雨が降りやすい秋競馬 芝・ダート問わず悪い馬場状態を苦にしない種牡馬とは?
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬
【ミスタープロスペクター】
アメリカ史上最強馬の一頭と評価される米三冠馬セクレタリアトと同じく1970年に誕生し、現役時代は重賞で2着2回、3着1回という成績。しかし、種牡馬としてはセクレタリアトをはるかに上回る成功を収めました。
最大の武器はスピード。時計勝負に強く、産駒はアメリカのダートだけでなくヨーロッパの芝でも次々とビッグレースを制覇しました。ダッシュを利かせて先行するレースができる一方、折り合いがつけば終いに鋭い脚も使えるタイプで、2~3歳戦で本領を発揮しました。この血が入ると素軽さが増すため、たとえばサドラーズウェルズのような重厚な血には、ミスタープロスペクターを併せ持つ配合パターンが有効です。
すでに誕生から半世紀以上が経過し、代を経ることで直系子孫は距離をこなすものが主流となりつつあります。北米ではファピアノを、ヨーロッパではドバウィを経たラインが活発に系統を伸ばしており、日本ではキングカメハメハ系がサンデーサイレンス系に対抗する一大勢力となっています。
◆血統に関する疑問にズバリ回答!
「雨が降ると成績が向上する種牡馬は?」
芝・ダートを問わず、雨が降って馬場コンディションが悪化すると成績が向上する種牡馬はミッキーアイルです。
芝・ダートそれぞれの馬場コンディション別連対率は以下のとおり。
【芝】
良・稍重=17.1%
重・不良=23.7%
【ダート】
良・稍重=18.1%
重・不良=23.4%
芝もダートも、馬場コンディションが悪化すると明らかにパフォーマンスが上がります。これから秋雨前線が活発化し、雨模様の開催が増えるはず。ミッキーアイルは狙って損のない種牡馬といえるでしょう。
ちなみに、これと真逆の傾向を示すのがヘニーヒューズとドレフォン。芝・ダートを問わず乾いた馬場コンディションのほうが走るタイプです。