黒木瞳の健康美は睡眠から生まれる。レム睡眠の重要性を研究医が解き明かす
私たちの生活において、睡眠は食事・運動と並んで健康の基礎となるものです。その重要性は周知の事実ですが、まだまだ科学的に解明されていないことも多いようです。「レム睡眠・ノンレム睡眠とは何なのか」「夢を見ることの真意とは」「睡眠不足が、心身にどのような悪影響をもたらすのか」など、生活の一部である睡眠だからこそ、知っておくと健康づくりに役立つことも多いのではないでしょうか。そこで今回は、“超朝方人間”の黒木瞳さんと睡眠が体に与える影響について、筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構 機構長である柳沢正史先生とともに考えていきます。
インタビュー:
黒木瞳(女優)
宝塚歌劇団に入団2年目で、月組娘役トップとなる。テレビ、映画、舞台で活躍。これまでの映画作品において、WEIBO ACCOUNT FESTIVAL2022最優秀主演女優賞受賞。2023年公開の映画「魔女の香水」では主演を務める。近年は映画監督として4作品を手がけたり、舞台演出などのエンターテイメントの世界で幅広く活躍中。第四詩集となる「夢の水たまり」を出版したばかり。
監修医師:
柳沢正史(医師、筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構 機構長)
筑波大学医学専門学群・大学院医学研究科博士課程修了。1991年に31歳で渡米、テキサス大学サウスウェスタン医学センターとハワードヒューズ医学研究所にて、2014年まで24年にわたって研究室を主宰した。2010年に内閣府 最先端研究開発支援プログラム(FIRST)に採択され、筑波大学に研究室を開設。2012年より文部科学省世界トップレベル研究拠点プログラム 国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-ⅢS)機構長・教授。2017年、筑波大発のスタートアップベンチャー企業「株式会社S’UIMIN」を起業。2021年よりムーンショット型研究開発事業のプロジェクトマネージャーを務める。
柳沢先生
事前に黒木さんには、自分の睡眠タイプを調べることができる「朝型夜型質問票」に答えていただいたと思うのですが、結果は「超朝方」でしたね。
図1:黒木瞳さんの朝型夜型質問票結果
黒木さん
「超朝方」の人は少ないのですか?
柳沢先生
はい。朝方でも夜型でもない、「中間型」の人が一番多いですね。朝方、もしくは夜型に移行してくと人数は少しずつ減っていきます。最近の睡眠状況はいかがですか?
黒木さん
撮影で朝早くから深夜までの仕事が入ると、睡眠が不規則になることもありますね。
柳沢先生
何時に寝て、何時に起きますか?
黒木さん
仕事がないときは遅くても9時までには寝て、朝は4~5時の間には起きます。
柳沢先生
筋金入りの朝型ですね。若い頃から、生活は朝方でしたか?
黒木さん
10代の頃は、深夜に勉強したりしていたので夜型だったと思います。規則正しい舞台の世界に入った時は、それに合わせて睡眠も取るようにしていましたね。その後、女優になってからは撮影に合わせなければならないので、睡眠も不規則になっていったと思います。
柳沢先生
舞台をやっていた頃は、朝方の生活に合わせるトレーニングはしましたか?
黒木さん
トレーニングは特にしませんでしたね。感覚的に朝の方が何をするにもはかどるので、自然に朝方になっていったと思います。早起きは三文の徳とも言いますし。
柳沢先生
朝型や夜型は、トレーニングをすることで社会に合わせていくことは可能です。しかし、生まれつきの遺伝子で決まっている一種の体質なので、極端に変えることは出来ないと考えられています。
黒木さん
朝方や夜型は、遺伝で決まっているんですね。
柳沢先生
はい。それだけではなく、年齢によっても変化します。(図2)横軸が年齢を表しています。縦軸は上にいくほど夜型、下に行くほど朝型です。この図を見ていくと、10歳の子どもは朝方で、思春期から20歳にかけて急に夜型になっていきます。その後、30~80代と年齢とともに、徐々に朝方に戻っていきます。
図2:年齢別朝型夜型分布
黒木さん
朝方や夜型はそれぞれ、健康面に影響などはありますか?
