新庄剛志監督(写真:アフロ)

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日本ハム・伊藤大海投手がSNS上で誹謗中傷の被害を明かしたことが、大きな反響を呼んでいる。

伊藤は2023年9月10日の西武戦(エスコンフィールド)に先発登板したが、自己最短の2回1/3で6失点KO。最下位に低迷するチームも5連敗を喫し、5位・西武と3.5ゲーム差に広がった。その登板後に、伊藤はインスタグラムのストーリーを更新。「インスタをする時間に練習しなさい」「ボールに頭を打たれて引退しなさい」など自身のSNSに届いた誹謗中傷のダイレクトメッセージ(DM)を公開した。

新庄監督「言いたいことがあるなら監督の僕に言ってこい」

決して看過できる問題ではない。「チームには申し訳ない内容で情けない投球した事は重々承知ですが...」と前置きした上で、「言っていい事と悪い事はあると思います。ファンの皆様の応援があってこそのプロ野球選手ですし 決して安くはないチケットで観戦に来て頂いている皆様には 時には厳しい意見を言う権利はあると思いますが 意見と感想。それと誹謗中傷は全く別物だと思います。選手も普通の人間です。フィールドで戦う心を持っていても 一歩外に出れば心に刺さってしまう言葉ももちろんあります。何より腹立たしいのは今まで育てて来てくれた両親 沢山のことを教えて頂いた指導者、関係者様を否定するように受け取られる言葉だと言うことです。絶対に許しません」と訴えた。

新庄剛志監督も怒りをにじませた。自身のインスタグラムを更新し、「かわいい選手たちに誹謗中傷しないでください。自分の子どもや家族が言われるとどう思いますか?『プロだから』『有名だから』何を言っていいわけではありません。言いたいことがあるなら監督の僕に言ってこい」と綴った。

スポーツ紙記者は「誹謗中傷している人間は、削除や通報されることを念頭に置き、自分の素性を明かさない『捨て垢』と呼ばれるユーザーアカウントで過激なメッセージを書き込んでいる。ストレス発散のはけ口にSNSを利用しているケースが多く、色々な選手に差別的な文言を書き込んでいる。犯罪の抑止力を高めるためにも、書き込んだ人間をスピーディーに特定できる制度作りが必要だと思います」と指摘する。

近年は、SNS上で誹謗中傷のメッセージを書き込まれたことを明かすアスリートが増えている。精神的なダメージを負わせる「目に見えない暴力」は断じて許されない。

(中町顕吾)