車に乗せて移動できる安価で自作可能な大気汚染測定デバイス「Flatburn」をMITの研究チームが発表、一般市民が大気汚染データを収集できるように
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大気汚染は人間の健康に深刻な悪影響を及ぼしており、世界保健機関(WHO)は世界人口の99%以上は基準値以上に汚染された空気を吸っていると報告しています。そこでマサチューセッツ工科大学・Senseable City Labの研究チームが、人々が大気汚染をより広く追跡できるようにするため、安価なオープンソースの移動式大気汚染測定デバイス「Flatburn」を発表しました。
https://doi.org/10.1016/j.atmosenv.2023.119692
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GitHub - MIT-Senseable-City-Lab/OSCS: This is the official repository for Flatburn: the open source City Scanner
https://github.com/MIT-Senseable-City-Lab/OSCS
Low-cost device can measure air pollution anywhere | MIT News | Massachusetts Institute of Technology
https://news.mit.edu/2023/low-cost-device-can-measure-air-pollution-anywhere-0316
MITの研究チームが開発した移動式大気汚染測定デバイス「Flatburn」の写真が以下。車両の屋根に設置してさまざまな場所に移動することが可能で、電力は太陽光発電でまかないます。データはデバイスに搭載されたカードに保存され、リモートでアクセスできるとのこと。
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Flatburnは安価かつ3Dプリントも可能な部品で構成されており、組み立て方法や使用方法、データの解釈に至るまですべての情報がGitHubで公開されています。組み立てのガイドブックでは、各パーツをどのように組み合わせればいいのかが写真入りで説明されています。
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研究チームは2017年に、マサチューセッツ州ケンブリッジのゴミ収集車に配備される移動式大気汚染測定デバイスのプロトタイプを構築し始めました。プロジェクトはニューヨーク市とボストンにも拡張され、2021年にはニューヨーク市に展開された5台の測定器を使用し、4週間で160万ものデータポイントを収集して最先端システムと性能を比較しました。
分析の結果、安価な移動式大気汚染測定デバイスはPM2.5や二酸化窒素の濃度測定において、最先端システムには及ばないものの十分に信頼できる結果を生成できることがわかりました。研究チームのAn Wang氏は、「数カ月間にわたる追跡の結果、低コストの測定器は標準的な測定器と同様に動作すると自信を持って言えます」「オープンソースでFlatburnをリリースすることで、市民グループや発展途上のコミュニティが私たちのアプローチに従い、知識を構築して共有できるようになります」と述べています。
Senseable City Labの研究者であるSimone Mora氏は、「私たちは世界中でいくつかの試験運用を行い、収集したデータが環境科学の観点から堅牢(けんろう)であることを確認するために、ハードウェア・ソフトウェア・プロトコルを含む一連のプロトタイプを改良してきました」とコメントしました。
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Flatburnには、車に乗せて移動しながら使用した場合の寿命が6カ月ほどであることや、経年で検出器の精度が徐々に悪化することなどの問題もあります。それでも研究チームはFlatburnがうまく機能すると考えており、GitHubには行政や利害関係者と協力し、測定結果を基に行動に移すためのガイダンスも含まれています。
Senseable City LabのディレクターであるCarlo Ratti氏は、「私たちの目標は、地域団体や市民が地域の大気汚染を測定し、その原因を特定して、理想的には行政や関係者とフィードバックループを作り、よりクリーンな環境を作り出すことができるようにすることです」とコメント。Mora氏は、「コミュニティと関わり、汚染源を振り返ることは非常に重要です「私たちは人々がデータを分析し、コミュニティや当局者と関わるスキルを持ってほしいと思っています」と述べました。
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