バイエルン・ミュンヘンのMFオーウェン・ハーグリーブスが、今夏のマンチェスター・ユナイテッド移籍を断念した。

 ドイツ・ワールドカップにおける活躍で、一躍注目を集める存在となったハーグリーブス。イングランドから多数の獲得オファーが舞い込み、1700万ポンド(約34億円)を提示するマンチェスター・ユナイテッド入りが確実とされていた。

 カナダに生まれ、ドイツでプロキャリアをスタートさせた25歳も、自身初となる母国でのプレーを希望していたが、2010年まで契約を残すバイエルンは放出を拒否。バルセロナのオランダ代表MFマルク・ファン・ボンメルを獲得したことで、イングランド代表MFの放出を容認するかと思われたが、GMのウリ・ヘーネスは「オーウェンは残る。マンUには諦めていただく」と強硬姿勢を崩さない。

 そして29日、ハーグリーブスの代理人が、ついに移籍断念を宣言した。

「移籍の実現は不可能だ。バイエルン側に放出を認める意思がまったくない。オーウェンの希望をかなえるため、最善を尽くしたのだが…。今は、ユナイテッドが今後も興味を持ち続けてくれることを望むだけだ」

 来年1月のマーケット解禁を待って、移籍を実現させたいハーグリーブス陣営。しかしマンU側は、“ハーグリーブス獲得資金”で、ユベントスのフランス代表FWダビド・トレゼゲ獲得に動くとの報道も。母国でのプレーを夢見る25歳にとって、超えるべきハードルはまだまだ多いようだ。