紫苑Sに出走予定のエミュー(撮影:下野雄規)

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 今年からGIIに変更された秋華賞トライアル。昨年1着のスタニングローズ、一昨年1着のファインルージュ、20年4着のマジックキャッスル、19年3着のカレンブーケドールなど近年は後の活躍馬を多く輩出。以前の当レースは秋華賞との繋がりも薄く目立たないレースであったが、重賞に格上げされた16年以降でそのイメージは完全に払拭された。

1.より短い距離の実績に注目

 重賞格付け以降の7回で3着以内に入った21頭中、17頭にはマイル重賞で連対した実績、あるいは1600m~1800mの1勝クラス以上を制した実績があった。これに該当しない馬では、一昨年1番人気17着のエクランドール、20年1番人気9着のスカイグルーヴ、18年3番人気13着のサラス、17年2番人気6着のルヴォワール、17年3番人気9着のホウオウパフュームなど上位人気でも凡走するケースが多い。

2.距離延長組は苦戦傾向

 過去7回で、前走から距離短縮となる馬は[4-4-4-26]で連対率21.1%・複勝率31.6%、前走も2000mだった馬は[3-1-1-19]で連対率16.7%・複勝率20.8%なのに対し、距離延長となる馬は[0-2-2-49]で連対率3.8%・複勝率7.5%。より短い距離の実績は求められるものの、前走からのローテーションという観点では距離延長組は苦戦傾向。

3.控えてきた馬が優勢

 過去7回で、前走4角3番手以内だった馬は[2-1-2-36]で複勝率12.2%なのに対して、4角7番手以下だった馬は[2-4-4-38]で複勝率20.8%。中山2000mは牝馬にとってタフな条件であるから、先行して押し切ろうとするタイプは苦戦しがちなのかもしれない。

 エミューは中山芝マイルの未勝利、芝1800mのデイジー賞とフラワーCを勝っており中山適性が高い馬。桜花賞とオークスでは2桁着順に終わったが、今回のメンバーに入れば実績は上位で巻き返しに期待したい。