時給１０００円台の見通しも現場は人手不足。影には１０６万円の壁「中小は賃上げもきついし、人手もない」
7月28日の大竹まことゴールデンラジオでは、毎日新聞の「人手不足の中の賃上げ 雇用阻む「年収の壁」 企業は価格転嫁」という記事を取り上げ、大竹と青木がコメントした。
毎日新聞によると、最低賃金の引き上げ幅は過去最大となって全国加重平均で1000円台となる見通しだが人手不足は深刻だ。就業調整の背景にあるのが、パート労働者の年収106万円を超えると社会保険料の負担が生じて手取りが減るという年収の壁の存在だ。働く人の中には時給が上がったとしてもこの壁を超えないよう、就業調整する人もおり、人手不足に拍車をかけかねない。一方、人件費が膨らむのは、中傷零細企業にとっても死活問題で賃上げがなかなかスムーズに雇用を解消とはいかないという現状だ。
このニュースを受けて、大竹、青木、室井が次のようにコメントした。
大竹「総理が1000円にしますみたいなこといってるけど、1000円なんかじゃ追っつかねぇよと。1000円にしたってパートで働いてる人は月調べたら、フルタイムで13万5000円ぐらいにしかならないっていう記事もあった。1000円って胸張ってるけど、1000円にすると逆に106万円の壁でそこを突破しちゃうと、社会保険料が上がっちゃう。たとえ時給が1000円になって上がったとしても、そんなにたくさん働くとかえって損しちゃうみたいなことになって、それが人手不足に拍車をかけてるっていう。もろ悪循環だね。どうしましょう」
青木「ご存じの方が多いと思いますけれど、先進国の中で最低賃金が1000円を下回っていたのは日本だけで、韓国なんかももう1000円超えてますので、そのあたり本当に最低賃金はどうするのか。それからこの毎日新聞の記事書いてるんですけど、逆にこの人件費が広がる膨らむと本当に頑張ってる中小零細企業、特にこの記事では紹介してますけれども、中華料理店なんかは、逆に今度店が立ち向かなくなっちゃうんじゃないかっていうような苦しみもあるようなので、この辺り非常に難しいですけれども、やっぱり賃金を上げていくっていうのは今この国の一番の課題ですよね」
室井「そういうところにこそ、予算って使うべきなんじゃないの？中小企業が大変になるっていうんだったらそういうところに使えばいいと思わない？だって超少子高齢化に対しての薬って、多分こういうことからだと思う」
大竹「吉本ばななさんという方がちょっと書いててちらっと読んだんだけど、街はどうなるかっていうと個人商店が消えてなくなっちゃう。浜松町の駅前もそうですけど、大手の名前のあるところだけがいろいろなお店が出る。そうなってくると小売業のお店はなくなっていっちゃいますね。何がなくなるかっていうと町の毛細血管みたいなものがなくなっていくと。町の毛細血管ってどういうことかというと、3日同じ八百屋さんに通ったら今日はおいしい大根入ってるよとか、これでなんとかするからみかんがおまけだよとかって、それが町だったんです。個人商店っていう町の毛細血管が無くなったら、この先どうなっていくんだろうって」
室井「やっぱり嫌だよね。どこに行っても同じ店が並んでたら。個人商店の特色があることってすごく大事だよね」
青木「都市部もそうなんでしょうけれど、特に地方なんかはそうで、多分振り返ると本当にその歴史は長くて大規模店舗小売法みたいなものがアメリカの圧力なんかで入ったりとかして、あるいはそのチェーン店だったりファーストフードみたいなものが急速に発展していったことによって、特に地方なんかだと国道のところに大きなスーパーができたりとか、ファストフードができたりとかして、昔ながらの駅前の商店街だったりとか小売業だったりとか、あるいは、飲食店なんかがどんどんどんどん空洞化していってシャッター街になっちゃう。結果的に、地方は高齢化してるわけじゃないですか？高齢化してるとみんな車がないと生きていけないのに、高齢化して車を持つこともできない。運転できない。さあどうするんだ買い物にも行けないじゃないかっていうような状況になっているっていう悪循環もある。小売業とかあるいは、個人飲食店が毛細血管だってもまさにそうだし、日本全国どこ行っても同じ風景ばかりになっちゃったっていうのもね」
大竹「新幹線の駅を降りると、ここどこの駅だっていうぐらい変わり映えがしないことが近頃多いよね」
青木「地域地域の食だったり風土だったり文化みたいなものも均一化していくっていうところもあるし、かといって、地元の人が暮らしやすいかっていうのは非常に暮らしにくくなっているところもある」