柳沢先生
例えばメンタルの不調やうつ病については、朝方の人でリスクが低下すると言われています。理由は明らかになっていませんが、社会は基本的に朝型の人に有利にできているので、ストレスの影響を受けにくいことも要因と考えられています。
黒木さん
実は、私も30歳くらいの時に蕁麻疹が出て、心療内科を受診したことがありました。その時、医師にはストレスの中でも特に、時間に関係するストレスが原因だと言われましたね。
柳沢先生
生活スタイルの変化が、ストレスに繋がったのでしょうね。
黒木さん
そうですね。1日って朝から始まるけど、撮影は朝も夜も関係ないじゃないですか。夜の仕事がある時は、日中もずっと緊張をしているので、かなりストレスを感じていましたね。朝方や夜型という体質は遺伝で決まるということは、改善方法はないのでしょうか?
柳沢先生
体質自体を変えることは、難しいと思います。ただ、夜型の人は体内時計が遅れやすいので、それを予防するような生活習慣を意識したほうが良いと思いますね。
黒木さん
具体的には、どのような方法がありますか?
柳沢先生
体内時計は目から入る光によって調整されているので、朝に明るい光を浴びることが最も大切ですね。逆に日が暮れてからは、明るい光を浴びないように早めに照明を暗くするなど、環境を整えることも大事ですね。
黒木さん
目から入る光の量やタイミングを、意識することが大切なのですね。
柳沢先生
その通りです。ところで黒木さんは、睡眠に関する悩みは何かありますか?
黒木さん
ないです。
柳沢先生
途中で起きることもないですか?
黒木さん
よほどのことがない限り、起きないです。夜中に必ず3回起きるという知人がいるのですが、睡眠との関係は何かありますか?
柳沢先生
何歳ぐらいの方ですか?
黒木さん
60代の方です。
柳沢先生
実は睡眠は、年齢とともに変化していきます。正常な加齢による睡眠の変化について解説していきますね。赤ちゃんは1日中眠っていますし、子どもの頃のほうが睡眠量は多いですよね。
黒木さん
はい。そのイメージはありますね。
柳沢先生
そのあとは、高校生~大学生と徐々に睡眠量は減り、大人になると1日あたり平均7時間で落ち着いてきます。
黒木さん
その後の変化は、どうなるのでしょうか?
柳沢先生
(図3)上が若年者、下が高齢者の睡眠パターンです。グラフは全体的に左に移動しているので、高齢者は早寝・早起きになっていきます。また、グラフの赤い部分が「中途覚醒」と言い、自分では覚えていなくても、脳が途中で起きる時間帯が増えていきます。
図3:健常な加齢による睡眠の変化
黒木さん
途中で起きている回数が多いですね。
柳沢先生
その通りですね。それから下の青い部分が深い睡眠です。若年者は、夜の前半に深い睡眠が多くなります。この深い睡眠は、高齢になると少なくなっていきます。
黒木さん
深い睡眠は、かなり減っていますね。
柳沢先生
そうですね。そして、緑の部分はレム睡眠です。夢を見る睡眠ですが、それも高齢者になると少しずつ減っていきます。睡眠自体も不安定となり、浮き沈みが激しくなりやすいです。
黒木さん
年齢を重ねていくと、覚醒も頻回になりトイレにも行きたくなるということですね。
柳沢先生
そうですね。黒木さんのお知り合いの方も、年齢に伴う睡眠の変化があるのだと思います。
黒木さん
よく分かりました。年齢に伴う睡眠の変化がある中でも、できるだけ良質な睡眠をとる方法は、何かありますか?
柳沢先生
睡眠は減点法で考えることが重要ですね。
黒木さん
減点法って何ですか?
柳沢先生
良質な睡眠をとる上で、万人に共通する方法はほとんどありません。しかし、睡眠を悪くする要因はいろいろあるので、その要因を一つずつ潰していくことが大切です。
黒木さん
その要因には何がありますか?。
柳沢先生
温度や明るさ、音など眠る環境が主な要因になります。朝方に寒くなったり、逆に暑くなったりするなど、温度の変化は避けたいです。また、照明やテレビをつけたままの状態は、光や音の刺激によって脳の休息を妨げるので、暗く静かな環境を作ることも大切です。
黒木さん
そういった要因を減らしていくことが重要なのですね。それ以外には何かありますか?
