけ警戒すればいい車種とは異なります。その車にできる対策をしておきたいですね。

■【2位】トヨタ プリウス(39件)

トヨタ プリウス

実は高級車でもSUVでもないのに常に上位に食い込むのプリウス。トヨタがハイブリッドの先駆けとして販売しだした車種で、現在でもハイブリッド車の手本となる存在といえるでしょう。

2020年2月の販売台数は、前年比の63.4%に留まるものの、7518台で9位の売り上げ台数がありました。十分人気車といっていいレベルの売り上げを出しています。

ただし、プリウスが盗難のターゲットの中心だった頃に比べ、2017年11月の調査(62件)の2/3程度まで下がってきています。

その要因は、EVやFCVの存在で、かつてエコ志向で人気があり、ハリウッドスターがこぞって乗ったプリウスのポジションが、テスラなどのEVへと変化していることも要因のひとつでしょう。

■【1位】トヨタ ランドクルーザー(42件)

トヨタ ランドクルーザー 200系

直近3回の調査結果を見ても、トップ3内を譲らないのがこのランドクルーザー。ランドクルーザーだけでなく、弟分の「ランドクルーザープラド」もランドクルーザーとしてカウントされているので、実質2車種分ということもできます。

3位のレクサス LXも、ランドクルーザーのレクサス版といるため、世界的で相当の人気がある車種といえます。

盗まれやすい車の傾向

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盗まれやすい車の傾向としては以下のような車両が挙げられます。

人気SUV 高級ミニバン JDM(ジャパンドメスティックマーケット) 中古車価格が高騰している

JDMとは日本国内市場向けの車両、またはアジア圏に限った狭い範囲で販売される車両を意味します。

■国内外モデルで性能が違う場合がある

その理由はさまざまありますが、例えばJDMを例に説明します。日産 シルビアという車種に搭載されるエンジンは、国内仕様と北米仕様とで性能が大きく異なります。

国内仕様に搭載される「SR20」というエンジンは、スポーツカー用エンジンとして非常に高い支持を得ています。一方の北米仕様は「KA24DE」という、国内でキャラバンなどに搭載されるような、スポーツカーと縁遠いエンジンが搭載されます。

国内外ともに外観は同じスポーツカーであるのに、その心臓は全く異なる場合があります。これが、JDMが人気の理由で、盗難が増える理由のひとつと考えられています。

■中古車相場が急騰した場合は注意!

中古車相場で値段が急激に上がった車などは、注意したい車種です。 このように、リスクを負っても高く取引が行われる車種とは別に、車種に関係なくちょっとした油断が盗難につながるケースがあります。

盗難が発生しやすい都道府県

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警察庁のデータによると、2022年に発生した自動車盗難の都道府県別認知件数上位5府県は以下の通りです。

1位:愛知県(884件) 2位:大阪府(652件) 3位:千葉県(627件) 4位:埼玉県(606件) 5位:茨城県(587件)

自動車盗難の認知件数は上位5府県で全体の58.5%を占めています。

データからも分かるように、愛知県や大阪府、千葉県といった沿岸地域が上位にランクイン。また、内陸部である埼玉県や群馬県といった高速道路での交通アクセスが良い地域も続きます。

沿岸部で多く発生する理由として、解体してすぐに海外へ輸出できることが挙げられます。こういう状況になった場合は見つからないことが多い、ということは知っておいてもよいでしょう。

盗難されにくい車の特徴

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盗難されにくい車の特徴は以下の通りです。

盗難防止対策がなされている車 海外で需要が少ない、人気の低い車

盗難防止対策がなされている車

警察庁のデータによると、令和4年の自動車盗難に占めるキーなしの比率は全体の74.8パーセントと、4台に3台がキーなしの状態で被害に遭っているとされます。

しっかりと施錠してある場合でも盗難に遭う可能性があるのが現状ですが、盗難防止対策は盗難の抑止力となります。

自動車盗難を防止するためにできる対策は以下の通りです。

ステアリングロック、カーナビロックをする 駐車場に人感センサーライトがある  車の周辺に防犯カメラが設置してある  自動車用のカバーがかけてある  セキュリティ対策シールが貼ってある

参考:自動車盗難等の発生状況等について|警察庁 

■海外で需要が少ない、人気の低い車

日本と海外では道路環境や生活様式、文化的背景などが異なります。これらの事情から海外で需要があり、人気が高い車種がある一方で、需要の無い人気が低い車種もあります。

たとえば、ダイハツ・コペンやホンダ・S660のようなスポーツカー。日本製のスポーツカーと言えど軽自動車であるため、海外需要は少ないとされます。

需要がなく、人気の低い車種は窃盗してもお金になりません。海外で人気のない車種や部品の需要が少ない車種は窃盗されにくいと言えるでしょう。