「ちょっと多いな」球界OBが注目する岡田阪神で守護神問題以外の「懸案事項」とは

写真拡大

岡田監督の今後の舵取りも注目となりそうだ(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 阪神が痛すぎる逆転負けを喫した。

 阪神は15日のオリックス戦(甲子園)に2−3と敗れた。1点リードの場面で出た守護神・湯浅京己の乱調が誤算。これでチームは3カード連続負け越し、2位のDeNAに3ゲーム差に迫られた。

 満員の甲子園球場に阪神ファンの悲鳴が響いた。

 2−1で迎えた9回、湯浅は一死から4番・頓宮裕真に甘いフォークを振り抜かれた。左翼席へ飛び込む同点ソロを許すと、さらに二死から今度は杉本裕太郎に150キロ速球を捉えられ、勝ち越しソロを浴びた。1イニング2発、あまりの衝撃に湯浅はマウンド上でひざまづき、「嘘だろ…」とつぶやくシーンが映し出された。

【動画】不安定な投球が心配される湯浅、この日、2本目となるホームランを杉本から被弾したシーン

 試合を託した守護神が打たれ、注目集めた関西ダービーで痛すぎる星を落とした。試合後、岡田彰布監督は湯浅の二軍再調整を決めた。

 今春のWBCにも出場した湯浅はシーズンに入って4月16日に右腕のコンディション不良で1度、登録抹消となっていた。時間を使って5月26日に再登録していたが、この試合含め直近5試合で3度の救援失敗と最近は不安定な投球が続いていた。

 岡田阪神の目玉構想の一つであった「守護神・湯浅」が崩れることで、当面は昨年も守護神を務めた岩崎優が9回を務めることが予想されるが、「勝利の方程式」の再構築が求められそうだ。

 またこれで3カード連続負け越しと、特に交流戦に入ってから失速モードとなっているチームでは気になる兆候も指摘されている。

 現役時代は大洋(現DeNA)で活躍。引退後は日本代表コーチも務める、野球解説者の高木豊氏は、16日に更新した自身のユーチューブチャンネルで阪神の戦いぶりについて触れている。

 この3連戦の各球団の戦いを振り返る企画の中で同氏は阪神のエラーの多さに着目。特に3連戦初戦ではオリックスエース、球界最高峰右腕・山本由伸との対戦の中で、チームが今季最多の3失策を記録したことで「ちょっと多いな」と感想をのべた。

 続けて「少し疲れもきているんだろうし、ちょっとエラーも増えてきたなという感じもする」とチーム全体に気になる兆候が現れているとした。

 13日の試合では三塁でスタメン起用された渡辺諒が2失策、大山悠輔にも失策が記録された。14日の試合でもミエセスに失策が記録、チームはここまで交流戦では12球団ワーストとなる「14失策」を記録している。投手力が売りのチームにおいては守備面を堅くして、少しでもほころびを防ぎたいところではある。

 交流戦期間中は、雨天中止の影響も受け、移動ゲームも含め、今月3日から11日まで9連戦などハード日程も話題となった。まもなく交流戦も終了、再びリーグ戦に突入する。今1度、攻守ともに立て直したいところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]