セントウルS出走予定のアグリ(撮影:高橋正和)

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 本記事ではnetkeibaオリジナルAIが推奨する本命候補3頭を特筆すべき過去の傾向とともにご紹介します。

 今週の重賞競走は土曜日に紫苑S(GII)、日曜日に京成杯AH(GIII)とセントウルS(GII)が行われます。その中から阪神競馬場で行われるセントウルSを取り上げます。まずは過去の傾向から。

 過去10年のセントウルSにおける、前走距離別成績です。前走1200m以下に出走していた馬が6勝2着8回3着7回と良績を残しています。ただし、過去10年のセントウルSの出走馬146頭の内、111頭が前走1200m以下から参戦していましたので勝率5.4%、連対率12.6%、複勝率18.9%と各数値はそれほど高くありません。

 前走1200m以下に出走し、そのレースで5着以内に入った馬に限れば6勝2着6回3着4回となり勝率11.3%、連対率22.6%、複勝率30.2%に上がります。前走1200m以下の馬を狙う場合はその時の着順は必ずチェックしたいところです。

 そのほかの距離では意外にも前走1600mに出走していた馬が3勝2着2回3着2回と好成績を収めています。勝率15.8%、連対率26.3%、複勝率36.8%となっていますし単勝回収率や複勝回収率は100%を大きく上回る数値となっているので注目して損はないと言えるのではないでしょうか。

 続いては、前走4角での位置取りです。過去10年のセントウルSにおいて、前走4角10番手以内の馬が8勝2着6回3着7回と結果を残しています。過去10年のセントウルSでは4角10番手以内の馬が10勝2着9回3着9回と圧倒していますので、前走で同じような競馬をしている事が好走条件と言えそうです。これは開幕週の馬場で行われる事が要因と言えるでしょう。

 過去10年のセントウルSは13年から19年までが阪神、20年から22年までが中京と競馬場の違いはありますが、どちらも開幕週に行われています。開幕週の馬場コンディションは良好な事が多いため、ある程度の位置から運ぶ馬が有利となる事がこの結果を生んでいると考えられます。

 それでは早速ですが、今週のセントウルSでAIから導き出された月曜日時点での本命候補3頭をご紹介します。

◆スプリント戦線での覇権目指す

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 今年のセントウルSが行われる阪神ではGIとハイペースに巻き込まれて敗戦を喫した22年のスワンS(GII)を除けば複勝率100%と得意にしているコースであり、前走からの条件替わりはプラスに働くはずです。この阪神では21年にアーリントンC(GIII)を勝っていますし、22年マイラーズC(GII)や21年阪神C(GII)で2着とハイレベルなレースでも結果を残しています。

 今回、初めての芝1200mへの出走となりますが、これまで先行力を活かして実績を積み重ねてきていますので、スピード負けする事はないはずです。前走の中京記念(GIII)では大敗していますが、これは海外遠征からの帰国初戦でしたので参考外と言えます。得意なコースでスピードを存分に生かせるこの舞台なら見直す手はありそうです。

アグリ

 22年8月の札幌で行われた1勝クラスで勝利を挙げると、そこから4連勝で阪急杯(GIII)を制し重賞ウイナーの仲間入りを果たします。近2走は結果を残せていませんが2走前の高松宮記念(GI)7着は不良馬場に苦しんだ事や直線での不利も重なった事が敗因ですし、前走のチェアマンズスプリントプライズ(G1)5着は世界の強豪が相手だった事を考えれば健闘しており悲観する結果ではありません。

 今回は仕切り直しの一戦となりますし、目標にしているであろうスプリンターズS(GI)へ向けてきっちりと結果を残したいところです。この中間は坂路を中心にしっかりと乗り込まれており、1週前の坂路では好時計をマークし仕上がりにも不足はなさそうですし、力通りの走りに期待ができそうです。

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 デビューから7戦は未勝利でしたが、8戦目に初めて芝1200mへ出走すると先団から鮮やかに抜け出し初勝利を挙げます。それからは全て芝1200mへ出走し4戦3勝2着1回の成績を残しオープン入りを果たしています。特に前走のTVh杯(3勝クラス)では4角で内の馬が外へ張り出してくる不利がありながらも、直線ではそれを感じさせない伸び脚で勝利。2着とはクビ差でしたがその着差以上の強さを感じさせるレース内容でした。

 今回、初めて重賞に出走、しかもいきなりGIIのメンバーが相手となります。3勝クラスを勝ったばかりの馬がいきなりGIIに挑戦するのは、それだけ陣営の期待度が高い証拠とも言えます。ここで結果を残せれば一躍スプリント路線の主役に踊り出る可能性もありますし、短距離戦線の新星誕生に期待したいところです。