「高知県産超絶無名バンド」を称するバンド・sympathy(シンパシー)

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居酒屋で流れている曲が印象的だった。どんなプレイリストを再生しているのか、店員に尋ねたらこう返ってきた。

「私たちのバンドの曲なんです」

こんな予想外の出会いがX(旧ツイッター)で話題になり、バンドへの注目も高まった。J-CASTニュースは2023年9月5日、メンバーに反響への受け止めを尋ねた。

「私たちのバンドの曲なんです」

注目を集めたきっかけは、音楽好きなXユーザー・ぐっちょむさんが居酒屋でのエピソードを紹介したことだった。ぐっちょむさんは8月上旬、居酒屋で流れている曲が「すごい良かった」と気になり始めたが、曲を特定することができなかった。会計の時、店員に尋ねた。

「流れてる曲のプレイリストとかありますか...?」

店員は「えっと」としばし考えた後、レジの横に並んでいたCDを指さした。

「私たちのバンドの曲なんです」

店員が所属しているのは「高知県産超絶無名バンド」を称するバンド・sympathy(シンパシー)だった。取材に対し、ドラムと広報を務める門舛ともかさんは、尋ねられたメンバーの心境を次のように伝える。

「店では他の楽曲も流れているので、どの曲の事だろう?と戸惑う気持ちと、これを機会に聴いてもらえたらなという気持ちでした」

店の好意でバンドの活動を紹介してもらえた

sympathyのメンバーは、ギターボーカルの柴田ゆうさん、ギターの田口かやなさん、ベースの今井なつきさん、ドラムの門舛ともかさんの4人で構成されている。高校の部活で結成された。

門舛さんは「初ライブのコンテストでたまたま優勝し、地元のライブハウスでライブをしながらオリジナル曲を作り始めた」と振り返る。

大学に進学後、メンバー同士が遠距離となるも活動を続けた。2015年には、ビクターエンタテインメントのレーベル「CONNECTONE」から、ミニアルバム「トランス状態」でデビューを果たした。卒業後は上京し、都内のライブハウスなどで活動している。

居酒屋で働いているメンバーが、店にバンドで活動していることを伝えたことが、今回の出来事につながった。

「バンドをやっている事を店に伝えると、宣伝になればと店のご好意で飾って下さったのが始まりです」

店でのエピソードを伝えるぐっちょむさんのポストは「良い話」だと話題になり、現在までに8000件を超えるリポスト、6万7000件を超える「いいね」が寄せられた。

Xでは「聴いてみたら良かった」など、ぐっちょむさんの投稿を機にsympathyの曲を聞いたとする声が広がった。さらに「自分も同じ店でsympathyはまりました!」と同様の経験を伝える声もあった。

ぐっちょむさんの投稿について、門舛さんは「ぐっちょむ様の投稿がきっかけで初めてsympathyを知ってくださり、楽曲を聴いてくださった方が沢山いらっしゃり、反応も下さっているのでとても有難いです」と感謝する。ボーカルの柴田さんも自身のアカウントで「良い曲だってぇ〜うれちいねえ〜」と喜びを伝える。

「突然思ってもみなかった事から沢山の方に音楽が届いているので、驚いてはいますがとても嬉しいです。この機会にライブハウスや音楽に興味を持ってくださる方が増え、sympathyの揺れるロックが届いたらいいなと思います」(門舛さん)