体脂肪率の計算方法や正しい測り方を解説
体重に占める脂肪の割合を表す体脂肪率は、健康管理やダイエットをする際の指標の一つとして用いられています。体脂肪率は、測るタイミングや方法によっては正しく表示されないことがあるので、注意が必要です。
この記事では、体脂肪率の計算方法や正しく測るコツについて紹介します。
体脂肪率の計算方法
体脂肪率は、以下の計算式で求めることができます。
体脂肪率を正確に計算するには、体脂肪量を専用の測定器で測定する必要があります。
しかし、体脂肪量を正確に測定できる「水中体重秤量法」や「空気置換法」は、高額の測定器を使用するため、限られた研究機関にしか導入されていません。
一般の人が健康維持やダイエット目的で体脂肪率を測定する場合は、手軽に購入できる体組成計や体重計を使用しましょう。
体組成計や体重計を使った体脂肪率の測定には、体内に微弱な電流を流して身長・体重から体脂肪率を推定する「生体インピーダンス法」が用いられています。
脂肪は電流を通しにくく、筋肉や骨は電流が通りやすいという特性を活かした計測方法ですが、体内の水分量で変動しやすいという特徴があります。
正確な体脂肪率の測定方法としては不十分かもしれませんが、目安としては十分活用できるでしょう。
また、体脂肪率のほかに、「BMI」も目安となります。BMIは国際的に使用されている体格指数で、身長からみた体重の程度を示します。
BMIは、以下の計算方法で求めることができます。
WHO(世界保健機構)のBMIの基準では、30以上を肥満と定義しています。しかし、人種によって体格が異なることから、判定基準は国によって異なります。
日本肥満学会で定めたBMIの基準は、以下のようになっています。
BMI 判定 18.5未満 低体重(痩せ) 18.5以上25未満 普通体重(標準) 25以上30未満 肥満(1度) 30以上35未満 肥満(2度) 35以上40未満 肥満(3度) 40以上 肥満(4度)(出典:肥満と健康,厚生労働省e-ヘルスネット)
ただし、BMIの値は正確な肥満度を表すわけではありません。
BMIが22程度の体型が最も病気になりにくい状態だとされていますが、脂肪は筋肉よりも軽いため、BMIが標準体型や痩せ体型を示していても、体脂肪率は肥満の値を示すこともあります。
BMIだけでは肥満度を正確に判定することができないため、体脂肪率を合わせて測定することが大切です。
体脂肪率を正しく測るコツ
体組成計や体重計は、計測方法やタイミングによって結果が変わることがあります。そのため、できるだけ正確に測るコツを押さえておきましょう。
ここからは、体脂肪率の正しい測り方を紹介します。
同じ時間帯に測る
人の体は、食事や運動、入浴などによって体内の水分状態や体温が変化します。
体の変化は体脂肪率の測定値に影響が出るため、毎日できるだけ同じ時間帯に測り、条件を一定にすることを意識しておきましょう。
また、体脂肪率を測定するタイミングは、体内の水分変化が少なくなる時間帯が好ましいです。
例えば、以下の時間帯がおすすめです。
起床後 朝食後2時間以上経過した昼食前 昼食後2時間以上経過した夕食前 夕食後2時間以上経過した入浴前 就寝前また、女性の場合は月経によって一時的に体脂肪率が増えることがありますが、徐々に戻るので焦る必要はありません。
同じ服装で測る
体脂肪率を正しく測定するためには、毎日同じ条件で行うことが大切です。そのため、測定時にはできるだけ同じ服装で行うのが望ましいでしょう。
また、厚手のトレーナーやスウェット、デニムパンツなどを着用しながら測ると正しい数値が表示されないため、なるべく裸に近い軽装で測ることをおすすめします。
素足で測る
生体インピーダンス法を用いた体組成計・体重計は、足の裏で踏む電極から微弱な電流を送って体脂肪率を測ります。
靴下を履いていると電流が通りにくくなり正しく測定ができないので、素足で測るようにしましょう。
正しい姿勢で測る
体脂肪率は、計測時の姿勢や体組成計・体重計の乗り方によっても変動します。
体脂肪率の計測中に肘や膝を曲げたり、脇や内ももがくっついたまま測ったりしないよう注意しましょう。
硬く平らな床の上で測る
体組成計・体重計は、絨毯や畳、マットなどの柔らかな敷物、凹凸のある床に置いた状態では、正確に体脂肪率を計測できません。
体脂肪率の測定は、硬く平らな床の上で行いましょう。
体調不良時の測定は避ける
体脂肪率の計測は、体調によっても大きく左右されます。発熱や下痢などの体調不良時は、体の水分や体温が変化し、正しく体脂肪率を測定することができません。
正確なデータを取るためにも、体脂肪率は体調が良い日に測るようにしましょう。
体脂肪率の計算方法や測り方を覚えて理想の数値を目指そう
体脂肪率は、体組成計・体重計を使用すれば手軽に自分の数値を知ることができます。
体調や時間帯、服装などによっても数値が変動しやすいため、できるだけ同じ条件下で測定するようにしましょう。
今回紹介した体脂肪率の測り方やコツを取り入れて、体の変化を感じてみてください。