柳沢先生
口に入れるものではカフェインとアルコールですね。コーヒーに含まれるカフェインには覚醒作用があるので、就寝の5~6時間前からは控えたほうが良いです。アルコールには催眠作用もあるのですが、寝付いた後の睡眠の質を悪くすると言われているので、晩酌以降はなるべく控えたほうが良いです。
黒木さん
自分の体質を知るだけでなく、睡眠の環境や年齢による変化についても知っておくことが大切なのですね。
柳沢先生
黒木さんは寝付きがすごく良いと思うのですが、寝相についてはどうですか?
黒木さん
寝相は悪くないと思います。ただ、私は寝ている間にも喋っているみたいです。
柳沢先生
いわゆる寝言ですか?
黒木さん
はい。自分の声で目が覚める時もあります。寝言は睡眠に悪い影響はありますか?
柳沢先生
気にしなくて大丈夫だと思います。寝言や子どもによくみられる夢遊病は、ほとんどの場合、害が無いです。
黒木さん
夢遊病も害はないんですね。
柳沢先生
はい。親としては心配になると思いますし、メカニズムも詳しくは分かっていないのですが、年齢とともに自然に消失していくので、特に問題はないと考えられています。深い睡眠であるノンレム睡眠中に起きる現象なので、本人も全く覚えていないです。
黒木さん
ノンレム睡眠とレム睡眠についても詳しく教えていただけますか?
柳沢先生
(図3参照)青い部分がノンレム睡眠で、深い睡眠です。ノンレム睡眠の中にも深さの変化があり、夜の前半は特に深いノンレム睡眠が多く、レム睡眠は少ないです。それに対して夜の後半では、ノンレム睡眠は浅くなり量も減って、レム睡眠が増えていきます。
黒木さん
睡眠には、ノンレム睡眠とレム睡眠のどちらが重要なのでしょうか?
柳沢先生
従来は、ノンレム睡眠が大切だと考えられてきましたが、最近はレム睡眠の重要性が解明されてきています。レム睡眠は夢を見る睡眠なので、浅い睡眠だと誤解している方が多いのですが、レム睡眠も決して浅い睡眠ではありません。
黒木さん
夢を見る睡眠でも、睡眠は浅くないのですね。
柳沢先生
はい。夢を見ているので、大脳の一部分は活発に動いていますが、外界からは切り離されていています。体の力も全部抜けていて、多少の刺激では起きないくらい、深い眠りに入っているのです。黒木さんは、よく夢を見ますか?
黒木さん
よく見ると思います。
柳沢先生
どんな夢を見ますか?
黒木さん
同じような夢を見ることが多いですが、すぐ忘れてしまいますね。
柳沢先生
ポジティブな夢とネガティブな夢は、どちらが多いですか?
黒木さん
半々くらいです。
柳沢先生
一般的に、夢はネガティブなものの方が多いと言われています。追いかけられる夢や高い所から落ちる夢、何か大事な物を忘れる夢とかですね。
黒木さん
悪夢やネガティブな夢を見ることで、何か影響はありますか?
柳沢先生
悪夢やネガティブな夢は、決して悪いものではないということが分かっているので、悪影響はないです。
黒木さん
良かったです。安心しました。
柳沢先生
むしろネガティブな夢だとしても、夢を多く見る人はストレス耐性が強くなると言われています。また、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の患者さんでは、夢を多く見る人のほうが回復も早いことが分かっています。
黒木さん
夢はたくさん見た方が良いんですね。何か理由はあるのでしょうか?
柳沢先生
夢を見ることで、起こり得るストレス状況の予行演習ができるからだと考えられています。
黒木さん
夢を見ること以外に、レム睡眠が重要だと考えられる要因はありますか?
柳沢先生
はい。年齢や個人差はありますが、全ての睡眠のうち、約20%がレム睡眠にあたります。そして、レム睡眠が5%減るごとに、総死亡率が13%上昇することが分かっています。レム睡眠の少ない人は、寿命が短くなってしまうのです。
黒木さん
そんなことがあるんですね。
柳沢先生
はい。また、レム睡眠が1%減るごとに、認知症のリスクが9%増加することも分かっています。それもレム睡眠が重要だと言える要因のひとつです。
黒木さん
レム睡眠を減らさないことが重要ですね。予防する方法は何かありますか?
