米国Hexagon Safety, Infrastructure & Geospatial division(Hexagon)と富士通は6月13日、昨年6月に締結した提携に基づき、災害に強い安心安全な街づくりを支援するため、デジタルツイン技術を活用し、自然災害の被害を予測し可視化するユースケースと交通事故の危険性が高いスポットなどを改善策とともに提示するユースケースを共同開発したことを発表した。

ユースケース1:自然災害の被害を予測し可視化(左:高度な洪水予測による災害状況の可視化、右:施設被災予測状況を一元管理)

両社は、世界的な持続可能性の課題解決に向け、ドイツのミュンヘン市など複数の都市で実施してきたシェアド・モビリティの実証実験を経て2022年6月、デジタルツイン技術領域での提携を発表した。同提携により、CO2削減やリアルタイムでの交通情報や災害時の状況把握などといった、持続可能性に関する社会課題を解決するユースケースの構築や、ユースケースを実現するためのソリューションの提供を行っている。

今回発表した自然災害の被害を予測し可視化するユースケースでは、降水量データから洪水氾濫の範囲や影響を計算することで浸水範囲を可視化し、被害予測分析を行う予測モデルを共同開発するとともに、分析した被害予測をもとに両社が地域の災害対策本部や災害拠点病院における災害対応計画の策定などを支援するという。

ユースケース2:交通事故削減に寄与(交通事故データの可視化・分析)

交通事故の削減に寄与するユースケースでは、交通量や道路設計などの要因から衝突事故が発生しやすい危険性の高いスポットを特定したのち、改善策を提案するアプリケーションを両社で共同開発し、行政・自治体、道路サービス事業会社の都市計画担当者や道路管理者における交通計画の策定などを支援するとしている。

今後、サービス化に向けて、同ユースケースを基に様々な顧客と実証実験を行い、得られた知見を活用し機能強化を図るとともに、気温や雨量を観測する気象IoTセンサーや天気予報サービスと連携し、異常気象や自然災害発生時の安全な避難経路の確保やインフラ保護の支援を目指すという。