犬に襲われそうになった飼い猫を守ろうとした女性に「俺の犬に触るな!」と叫んだ男。逆切れし、女性を襲うよう犬に指示した(画像は『Daily Record 2023年8月2日付「Woman left covered in blood after thug ordered dog to ‘get her’」(Image: Cleveland Police)』のスクリーンショット)

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このほどイギリスで、飼い犬に女性を襲うようにけしかけた男の裁判が行われた。2年前に起きたこの事件だが、男は当時10代だったという。犬に襲われた女性は腕を負傷し、かなりのトラウマを抱えることになった。英ニュースメディア『Daily Record』などが伝えている。

英ノースヨークシャー州のティーズサイド刑事法院で現地時間1日、同州エストン在住のジャック・ニュートン(Jack Newton、20)に有罪判決が下った。ジャックは2021年7月5日、飼い犬に女性を襲うようにけしかけて相手に大怪我をさせていた。

当時、10代だったジャックは、大型犬のベルジアン・シェパード・ドッグ・マリノアを連れてエストン市内にある農場の近くを散歩していた。その途中で犬が突然、農場内の馬小屋に向かって走り出し、近くにいた猫に襲いかかろうとした。その場にいた猫の飼い主である農場主の女性は、猫を守ろうとし、ジャックに犬を制するよう叫んだ。

しかしジャックは聞く耳を持たなかったため、女性は犬の首輪を掴んで止めようとした。するとジャックは「俺の犬に触るな!」と叫び、「アイツをやれ!」と犬に指示した。ジャックが命令を出した直後に犬は女性の右腕に噛みつき、女性の腕からは大量に出血したという。

ジャックは怪我をした女性に見向きもせず、犬を連れて車でその場から立ち去った。女性はレッドカー緊急治療センターで治療を受けたものの、腕の怪我により6週間も車の運転ができず、病院に通うたびにタクシーを使わなければならなかったそうだ。

また、農場での仕事も人の助けが必要な状態だったという。今回行われた裁判で、検察官のジョナサン・ギッティンズ氏(Jonathan Gittins)は被害に遭った女性について「彼女は『怯えて恐怖を感じたままだ』と話しています。また襲われるかも知れないため、安心して犬の散歩や馬を先導することができないのです」と述べた。

そして女性が犬に襲われてから9か月ほど経った昨年4月頃、もう一つの事件が発生した。ジャックは「気分が落ち込んでいた」という理由で元交際相手の女性に連絡を取り、久々の再会で2人はドライブに出かけることになった。

ところがジャックは運転中の女性を怒鳴り続けて「車を取り上げる」と脅し、手の甲で彼女の顔を殴って唇に打撲傷を負わせたうえ、車のキーを抜き取ろうとした。さらにジャックは助手席から手を伸ばしてハンドルを掴んだため、車はコントロールを失いタンクローリーと接触した。

女性が車を停止させてタンクローリーの運転手と話し合いをしている間、ジャックはその場から逃げ去ったという。女性は警察に通報し、ジャックは暴行と脅迫の容疑でクリーブランド警察によって指名手配されることとなった。

後日、ジャックから連絡を受けた元交際相手の女性は「警察に供述した内容を撤回しなければ恐ろしい目に遭うぞ」と彼から脅迫されたそうだ。法廷でジャックは当時について「ドライブ中に彼女に殴られ、目の周りが黒くなった」と主張していたが、女性はこれを真っ向から否定した。

指名手配後にジャックは逮捕され、昨年12月から刑務所に拘留されていたが、このたびの裁判で興奮状態の犬に命令して女性に傷害を負わせたこと、実際の身体的傷害を伴う暴行、器物破損及び証人に対する脅迫を認め、懲役20か月、執行猶予2年の判決が下され、すでに釈放されている。ジャックは釈放後、150時間の無報酬労働に加え、被害者の2人の女性への接近や接触を禁じられている。また、ジャックが飼っていた犬は彼の両親が管理し、家の外に出る際は口輪をつけるように指示された。

画像は『Daily Record 2023年8月2日付「Woman left covered in blood after thug ordered dog to ‘get her’」(Image: Cleveland Police)』『The Mirror 2023年8月2日付「Teen shouted ‘get her’ as his dog viciously attacked woman defending her pet cats」(Image: Newcastle Chronicle)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)