柳沢先生
レム睡眠を減らす一番の要因は、寝不足です。レム睡眠は夜の後半に増えてくるので、しっかりと睡眠時間を確保することが大切ですね。
黒木さん
睡眠時間が短くても平気な方もいますが、良くないですね。
柳沢先生
レム睡眠の観点から考えると、そうですね。
黒木さん
夜しっかりと寝られなかった時に、お昼寝をするのは良いのでしょうか?
柳沢先生
睡眠が十分に確保できなかった場合には、仮眠も効果的だと思います。ご飯を食べた後、少し眠たくなる時間帯に、20分程度の短い睡眠をすると良いとされています。
黒木さん
20分しか、ダメなのですか?
柳沢先生
はい。人は寝付いた後、まどろみの段階を経て、より深い睡眠に入っていきます。しかし、仮眠で深い睡眠に入ってしまうと、覚醒状態に戻るのに時間が掛かってしまうので、深い睡眠に入る前に切り上げた方が良いです。そのタイミングが、寝付いてから約20分になります。
黒木さん
お昼寝をし過ぎるのも、良くないのですね。
柳沢先生
仮眠は、あくまで寝不足の時の応急措置だと思ってください。人間は夜しっかり眠って、昼は起きているようにプログラムされている動物なので、夜に十分な睡眠時間を確保することが大事です。
黒木さん
睡眠時間をしっかりと確保することが何より重要なのですね。
黒木さん
睡眠時無呼吸症候群とは、どういった状態なのでしょうか?
柳沢先生
(閉塞性)睡眠時無呼吸は、眠っている時にいびきをかいて、息を吸っている瞬間に呼吸が止まってしまう状態ですね。
黒木さん
何が起きているのですか?
柳沢先生
仰向けに寝た状態で、舌の根元が後ろに落ちかけて生じる音が、いびきの正体です。そこから更に舌の根元が落ちていくと、喉を塞いでしまいます。その状態が睡眠時無呼吸です。
黒木さん
舌で喉を塞いでしまうのですね。
柳沢先生
はい。多くの場合、20~30秒息が止まると、血液中の酸素が減っていきます。そのまま息が止まっていると危険なので、深呼吸をするために、脳は一時的に覚醒します。
黒木さん
目が覚めてしまうのですか?
柳沢先生
いえ、本当の意味での覚醒ではないです。脳は覚醒するけど目も覚めないし、覚えてもいないですね。
黒木さん
脳が一時的に覚醒するので、脳は眠れていない状態ということですか?
柳沢先生
その通りです。重症患者の場合、息が止まった状態と覚醒反応を1分に1回のペースで繰り返します。睡眠が1分ごとに分断されてしまうので、朝まで寝てはいるけど、脳は眠れていないという状態ですね。
黒木さん
それも改善できるのでしょうか?
柳沢先生
1時間に15回以上の無呼吸イベントがあると、治療を開始することが推奨されています。最も一般的な治療法は、CPAP(シーパップ)という、鼻にマスクを装着して風を送りだす装置を使用する方法です。それ以外に、マウスピースで舌が落ちないようにする方法や、鼻からチューブを入れる方法もあります。
黒木さん
無呼吸やいびきが原因で、亡くなる方もいるのでしょうか?
柳沢先生
無呼吸の最中に亡くなる人は、ほとんどいないと思います。ですが、重症の無呼吸を放置しておくと、脳卒中や心臓の発作、そこに至る前段階である高血圧のリスクが10倍以上になると言われています。
黒木さん
様々な疾患のリスクが高まるということですね。そういったリスクが起こる原因は分かっていますか?
柳沢先生
無呼吸の状態では、気道が潰れているので、呼吸をするための努力が増えます。それだけでなく、息を吸おうとしても吸えないので、心臓や血管に対するストレスが大きくなることが原因だと考えられています。無呼吸が起こると、いわゆる交感神経が興奮してしまうのです。
黒木さん
治療法があるので、できるだけ早く診断して治療を始めることが大事ですね。
柳沢先生
その通りです。自分や周囲の人で気になる人がいれば、まずは専門医を受診してください。黒木さんの周りにも、睡眠時無呼吸症候群の人はいらっしゃいますか?
