キッチンの面積がわずか3畳でも、独立したパントリーがなくても、使いやすくて快適なキッチンはできます。5年前に注文住宅を建てた日刊住まいライターが、自宅キッチンに盛り込んだ工夫の数々を紹介。コンロ脇につくった収納、シンク下のゴミ置き場…。狭くても使いやすく、いつも片づくすっきりとしたキッチンです。

小さめキッチンにパントリー風収納をプラス!

筆者は夫と2歳になる娘の3人家族です。5年前に地元の工務店で建てたわが家の間取りは、1階にLDKと水回り、2階に寝室と子ども部屋があります。

延床面積は26坪と小さく、キッチンのスペースは3畳程度しかありません。独立したパントリーに憧れがありましたが、延床面積から考えるとつくるのは不可能。

そこで、代わりに収納空間を増やし、快適な動線になるように工夫しました。

 

ワークトップの幅は2250〜2750mmが一般的ですが、わが家は小さめの2100 mmを採用。その分、コンロ横に家電収納とパントリーを兼ねた収納スペースをつくりました。写真左側にある、柱のように見える部分。じつは、ここが収納になっています。

ダイニングからは死角になっているため、この収納スペースの中身は見えません。生活感がうまい具合に隠れます。

冷蔵庫はあけたときの奥行きや、家族みんなの取り出しやすさも考えて、あえて、キッチンの入口そばに設置しました。

 

コンロ横のパントリー風収納の中段は調理家電の指定席

コンロ横の収納スペースの様子。家電収納とパントリーを兼ねています。

 

中段は調理家電の指定席に。あらかじめコンセントも設置しています。

固定する家電のコンセントは奥に、手前の側面にもコンセントを設置することで、ブレンダーやハンドミキサーを、壁側にあるカップボード上部の作業台で使えるようにしています。

炊飯器の棚はスライドレールになっており、水蒸気対策も。レンジの棚は耐荷重を考慮して、補強しています。

 

上段と下段は常温保存の野菜や日用品のストックに

調理家電を置いているコンロ横の収納の上下の部分は、パントリーとして利用。常温で保存する野菜や日用品のストック、保存容器などを収納しています。しかし奥行きが深いため高い所は手が届きにくいです。

そこで現在はIKEAのSKUBB(スクッブ)、無印良品のファイルボックス、100均の取手つきカゴを取り入れて、踏み台を使わなくても取り出せるよう対策しています。

シンク下にゴミ箱を。「片づけ→捨てる」の負担軽減に

シンク下には、設計時にゴミ箱を置けるスペースをあけて欲しいと依頼。キッチンの施工業者には、「収納量が減りますがいいですか?」と確認されました。でも、ここにゴミ箱を収めることで、「片づけ→捨てる」の動線がコンパクトに。迷いはありませんでした。

ちなみに減った分の収納スペースは、壁面にカップボードをつくることで解決。上部で作業もできるよう、腰の高さに抑えたので、狭い空間でも圧迫感はありません。

ゴミ箱スペースには、「KEYUCA(ケユカ)」の「キッチン用ゴミ箱27L(幅220×奥行410×開口時の高さ600mm/税込4191円)」を並べて置いてもすっぽり収まる広さ。ケユカのゴミ箱はフタが両開きでコンパクトなため、わが家のキッチンにもぴったりでした。

 

お気に入りの食器が見える工夫で気分も上がる!

キッチンの背面は、食器を飾りながら収納できる棚と、引き出し収納のカップボードで、見せる収納と実用性を兼ねました。

収納量を考えれば壁一面の戸棚の方が向いていますが、お気に入りの食器がいつでも見える、気分が上がるキッチンであることも重要でした。

 

狭さが便利さアップに。5年使っていても快適!

狭いスペースですが、通路は95cmと広めに。背合わせで作業していてもお互いがぶつからず、忙しい朝は協力して朝食をつくれば時短になります。

背面カップボードは奥行60cm。上の部分は作業台として広々使えて便利です。キッチン本体が小さめでも、このスペースがあることで作業がスムーズに。1、2歩動けば家電にも食器にも手が届き、料理の動作が簡潔になって料理をするのが楽しく、ラクになりました。

筆者は狭いキッチンでも、収納や動線をあらかじめ決めておくことで、便利さがアップし、生活感を隠すことができました。使い勝手もよく、5年暮らしてきた今も満足しています。