黒木さん
私の父が、いびきをかいていましたね。
柳沢先生
そうなのですね。睡眠時無呼吸症候群は、中年までは圧倒的に男性に多いです。
黒木さん
どのくらい多いのですか?
柳沢先生
女性と比較すると、10対1程度と言われています。ただし、更年期以降は女性の患者さんも増えていきます。
黒木さん
加齢とともに、女性も気をつけなきゃいけないのですね。
柳沢先生
はい。最終的には男性と同じくらいの割合になるので、女性も十分に注意が必要です。
黒木さん
年齢とともに、女性の睡眠時無呼吸症候群が増える要因は何ですか?
柳沢先生
メカニズムや理由は分かっていないのですが、女性は閉経期以降に急に増え始めるので、女性ホルモンの分泌と関係があると考えられています。黒木さんは美しさを保つために、何か気をつけていることはありますか?
黒木さん
そうですね。しっかり眠ること以外に、好きなことをしてストレスを溜めないことや、朝日を浴びることは意識しています。
柳沢先生
大事なことですね。美容には睡眠も重要だと言われています。
黒木さん
そうですよね。寝不足の時はカメラの前に立ちたくないです。睡眠と美容の関係性は解明されているのでしょうか?
柳沢先生
具体的なメカニズムは分かっていません。ただ、寝不足になると、肌のバリア機能や回復力が低下することは分かっています。さらに、睡眠状態の悪化は、皮膚の老化に繋がることも証明されています。
黒木さん
理由は分かっていないけど、出来るだけ睡眠の質を改善したいですね。
柳沢先生
そうですね。皮膚の健康以外にも、寝不足はダイエットの最大の敵でもあることが分かっています。
黒木さん
睡眠量が不足すると、太りやすいということですか?
柳沢先生
はい。メカニズムについて分かっていない部分もありますが、起きている時間が長くなると、空腹やカロリーの消費は増えますが、寝不足ではそれ以上に食べる量が増えてしまうことが原因だと考えられています。内臓脂肪が増え、いわゆるメタボの状態に近くなっていきます。
黒木さん
睡眠は色々なものと関係が深いのですね。自分の睡眠の状態を知る、何か良い方法はあるのでしょうか?
柳沢先生
はい。私たちはベンチャー企業を立ち上げ、睡眠時無呼吸やノンレム睡眠・レム睡眠の量を測定することができるデバイスを開発し実用化しました。
※睡眠検査を受けたい方へ
https://www.suimin.co.jp/improvementplan
黒木さん
自宅で測定できるのですか?
柳沢先生
はい。専用の電極シールを額と耳の後ろに貼るだけで、自宅で脳波の測定が可能です。脳波の測定によって、睡眠の質や状態が分かるようになっています。
黒木さん
寝ている間の情報は、自分でも知りたいので是非やってみたいですね。
柳沢先生
睡眠の質が大事なことは分かっていても、自分の睡眠の質や状態について知っている人は少ないと思います。一度調べておくと良いと思いますね。
黒木さん
睡眠時無呼吸症候群だけでなく、睡眠の質の悪化は様々な体の不調に繋がるので、自分の睡眠の状態を知っておくことが大事ですね。ありがとうございました。
編集部より
睡眠の重要性について意識する人は増えているものの、日本人の平均睡眠時間は6時間44分と短く、世界でワースト1位2位を競っています。(2021年世界睡眠ホワイトペーパーより)
一口に「睡眠」と言っても、遺伝や年齢、生活スタイル、環境の変化など様々な要素が複雑に絡み合って、私たちの睡眠は構成されているようです。睡眠の質や状態を測定する方法は、アプリやウェアラブルデバイスなど少しずつ増えているので、自分の睡眠について考え、睡眠環境や生活スタイルを見直す良いタイミングなのかもしれません。
この記事を読むことで、自分の睡眠の状態を知り、健康な睡眠を手に入れるきっかけとなることを願います。